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ブエノスアイレス(アルゼンチン)の聖体の奇跡

2022-09-04 14:08:00 | 日記
ブエノスアイレスの聖体の奇跡

カトリック教会においては、キリストが「最後の晩餐」の時に告げた言葉「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこれを行いなさい」
 (ルカ22章19、ほかマルコ・マタイなど)を継承し、

   エウカリスト(最後の晩餐)


ミサの時、司祭が種なしパン(ウエハース)と葡萄酒を聖変化させ、キリストの「現存」としています。

その聖体(パンのほう)は、常に聖堂の決められた場所(聖櫃:せいひつ)に安置され、
信徒は特別な崇敬をもって、ミサ以外のときも「聖体訪問」という形で「現存」するキリストに会いに行ったり、その前で祈ったりします。

一方、大半のプロテスタントの教義ではこれを認めていませんが、シンボルとして捉えている派もあるでしょう。

 で・・・その、聖体の話なんですが・・・。

1996年、アルゼンチン・・・。

    ブエノスアイレスの地図


そのブエノスアイレス大司教区で、
現在の教皇フランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)が、
まだクアラッチーノ枢機卿のもとで補佐司教をしていたときに、
 それは起きました。

ホームレスを訪問していたときのフランシスコ


この出来事は“ベルゴリオ司教”(現教皇フランシスコ)自身が目にし、写真に記録させ、
 調査を行っています


1996年8月18日、夜7時。
ブエノスアイレスの商業地区にあるカトリック教会でアレハンドロ・ペセット神父がミサを捧げていました。聖体拝領のための聖体を信者たちに配り終えるころ、
1人の女性がやって来て、
「教会の後方のロウソク立ての上にご聖体が放置されています」と、神父に伝えました。

神父が行ってみると、そこには「冒涜を受けた」と見られるご聖体がありました。
司式直後だったアレハンドロ神父は、すでに司式中にご聖体を受けていました。
すぐに、ふたたびそれをいただくこともできません。

そこで、そのご聖体を水の入った容器に入れて、教会の聖櫃(聖体の安置場所)に納めたのです。

8月26日、月曜日。
聖櫃を開けた神父はぶっ飛びました。なんと、聖体が“血の滲む固体”になっていたのです。

驚いた神父はベルゴリオ司教(これを記している現在の“教皇フランシスコ”)に連絡し、
司教からは「専門家に依頼して写真に記録するように」という指示を受けます。

正式な写真は9月6日、9枚が撮られています。そのころには、血の滲む肉片に変化した聖体が、“大きく”なっていました。

だからといって、こんなことはすぐには公表されません。
この不可思議な「聖体」は教会の聖櫃にしまわれ、
あったこと自体が厳しく伏せられました。

ところが、その後・数年間、この聖体はまったく腐敗しなかったのです。
 そのために、科学的調査が行われることになりました。




1999年10月5日。

ベルゴリオ“枢機卿”(この時点で、つぎの役職についていた)の代理人が立ち合うなか、
リカルド・カスタノン・ゴメス博士が、肉片からサンプルを採取して、
サンプルは分析のためにニューヨークに送られました。

調査にあたっては、先入観を防ぐ目的で、分析にあたる科学者チームにはわざと
サンプルの起源が「何か」について情報が伏せられました。
(サンプルが何か、科学者たちは知らなかった)

この科学者チームの1人、著名な“心臓専門医”であり、
“法医学者”でもあったフレデリック・ズギバ博士は、
分析の結果をこう証言しました。

「分析にかけられた固体は人間のDNAを持った真性の肉と血液である」

さらに、

「分析された物質は、左心室の弁の近くの壁に見出される“心筋の断片”である。
この筋肉は、心臓の収縮を司るものである。

左心室は、身体全体に血液を送り出す働きをすることを忘れてはならない。
この心筋は炎症を起こしており、白血球の数が非常に多い。

このことは、
このサンプルが採取された時点で、心臓が生きていたことを示す。

生体外では白血球は死んでしまうので、
私の結論は、そのとき、この心臓は“生きていた”ということである。

白血球が維持されるには、生きた組織がなければならない。
よって、白血球の存在は、“サンプル採取の時点”で心臓が生きていたことを示す。

さらに、白血球は細胞組織に入り込んでおり、
このことから、心臓に“激しい負荷”がかかっていたことがわかる。

あたかも、この心臓の持ち主が“胸部をひどく殴打された”かのようである」


この分析調査には、2人のオーストラリア人、
ジャーナリストのマイク・ウィレシーと弁護士ロン・テソリエロが立ち合いました。
サンプルがどこから取られたかを知っていた両名は、
ズギバ博士の証言に言葉を失います。

そこで、マイク・ウィレシーはズギバ博士に尋ねました。

「人の身体の組織から採取したものを水の中に入れておいたとしたら、
白血球はどれくらい生存しているんでしょうか」

博士はこう答えました。

「数分もたたないうちに、白血球は消えてしまうでしょう」
(通常の状況下であれば、15分後ぐらいには「血液細胞」が死ぬ)


それで、ウィレシーは博士に伝えたのです。

「サンプルが採取された肉片は、
最初ごくふつうの水のなかに1ヵ月保存され、
その後、蒸留水を入れた容器に3年間保存されたものです」

そんな経緯をへて、はじめて分析のためにサンプルが取られたのだと・・・。

これを聞いたズギバ博士は
何をどう説明すればよいかわかりませんでした。

「科学的に説明することは不可能だ・・・」

そしてズギバ博士は熱のこもった調子で尋ねました。

「もう一つ説明してください。
このサンプルが死んだ人から採取したものなら、これを観察しているときに、
どうして・・・サンプルの細胞が動き、脈打っていたんでしょうか?

この心臓が、1996年に亡くなった人のものなら、
なぜ細胞は生きているのでしょう?
なぜ死んだ人の心臓から取り出したものが、
私のニューヨークの研究室で生きているんでしょうか?」

そこではじめて、マイク・ウィレシーはズギバ博士に伝えたのです。

「分析されたサンプルは、奉納されたホスチア(白い、種なしパン)から取った物で、
それが血に覆われた人の肉片に神秘的に変化したものです」


これを聞いたズギバ博士は驚き、こう言い残しています。

「奉納されたホスチアがどのようにして、なぜ、その本質を変え、
生きた人の肉と血になるのか・・・・。
それは科学では説明できない神秘として残るでしょう。
 私たちの力をまったく超えた神秘として・・・」



さらにこののち、

リカルド・カスタノン・ゴメス博士が、
「ブエノスアイレスの聖体の奇跡」の分析報告を、「ランチャーノの奇跡」の分析報告と比較する調査を依頼しました。


   【ランチャーノの奇跡】
   時を遡ること8世紀、イタリアのランチャーノ(ラン・チアーノ)。
   ミサ中の聖変化(ただの物質が主イエス・キリストの体そのものに変わること)を
   疑いつづけていた司祭がいた。
   だが、ある日のミサ中、この司祭の司式で聖変化の業がなされたおり、
   それが実際の血肉に、また、カリスの中のワインが本物の血に変わってしまった。
   仰天した司祭は、その場に跪いてしまったとされている。
   その変化した御血と御体は、すぐに保管され、
    その後も、大事に護られ続けていた。
   


   そして、1200年もたった20世紀。
   大学の医学チームによる科学的な分析がなされた。
   それによると、
   顕微鏡による目視では、聖体の周囲がパンのままで、
   中心部だけが人間の心臓組織になっており、血管や神経組織が見られた。
    血液は人間のもので、血液型はAB型であることが判明した。





リカルド博士が依頼した調査の際にも、それぞれのサンプルの出所は伏せられたまま
専門家たちによって両サンプルの比較が行われました。

そして、二つのサンプルの分析報告がつぎのように、結論づけられたのです。

「それぞれ採取したサンプルは、“両者とも同一人物のもの”である」

「さらに、どちらのサンプルからも、この人物がAB+の血液型で、
  中東地域に生まれて生活した人の特徴をよく表しているサンプルだ」


こうして、「ブエノスアイレスでの聖体に起きた出来事」は、
「ランチャーノの奇跡」をも科学によって裏付けするという
不思議な結果をもたらしたのです。

   (ちなみに・・・
    当時、無神論者だったリカルド・カスタノン・ゴメス博士は
    この調査に携わったことで信仰者となった。
    2008年、彼はブエノスアイレスの科学会議において、
    自らの稀有な体験のスピーチも行っている)



この出来事は、科学の眼が捉えた出来事・・・
“実際にあったこと”でした。


  注:世界では「似たような」ことが、起きているケースがあって
    ほかにも噂にのぼっているものがある。
    しかし、それらがどれほど奇跡的に見えたとしても、
    上記のケースのように、しっかりした調査・検証も必要だ。
    もし、それがなされていない段階で、安直に信じ込んでしまうのは、
     お勧めできない。

    ランチャーノの聖体


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