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最近、EVをめぐる議論で、よく聞こえてくるのが、「欧米ではEVシフトが進んだ結果、充電スタンドの待ち渋滞が起きている」とか、「重さがあるのでタイヤが早くダメになる。」等々で、「結局EVっていいとこないじゃん、ハイブリッドでよくね? 」という。
そんな中、我が意を得たりという記事が目に留まった。こちらである。
まず、日本でハイブリッドでよくね? という意見の前提は、国民の「ハイブリッドはエコだし、燃費もいいし、航続距離もいいし・・・」という意識だろう。多くの国民がおおいに勘違いしているのは、「燃費がいい=エコ」というところ。
燃費がいいこととエコは本質的に別議論だ。現に報道されていないが、トヨタはEVを実質出していないため、カリフォルニアでは、エコに消極的な企業として多額の罰金を支払っている。
つまり、エコとはCO2を出さないことなのだ。ところが、日本ではハイブリッドとEVの税制上の優遇は同じで、EVを持つ利点はない。
その結果、日本においてはハイブリッドを含む電動車のシェアは2023年11月の販売ベースで53.6%なのに対し、純粋なEVは1.9%だ。
つまり売れている車の半分がハイブリッドだが、EVは50台に1台という・・・ちなみに一番売れているのは軽だが、そこにはハイブリッドはほぼないわけで・・・
逆にいうと(軽を除いた)一般の車の中のハイブリッド占率はさらに高まるわけで・・・
欧州各国のEV普及率と比べると絶望的な状況という・・・さらには、世界の販売ベースでも日本車のEVは世界シェアの1%にすぎないという。一方で、日本人自体は「ハイブリッドがあるので日本は遅れていない」と思っているのでは・・・と。
では、なぜ日本ではEVが普及しないのか。これまで、次のような理由が挙げられている。「車両価格」、「航続距離」、「充電インフラの不足」等だ。
確かに、その通りだが、この記事によれば、ズバリ車両価格の高さを最大の理由としている。
一方で、EVは維持費はガソリン車やディーゼル車より安いし、動力系統の構造がシンプルで部品点数が少ないため、メンテナンス費用も安い。
それでも売れないのは・・・「今の日本が貧しい国」だからと切っている。記事にもあるが、今年ついに名目GDPでドイツにも抜かれると・・・
「航続距離」、「充電インフラの不足」は、確かに普及を妨げている要因だが、売れていないことで、進まないという面もある。
またあらたなガラパゴスができてしまったようだ。
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