自転車で東京湾一周。ものすごく大変なことに聞こえるかもしれませんが、既に達成した先人がたくさんおり別に珍しい挑戦ではありません。走破距離は200km前後、しかしアップダウンはさほどでもないので俺でもいけるかな?
そう考えはじめが最後、行かずには済まないですよね。よね?
東京湾一周となると海があるのでどこかで渡る必要があります。車であれば東京湾アクアラインを使えますが、あいにく自転車は通行禁止ですし輪行しようにもバス各社は自転車を乗せてくれません。
が、アクアラインよりさらに南、久里浜と金谷を結ぶ東京湾フェリーという航路がありますので、こちらを使えば一周は可能になります。
まずどちら周りで行くかですが、今回は200kmという長距離ですので走行中に日没を迎えることを想定する必要があります。夜間走行の基本はなるべく都会を走ること。であれば終盤に都心部を走ることができる反時計回りがベターでしょう。それに時計回りだと金谷→久里浜のフェリーが終盤になるので、最終便に間に合わないというリスクがあります。
自転車に乗って、まずめざすは東京湾フェリーの久里浜港。自宅から50kmくらいですから、無補給で一気に行くことにします。フェリーに乗ってしまえばゆっくり休憩できますからね。
横浜から横須賀方面を目指す際、普通は国道16号を通りますが磯子~金沢八景間はこの国道357号が走りやすくて良いです。埋立地の道路なので平坦ですし、工業地帯ゆえに住宅や商業施設がほとんど無いので信号が少ないという利点があります。大型車が多いのが難ですが、土日祝日ならさほどでもありません。
横須賀はスルーして、さらに観音崎には寄らずに国道134号で一直線に久里浜港に到着。ここから金谷まで自転車込みで1020円で渡れます。
フェリーの出航まで30分以上あるのでとりあえずアイスを補給します。うめぇ。
フェリーに乗ると、自転車はこんな具合に固定されます。右側が私のロードバイクですが、左にあるのは荷物を満載したランドナー。乗っていたのは年配の方で、なんでも大阪から3週間かけてここまで来たそうで、北海道を目指すのだとか。リタイアした後はこういうのもいいですね。まだそんな年じゃないけど。
東京湾フェリーに乗ったらこのカレーパンを食うのがお約束らしいので私も。
船にのると無意味にテンションがあがります。鉄道や飛行機と違い、乗る機会が少ないからでしょうか。
そして見えてきました金谷港。出航してから40分くらいですね。
ランドナーの方はここから南下するとのことなのでここでお別れになります。お気をつけて!
これがさっきまで乗っていたフェリー。結構大きいんですよね。
さてここからは房総半島編。内房なぎさラインこと国道127号を進みます。半島特有の山がちな地形ではありますが、道路のアップダウンはたいしたことありません。三浦半島のほうがよっぽどつらいです。
途中から県道256号に入ると東京湾観音が見えてきました。…なんか怪しいので行ってみたくなります。
佐貫町駅を過ぎて国道465号に入ると東京湾観音への分岐があったので行ってみることにしました。
距離は1.5km程度ですが、高低差が100mくらいあるのでそこそこ急な坂道です。登り始めて3分で引き返したくなったのは秘密です。
どーん。高さ56mの東京湾観音。身長57m体重550トンだったらいいのに。
ちなみに中に階段があって上まで登れるらしいですが、やめときました。だるい。
別に観音様に登らなくても結構眺めは良いです。写真は北側、つまりこれから向かう富津岬とその先の工業地帯。
さて次は富津岬に向かいます。東京湾一周の定番ルートからは外れており完全に寄り道ですが、観光地ぽい感じでもありせっかくなので。
富津岬一帯は公園になっており、先端部にはこんな展望台があります。ちょっと登ってみたかったんですけど子供ばっかりだったので遠慮しました。
この時点で午後1時くらいになっており、岬の入り口近辺に食堂が何件かあったのでそこでお昼にすることにします。
地魚料理小松ではかりめ丼を頂きました。はかりめ丼というのは見ての通り穴子丼です。富津市に入ってからはかりめ丼をプッシュする幟がやたら目に付いたので、食わなきゃ気がすまなかったのです。見事に乗せられてますね、私。
富津を出てからはいよいよ工場だらけの地帯に入ります。東京湾一周をやった方が異口同音に単調で飽きるといっており、実際に面白みがありません。が、途中に木更津があります。木更津といえば、
東京湾アクアラインの足元に来て見ました。かすかに海ほたるが見えています。
千葉市内に入り、国道357号はごらんの渋滞。自転車だからすり抜けられるとはいえ限度ってものがあります。
そこで稲毛海浜公園や幕張メッセ等に沿った道をとることにしました。ここは大型車も少ないし、見ての通りの広さで非常に走りやすいです。
しかしこの近辺でトラブルが発生、道案内をさせているGPSロガーのGarmin Edge800のバッテリーが切れてしまいました。そういえば先日の三浦半島一周のときにもバッテリー切れの警告が出てたような…今回はさらに距離が長いんだから…うむ、バカ丸出し。
まあ、ここからでしたらルートは頭に入ってるので問題ないのですが、時速やケイデンスが判らないのは走行管理上ちょっと不安です。それと走行記録が取れないのも残念。
こうなると反時計回りルートで正解だったといえます。時計回りルートを取っていれば、下手すると金谷港の手前でGPSが使えなくなっていたかもしれません。まったく土地勘の無い房総半島でそれはかなり厳しいと思われます。
なんにせよ輪行袋を持ってきてるわけでもなし、走って帰るしかありません。ともかく国道357号・湾岸道路をひた走ります。
東京都に入ると葛西臨海公園の大観覧車が見えてきました。あの中にはカップルが100組くらいいるんでしょうねぇ。禿げてしまえ。
疲れてはいましたが、ビッグサイトが見えて精神的にかなり回復しました。ここまでくれば何度も走った道です。
晴海大橋より。だいぶ暗くなってきました。
この先、国道15号に出て南下。ここまで来ればホームグラウンドです。
大師橋よ、私は帰ってきた!
所要時間は12時間40分、GPSのログが途切れたので距離は不明ですが約200km。いやー走った走った。
帰り道に晩飯を食って帰ろうとしていたのですが、自転車を漕ぎ続けた汗+海沿いで浴び続けた潮風で手足がべたべたしており、ひょっとしたらかなり臭うんじゃ…と心配になってまっすぐ自宅へ。夜8時を過ぎていたので自炊する気にもなれず、シャワーを浴びた後に近所で済ませてしまいました。
達成感はありますけど、当面200km級ライドは控えることにします。明日の仕事に差し支えそうなんですもの。