やってきたのは本州最北端の駅・下北。朝イチの新幹線に乗ったにもかかわらず、到着したのは11時、5時間近くもかかりました。いやはやここまで遠かった。
そんな時間ですので、まずは駅から少し離れたところにある海鮮丼屋で腹ごしらえ。明日は大間に行く予定なので、マグロは避けてヒラメとイカを選んでみました。
本日のお目当ては「恐山」。恐山街道とも呼ばれる県道4号を登っていきます。
その途中にある湧き水は恐山冷水とよばれ、ここが俗界と霊界の境界であるとか。
そう聞いてしまうと、道路わきのどうということもない地蔵がいわくありげに見えてくるから不思議なものです。
恐山の手前で脇道に逸れ、かまふせパノラマラインに寄り道します。紅葉はまだまだという時期でしたが、それでも少しだけ秋の気配が感じられます。
ヒルクライムのゴールはこの展望台ですが、実はまだ続きがあります。
この山には自衛隊のレーダーがあるので車両は進めないのですが、その脇の遊歩道は通行可。せっかくここまで来たのだから行ってみるとしましょう。
山頂にあるレーダーサイトからはむつ湾を一望でき、はるか先の尻屋崎まで見通すことができます。これだけ広々とした景色はそうお目にかかれるものではありません。
大湊に目をやると、護衛艦らしきものが見えました。
釜臥山からの景色を堪能してから分岐点に戻り、少し進むと霊場恐山と書かれた鳥居(?)が現れました。いよいよここからが恐山の本番であるようです。
そこから下っていくと、突然視界が開け目に飛び込んできたのは宇曽利山湖。同時に、硫黄の匂いも鼻を突きます。
このスタンドはどうやって使うのか、さっぱりわかりませんでした。誰か知ってる人いませんか?
恐山という名前は有名ですが、実はそういう名前の山はありません。宇曽利山湖を囲む山々の総称であると同時に、この地で9世紀に開かれた恐山菩提寺のことでもあります。
また恐山というとイタコのイメージがありますが、恐山菩提寺とイタコは何の関与もなく、祭りの際にイタコが集まって口寄せをしているだけで、常駐しているわけではないそうです。
恐山が開基された9世紀の人にとって、ここ下北半島はまさしく世界の果てだったでしょう。
そんなところにこんな意味ありげな景色が広がっている。ここには何かがある、そう思うのも無理からぬことです。
これらは火山活動が生み出したものであることを21世紀に生きる我々は知っています。
それでもこの光景に意味を見出し、救いを求めた人がいた。ここはまさしく現世の果てなのでしょう。
さてちょっと長居をしてしまいました。陽が落ちるのが早い季節ですし、そろそろ宿に向かうとしましょうか。
今日のお宿は川内町にあるスパ・ウッド観光ホテルです。
市街地からは遠く離れているのですが、隣がローソンなので不自由はありませんし、大浴場もあり申し分ありませんでした。
ただ問題は明日の天気予報です。天気は晴れですが、朝の気温は2度と初冬装備で来てしまった俺には厳しい寒さになりそうです。
とりあえずローソンで貼るカイロを買ってきたので、何とかこれで凌ぐとしましょうか。
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