しかし夏の間ずーっと自転車に乗らないというのもつまらない。この猛暑の中で少しでも快適に自転車に乗る方法はないものか?
考えた末、北の方で標高の高い所に行けば涼しいはず!ということで八幡平アスピーテラインを走ってきました。
この八幡平アスピーテラインというのは岩手と秋田の県境にある八幡平を横断するルートで、オートバイ雑誌でよくやっている「走りたい道ランキング」なんかで上位常連です。
春先は雪の壁・秋は紅葉で知られていますが、夏場でも眺めが良いらしいですし、なにより標高1500m以上になるので涼しいはず。
今日のスタート地点は盛岡駅。さすがにここまで来ると低地でも首都圏よりはだいぶ涼しいですが、それでも輪行解除の作業をしていると汗が出てきます。
盛岡駅からアスピーテラインの登り口までは35㎞ほど、ここは鉄道の本数が少なすぎてアテにできないので自走になります。
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八幡平が近づいてきましたが、いかんせん雲が厚くて不安しか感じません。一応、昼頃には晴れる予報だったのですが。
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盛岡の象徴ともいえる岩手山もご覧の通り、低い雲に囲われていました。
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アスピーテラインの登り口には松尾八幡平ビジターセンターがあり、ここで小休止。
ここで自転車乗りのグループを2つほど見かけたのですが、皆さん俺と違って軽装でガチモードという印象でした。
後で知ったのですが、今月末に八幡平ヒルクライムというレースがあり、その試走に来ている人が多かったようです。
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さあいよいよアスピーテライン本番!とビジターセンターを出ると、のっけから10%前後のウェルカム激坂が待ち構えていました。
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少し登るとスノーシェルターが連続で現れます。いかにも雪国で雰囲気はあるのですが、
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この中がやたらと暑い!緩めの強度で登っているのに汗がどんどん噴き出てきます。
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標高900mあたりに分岐があり、そこを入ると廃墟マニアには有名(らしい)な松尾鉱山跡が残っています。
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鉱山労働者のために作られた住居群は、当時としては充実した福利厚生を備え「雲上の楽園」と言われたそうですが、高度成長期に硫黄の需要減少と輸入の増加に押され閉山。
今でも廃坑からの汚染水を中和する施設が稼働しているのだとか。
アスピーテラインに戻ると、この松尾鉱山跡あたりから斜度が緩むのですが、御在所を過ぎると再びきつくなっていきます。それと同時に視界も開けて景色が良くなっていきます。ここからがアスピーテラインの本当の姿と言えるでしょう。
というわけで、頂上までアスピーテラインの景色をお楽しみください。
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ここまで好天に恵まれていたのですが、ゴールを目前にして雲が多くなってきました。
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ゴールのレストハウスには雲が立ち込めており、今までの晴天が嘘のよう。
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ここから岩手側を望むとまだ青い空が見え景色もよいのですが、
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秋田側はご覧のありさまでした。こりゃこっちに行っても面白くないかもしれません。
さらにもう一つ想定外が発生していました。このレストハウスで昼飯を食べるつもりだったのですが、COVID-19の影響で食堂が休みになっていたのです。
今日はここから秋田側にダウンヒルして田沢湖駅を目指す予定だったのですが、そこまでの距離は70㎞、途中に補給できる場所はありません。
いくら下り基調と言っても、昼飯抜き・補給のアテもなしで70㎞はちょっと怖い。
安全を取って、Uターンして盛岡に戻るルートに変更することにしました。
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といっても秋田側の景色に未練があったので、2㎞ほど進んだところにある展望台まで来てみました。
晴れていればさぞかし鮮やかな景色なのでしょうが、こうまで雲が厚いとちょっと、といったところ。
まあこちらは次の楽しみにとっておくとしましょう。
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帰り道に見た岩手山は、朝と違って鮮やかな晴天に包まれていました。終日こんな天気だったらよかったのに。
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