俺の周囲で最も多い回答は渋峠です。さらには諸々の書籍やブログでも渋峠の魅力は喧伝されており、行って見たいスポットNo.1でした。
今まで行こうとしなかった理由はそのロケーションにあります。渋峠は群馬と長野の県境にあり、群馬側の最寄り駅は吾妻線の長野原草津口ですが、輪行でいくと東京発6:08の上越新幹線に乗っても長野原草津口到着は8:55になります。そこから峠までの距離は40km弱、標高差は1500m。そんな時間から走り始めて明るいうちに戻ってこれるのか?それに東京発6:08ということは何時に起きればいい?それに帰りの電車も本数少ないよね?そんな理由で二の足を踏んでいました。
しかし噂に聞くその絶景は是非この目で拝みたい。できれば、冬季通行規制解除直後にだけあるという「雪の壁」も見てみたい。まあ今年は雪が少なかったから雪の壁には期待できそうも無いらしいですが、それでもなんとかこのGWに行けないか?そう考えて調べていたところ、5月2日の渋峠の天候は晴れ・気温高め・風もそんなに強くないと3拍子揃っていることが判明。これはもうこの日に行けと言うことか!?
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というわけで、やって参りました長野原草津口駅。駅自体は割りときれいなのですが、周りにはな~んにもありません。乗ってきた列車はわずか3両編成のローカル線なのですが、輪行組が10人ほどいました。やはりみんな渋峠行きなんでしょうね。
まずは草津温泉を目指すのですが、そこまでのルートは2つあります。長野原草津口駅からすぐに北上するルートと、少し西に走って群馬大津駅と羽根尾駅の中間から北上するルート。前者のほうが距離はあるものの傾斜が緩いとのことだったので、こちらを選ぶことにしました。
15分ほどで準備を終え、9:10分頃に出発。さあ残ってろよ雪の壁!
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しばらくは緩やかな傾斜が続きましたが、国道405号との分岐を過ぎると九十九折が始まり斜度もグッと上がってきます。その矢先に見えたのがこの鯉幟。川をまたぐとは豪儀ですねぇ。
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1時間ほどで草津温泉に到着。せっかくなのでちょっと湯畑に寄り道しました。ついでに、隣にある足湯でしばらく休憩。まだそんなに走ってないとはいえ、体にしみてくるようです。どっちかというと帰りに寄りたいですね、これは。
なおタオルは備え付けてないのでご注意を。
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草津温泉を出発し、しばらく走ると見えてくるのが殺生河原。硫化水素が噴出しており、例の硫黄臭さが充満しています。まあ長居しなけりゃ問題ないのでサクサク走り抜けてしまいましょう。
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そして殺生河原を過ぎたあたりから樹木がぐっと少なくなり、こんなパノラマが拝めます。薄曇なのが残念ですね、快晴だったらきっともっと鮮やかなんでしょうに。
そしてこの先は絶景のオンパレード。どこで写真を撮ってよいものやら。
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俺には写真の技術も無いし、使ってるカメラもアウトドア用のコンデジなので画質はたいしたこと無いはずです。写真を見返してみても、生の迫力はあまり伝わってきません。やはり行ってみないと解らないのでしょうか。
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休業中の草津白根レストハウスを過ぎると、すぐに万座温泉への分岐があります。ここまで来ると渋峠まであと一息のはず。それにしても、ここまでに雪の壁らしきものが見当たりません。いくら今年は雪が少なかったといっても、4月24日の通行止め解除から2週間で跡形も無く消えることは無いと思うのですが。もっと先にあるのかな?
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そう思ってさらに前進したらそれらしいものが見えてきたー!!
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高さはショボいし汚れてもいるけど、紛れも無く雪の壁です。我ながら、このポーズはなんなんだ。
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雪の壁を上から見るとこんな感じです。地形的に雪が溜まりやすい場所なんですね。
で、雪の壁の具体的な場所はここ。
初めて行く人は、おぼろげでも場所を覚えておいたほうがいいでしょう。でないと、雪の壁はまだ?まさか通り過ぎちゃった?と不安にさいなまれること請け合いです。特に、今回みたいに残ってるかどうか怪しい時期の場合は。
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雪の壁を過ぎると程なく国道最高標高地点に到達。せっかく記念撮影したのに、石碑の文を隠してやがんの。
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ちなみにここからも結構なパノラマが拝めます。でも絶景を見すぎてそろそろ麻痺してきました。
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国道最高標高地点から1km足らずのところにあるのがこの渋峠ホテル。ここか県境になります。
到着したのが12:30頃、ちょうどメシ時なのでここで昼飯を食うことにしました。カレーライス900円というのは多少観光地価格ですが、まあ場所を考えればそんなものでしょうか。こういう場所なので特別な名物は無いみたいですけど、ホテルでパンを焼いているらしく、タイミング次第では焼きたてが食えるみたいですね。
さて、多くの人はここでUターンして群馬側に戻っているようなのですが、今回は長野側に下りてみることにしました。ウインドブレーカー等の防寒装備を整えて、いざダウンヒル開始!
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渋峠ホテルから2km足らずのところにある横手山ドライブインに寄ってみたのですが、ここからの眺めがまた素晴らしいものでした。
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群馬側に降りる人も、ここまでは来る価値があると思います。渋峠からそんなに離れてないですし。
ここまでは、ですけどね。
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これ以降の道は、群馬側に比べると面白くありません。スキー場だらけで、景観があまり良くないのです。しかもちょくちょく登り返しがあるのでしんどいと来る。標高が高いうちは白樺林があったりして風情があるのですが、群馬側の美しさに比べると、どうも。
結局、大して見るものも無いまま長野駅まで突っ走ってしまいました。長野駅到着は15:30頃、晩飯を食うには早いし、自転車乗りの格好で善光寺とかに行くのもどうかと思われ、真っ直ぐ帰路に着きました。長野に降りる利点として、新幹線が通っているので駅で待ちぼうけを喰らう心配が無く、また東京までの所要時間も短いことがあげられます。その分、電車代はかかるのですが。
次に来る時は、横手山ドライブインでUターンして、草津温泉で足湯に入って、長野原草津口に戻る、かな。これが一番楽しめそうです。
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