KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

赤目四十八滝と曽爾高原~秋色をさがしに 2022.11.13-14 [倶留尊山1,037m]

2022-12-05 19:15:51 | 関西の山

三重と奈良の県境にある二つの絶景スポットを訪れる。関西から日帰り圏内だが、せっかくなので赤目温泉に一泊して、のんびり秋の風景の中を散策することにした。

赤目渓谷はオオサンショウウオの棲む清流。伊賀忍者、百地三太夫が修行したと伝わる。土産物店には忍者グッズが並んでいた。外国人の団体と出くわしたが、彼らのお目当ては紅葉か忍者か。

久しぶりの雨の中のハイキングとなった。昨日まで晴天が続いたので水量が少ない。

落ち葉を踏みしめ、深山幽谷の風情。布曳の滝は神秘的な雰囲気で、高千穂峡に似ている。

赤目温泉山水園に一泊。名張駅から曽爾高原までのバスは一日一本。ススキの大草原を歩くためにこの時期だけは人が多い。

春に高原全体で山焼きをすることでこの景観が保たれている。地元の人の苦労に感謝。

倶留尊山の山頂を目指す人は少ないが、亀山峠までなら観光客でも楽に登れる。お亀の湯に入浴後はファームガーデンで昼食。

関西屈指の渓流とすすきの高原は、近鉄でひと駅乗るだけ。こんなに近いのに不思議なことにガイドブックには別々に載っている。地図を眺めて、両方つないだら面白いプランになるのではと思いついた。バス便が少なくて不便だが、大阪鶴橋から特急で50分なので、気軽に行けるのがいい。

倶留尊山の二本ボソからは曽爾高原の全景が一望のもと。

 

【近鉄】曽爾高原ススキ見物に近鉄「散策きっぷ」

【近鉄】赤目四十八滝へ近鉄「探勝きっぷ」

【赤目温泉】伊賀路の和風別荘スタイル温泉旅館 赤目温泉 山水園


大峰山行~偉いさんの布団 [稲村ヶ岳1,726m・山上ヶ岳1,719m]

2020-05-25 22:12:12 | 関西の山


洞川温泉~稲村ヶ岳~山上ヶ岳~洞川温泉
麓の洞川温泉まで自宅から車で5時間。大峯大橋の駐車場に車を預ける。母公堂から登山開始。法力峠を経て山小屋に到着。翌朝、大日キレットの鎖場を登り稲村ヶ岳山頂を1時間で往復。山頂展望台からは関西の山々を眼下に見下ろすことができた。レンゲ辻の女人結界門を通って1時間あまりで主峰の山上ヶ岳へ。


山頂には修験道の根本道場、大峯山寺の本堂や宿坊が立ち並ぶ。帰りは参道の登山道を下山。捨身行で有名な西之覗岩を過ぎ、鎖場を下り、樹林の道を2時間半で女人結界門をくぐると大峯大橋に到着。洞川温泉の西儀旅館で入浴し、山の疲れをいやす。温泉街では土地の風習なのか、色とりどりの鯉のぼりが川の上を泳いでいる。

山小屋にて
稲村ヶ岳の山小屋でのこと。小屋はかなりの年代もので、入口を入ると薄暗い土間にカマドがある。小屋主は72歳だそうで、従業員もなく小屋をひとりで管理している。同じことを何度も繰り返し話しかけるのには少々困った。壁にかかった黒板に私達の名前と人数を書いて「あれが領収証だからね」と言ったのにまず驚かされた。


宿泊18人のうち食事付きが13人いたのだが、6時の夕食時刻を過ぎても準備が始まらない。「今日は鳥すきだよ」「鍋物を出す山小屋なんかないだろう」と言って鍋をひとつ出してきたのは7時すぎ。その鍋を取り囲むように新聞紙が13枚広げられた。どうやらお膳のつもりらしい。13人で鍋ひとつ。このあたりから宿泊客の主人に対する態度が冷たくなってきた。

9時すぎ消灯と言っておきながら、時間を過ぎてもいっこうに寝床を決めてくれない。勝手に寝床を決めて毛布を手に取ると、「それは偉いさん用だから触ったらだめだ」と注意される。そして、皆疲れて眠そうにしているのに相変わらず昔の話や自慢話が続く。そのうち1人減り、2人去り、最後には私たち4、5人が残るだけとなった。

電気はあるけどもったいないと言ってランプに火を点けようとするのだが、要領が悪そうで5分ほどかけてやっと火が灯った。結局10時前に寝床が決まったのだが、部屋は広いのに「畳1枚に2人ずつだよ、ぜいたくはダメだ」と主人。小屋が古いのですきま風が吹き込み、一晩中震えながら過ごすことになった。

【1991.4.27-28】


大杉谷から大台ヶ原山~マイナスイオンに囲まれて 2019.10.22-23 [日出ヶ岳1,695m]

2020-05-10 10:51:47 | 関西の山


近畿の秘境・大杉谷から百名山・大台ヶ原山を目指す。大阪から近鉄とJR、バスを乗り継いで登山口までなんと6時間。関西から北アルプスに行くより遠い。



JR三瀬谷駅近くの道の駅から登山バスで登山口へ。紅葉には少し早いのか、乗客は少ない。



バスの途中休憩で協力金の徴収がある。記念品の手作りキーホルダーを頂いた。



12時、登山開始。断崖絶壁をくりぬいた道が出現。心の準備なしにいきなり秘境が始まる。



大杉谷の名物は滝と吊り橋。屋久島とともに日本一雨が多い。水が造った渓谷が美しい。



空から降ってくるような千尋滝は落差135m。大杉谷最大で、あの那智の滝より高い。



肩幅ほどの登山道をクサリを頼りに進む。黒部の水平歩道を思い出した。滑落事故多し。



3時間余りでシシ淵。大杉谷といえばこの風景。まるで山水画のようで、勝手にパワースポットに認定。同じバスに乗り合わせた夫婦はこれを見るためだけに来たようで、ここから引き返した。



シシ淵の奥に見えるのがニコニコ滝。みんな笑顔になりそうな名前。



延々とアップダウンが続くが、渓谷が美しいので飽きない。



登山口からのんびり写真を撮りながら歩いたので、桃の木山の家に着いたのは7時。



なんとも風情のある山小屋。創業80年とか。秘境の山小屋だけど檜のお風呂がある。



こだわりの夕食は、三重県産コシヒカリとフライ。日替わりです。



この広い部屋に今日は4人。どこから侵入したのかヒルを発見。食いつかれたら大変なことに。



ツアー客が早朝から下山。濡れた岩場での滑落が多いので、登りコースが一般的。



日本百名瀑の七ツ釜滝。落差は120m以上。岩の塊が後退して7段の滝になったそうな。



渓谷沿いの道はスリル満点。油断をしたら数十m下の谷底へ。クサリを握る手に力が入る。



大杉谷の最後を飾るのが堂倉滝。ここから大台ヶ原山まで800mの急登が始まる。



樹林の登りはどこまで続くのか。景色が見えないので疲れる。途中に一軒、山小屋がある。



4時間で山頂へ。晴れていれば熊野灘や富士山が見えるが、歩き疲れてどうでもいい気分。観光客が、登ってきた私たちを見て驚いていた。大杉谷から登ってくる人は少ないようだ。



大杉谷~大台ヶ原山は行きも帰りもバスの本数が少ないので注意。大阪まで4時間。



たった1泊2日の山行でしたが、滝のマイナスイオンを胸一杯吸い込んで、すがすがしい気持ちになりました。公共交通機関が不便で、帰りに恒例の温泉に立ち寄れなかったのが残念です。