KAWORUの山日記~今日も雲の上!

百名山や日本アルプスの旅の記録

大峰山行~偉いさんの布団 [稲村ヶ岳1,726m・山上ヶ岳1,719m]

2020-05-25 22:12:12 | 関西の山


洞川温泉~稲村ヶ岳~山上ヶ岳~洞川温泉
麓の洞川温泉まで自宅から車で5時間。大峯大橋の駐車場に車を預ける。母公堂から登山開始。法力峠を経て山小屋に到着。翌朝、大日キレットの鎖場を登り稲村ヶ岳山頂を1時間で往復。山頂展望台からは関西の山々を眼下に見下ろすことができた。レンゲ辻の女人結界門を通って1時間あまりで主峰の山上ヶ岳へ。


山頂には修験道の根本道場、大峯山寺の本堂や宿坊が立ち並ぶ。帰りは参道の登山道を下山。捨身行で有名な西之覗岩を過ぎ、鎖場を下り、樹林の道を2時間半で女人結界門をくぐると大峯大橋に到着。洞川温泉の西儀旅館で入浴し、山の疲れをいやす。温泉街では土地の風習なのか、色とりどりの鯉のぼりが川の上を泳いでいる。

山小屋にて
稲村ヶ岳の山小屋でのこと。小屋はかなりの年代もので、入口を入ると薄暗い土間にカマドがある。小屋主は72歳だそうで、従業員もなく小屋をひとりで管理している。同じことを何度も繰り返し話しかけるのには少々困った。壁にかかった黒板に私達の名前と人数を書いて「あれが領収証だからね」と言ったのにまず驚かされた。


宿泊18人のうち食事付きが13人いたのだが、6時の夕食時刻を過ぎても準備が始まらない。「今日は鳥すきだよ」「鍋物を出す山小屋なんかないだろう」と言って鍋をひとつ出してきたのは7時すぎ。その鍋を取り囲むように新聞紙が13枚広げられた。どうやらお膳のつもりらしい。13人で鍋ひとつ。このあたりから宿泊客の主人に対する態度が冷たくなってきた。

9時すぎ消灯と言っておきながら、時間を過ぎてもいっこうに寝床を決めてくれない。勝手に寝床を決めて毛布を手に取ると、「それは偉いさん用だから触ったらだめだ」と注意される。そして、皆疲れて眠そうにしているのに相変わらず昔の話や自慢話が続く。そのうち1人減り、2人去り、最後には私たち4、5人が残るだけとなった。

電気はあるけどもったいないと言ってランプに火を点けようとするのだが、要領が悪そうで5分ほどかけてやっと火が灯った。結局10時前に寝床が決まったのだが、部屋は広いのに「畳1枚に2人ずつだよ、ぜいたくはダメだ」と主人。小屋が古いのですきま風が吹き込み、一晩中震えながら過ごすことになった。

【1991.4.27-28】



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