兄は介護老人保健施設の認知症専門棟に入所する事ができました。
介護老人保健施設には常駐の医師がおり
その医師が主治医になり、今までかかっていた病院からは離れます。
診察料も薬の料金も施設の利用料に含まれます。
(余談ですが、値段の高い薬が必要な人は施設側の負担が増えて儲けがへる為
敬遠されやすいと言う話を聞いたことがあります)
入所して間もなく、兄の尿の出がまた悪くなりバルーンカテーテルを入れましたが
他の入所者さんが誤って引っ張らないようにと短い管にして
オムツの中で吸い取るようにしていました。
一人で歩行するには転倒の危険もあり車椅子での生活になっていましたが
落ち着いて過ごしている様子でした。
暫くすると、主治医から薬を減らしてみたいと話がありました。
「こんなに沢山の薬を飲んでいると、重い鎧を付けて体をがんじがらめにしているのと同じで
気の毒だから、薬を減らして体の動きを楽にしてあげたい」と、おっしゃる。
家族としては、薬を減らすと兄の感情の起伏が激しくなり時には暴力的になるし
職員さんに迷惑をかけることになると説明しましたが
主治医は「職員は大丈夫です。慣れっこですし。それが仕事ですから」と。
結局は主治医にお任せすることにしました。
3週間後、主治医から「いや~さすがに専門の先生が調整しただけのことはありますね。
挑戦してみましたが、薬を戻させてもらいました」と言われましたが
兄のことを思って試して下さったわけですから
「お手数をおかけしました。ありがとうございました。」と伝えました。
面会は週に2回、一度は私が一人で行き、もう一度は夫と二人で行きました。
洗濯物は家族対応を希望し面会の時に自宅で洗った物と交換です。
(施設での洗濯は別料金になります)
兄も安定した生活が入所から1年半続きました。