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 世の中のニュースへの意見や、サムライの仕事はどういうものかなど、自分の興味あるものについて書いてるよん。

 サムライの仕事のひとつの例-1、

2010-12-22 |  サムライの業務について

 
ダメ回答から学ぶ年金相談の正しい答え方
池田 悦子,宮原 妙
日本法令


 さてさて、年末も迫ってきて、自然と世の中がせわしなくなってきてるような今日このごろ。
 クリスマスも目前で街も華やかなかんじもするけど、それもあっという間にすぎて年末が来るんだろうなあ。
 仕事もあと1週間。

 話変わって、俺、行政書士、社労士関係の補助、丁稚奉公を始めたのが2001年。
 それまでは別の業界にいて別の目標を持ってやってたけど、この業界に入ったのはもう10年ほど前。以来この業界でやってきて今に至る。
 最初はもちろん仕事も知らん、書類もわからんという状態なので、封筒の宛名書きとか電話番とか誰でもできるようなことをしてた。

 そんな丁稚奉公の時期もあったけど、仕事に興味があっていろいろ学んで、ゼロから始めて半年後にはひとりで任されるとこも増え、楽しんでやってた。
 当時いた事務所の事業主も褒めてくれたし、「事務所の戦力になる」と言ってくれたことは今も覚えてる。決して高い給料をもらってたわけではなかったけど、モチベーションは今より高かったと思う。「カネをもらいながら実務を学ばせてもらってる」という経験はありがたかったし、それで今の俺がある。
 確かに、俺個人としては、社会人デビューにしても経験にしても収入にしても同年代の人たちよりは大幅に遅れたような、スロースタートのかんじだったけど、それでもこの業界で使える強力な実務を得られたその時期は恵まれてたと思う。

 それまで俺はこういう業界で働いたこともなく、会社とか役所とか許可手続きとか、そういうのってもちろんまったく絡んでこなかったので、そんな仕組みもシステムも無知なわけで、でも、だからこそ「世の中こうなってんのか~」、「へえー、そうやってこの許可証になるのか~」とすべてが新鮮で、変なクセもなくその当時いた事務所の仕事に染まっていけたのはあると思う。
 それ以来、たとえば、そのへんの工事現場に掲げてある看板の内容や意味もわかるようになったし、これまで普通に見てたものや景色の見方が変わったりもした。「株式会社」の看板もよく見るけど、それがどう作られていくのかも初めて知ったし、素人だったからこそ、そういうのが新鮮でおもしろく、そして事務所でやってる仕事や知識が現実に世の中のそういう景色やシステムにそのまま反映されてるのもおもしろく感じた。

 そんななか、そういう仕事をただの一事務員としてやってたけど、事業主のセンセの看板を背負って責任持ってやるわけでもあり、そのあたりの実務をするうえでのそういう自覚、危機感、というのは常に感じてやってた。
 自分がヘマするとセンセの看板、事務所の評判に傷もつける。そういうのもすごくビクビクもしてた時もあったし、自分がやったことが元で大事な顧客がそれで離れたら事務所の売上自体にかかわる。そういうのも慣れていくにつれ、一事務員とはいえ、そのやってることは重大なことなんだというのも感じていった。
 その仕事は、顧客の会社に直接影響のある手続きなので、もちろん軽く考えることなどできるわけもなく、自分たちには「数ある仕事のひとつ」でも、各顧客にとっては「自分の会社ひとつしかない」手続きなわけで、それを俺らの事務所に委託してて、当然といえば当然だけど、受託してる俺らとしてはそういう意識でひとつひとつしっかりやらないといけない倫理というか考え方も学んだ。
 そういう考え方や意識は、講習とか研修とかで話を聞く機会はあるだろうけど、実際のそういう顧客に対するやりとりや姿勢、言い方、接し方、ちょっとした気遣いなどなどは、座学で学べるものではなく、事業主と顧客とのやりとりや、自分が直接やりとりすることを踏まえて、学ぶというより“感じる”ことでもあり、ケースバイケースのことだらけでもある。
 やはりそういうとこでサムライ業はサービス業の色もあるし、そういった経験ややりとりで得ていくものは、座学とかあれこれマニュアル的に教えてもらって身につくものでもない。
 なもんで、独立自営してて顧客を抱え、事務所を維持し、さらには従業員まで雇って長年やってるサムライの人たちは、そういう実務バリバリの人たちで、まさしく“先生”と呼ばれるにふさわしい経験とノウハウを持ってる人たちだな、と思う。
 その「実務」は、ただ機械的に書類が作れるというだけではなく、顧客と「人」と「人」とのやりとり、人柄を気に入ってもらう、などという要素の方が大きいとも感じる。
 難しい資格をとっただけではなく、それを職業にして食ってこうというのは、それはそれで難しく厳しいことで、それでやっていけてるだけでもすごいと思うし、俺の今の目標もそれだ。

 ・・・と、長々とエラそうに書き出したけど、このブログを各サムライの方々、それらの資格を目指す受験生の方々が見てることを意識しつつ、俺なりの、俺が見てきたサムライ(3種類だけだけど)の仕事、顧客とのやりとり、カネのもらい方などなどをちょっと書いてみようと思う。
 今週まったり書いて足していったら、かなーり長くなった。

 俺の個人的な意見、経験に基づくものなので、もちろん俺が書くこと以外のこともあるし、サムライの仕事について他の見方、やり方がもちろんあることも申し添えておく。

 まず、行政書士。

 行政書士ができる仕事は多岐にわたるので、「自分はこれでメシを食ってる」という専門的な強みが必要になる。
 そしてその強みが多い(できることが多い)と、周りのニーズに対応できることも多くなり、できる仕事も増え、自分の収入につながることも増やすことができる(=自分の収入自体も増える)。
 たとえば、俺は俺でできること、専門的に対応できることはいくつかあるけど、飲食業の許可とか風俗営業(スナックとかパチンコ屋とか)の許可はやったことがない。
 まあ、俺も仕事を選べる立場でもないんでいろいろさらに学んでやれることを増やすべきでもあるんだけど、これまで3つくらいの分野で「自分が専門的にできること」をやってきてる。
 ま、今は俺は行政書士の資格は持ってないんで、行政書士センセの下でそういう仕事をしてるんだけど。
 俺は、前述の、丁稚奉公してた以前の事務所で修行してたおかげで、今は自分の専門分野については、自分ひとりで顧客とやりとりしてすべてできるようにもなった。
 自分がやれることは限られてるけど、それでもその分野なら負けない、というような、そういう強みは大事でもある。俺はそれが発展して行政書士の仕事メインでやってた顧客が社労士の顧問契約をしてくれたり、そういうきっかけになることもある。

 行政書士に限らず、サムライの仕事は、自分ができる分野の顧客を得ることがもちろん必要で、他のサムライとか知り合いとかの紹介で会わせてもらって打ち合わせして、仕事ができそうなら依頼を受ける、という流れが多いようにも思う。
 なので、日ごろから「自分はこれができる」ということは知り合いとか他のサムライとかにも宣伝はしといた方がいい。
 そして、顧客との打ち合わせでは、「仕事ができそうなら」というか、できるように持ってかないといけないし、相手(顧客)は依頼したくて時間を作ってくれて打ち合わせをしてるんだから、こちらも工夫して相手のリクエストに応えられるように(=それが自分の仕事に結びつく)しないといけない。
 俺もぜーんぜん未熟ではあるけど、そういった初対面でのやりとりの間に顧客からの信頼を得ることも必要だし、聞かれたことにちゃんと答えられて仕事に結びつけられる、そのあたりのトークというか、説明というか、そういうのも必要だと思う。俺もそういうのを今後さらに鍛えたいし。
 もちろん、顧客とのきっかけは、いろいろ自分で動いて“営業活動”して作るのもいいし、インターネット(HP)から飛び込みで依頼があってもいいし、どういう経路でも自分ができる仕事のきっかけが得られればそれでいいんだけどね。
 俺も日ごろはそういうきっかけ作り、ネタ作りをしてることが多い。
 ま、そういうのもすべてがすべてうまくいくとも限らないし、俺ができることも限られてるので試行錯誤しながらやってるけどね。

 で、そういう打ち合わせを経て仕事ができそうじゃない場合、たとえば許可の要件をどうしても満たさないとか必要なものが用意できないというケースでは、その場の相談だけで終わり、仕事になる案件にはならないこともある。
 相談だけでカネをいくらかとるようなこともしない(なかなかできない)し、ただ、要件を満たせそうになったころにまたこちらから声かけて、時期や書類の用意を見計らって手続きにとりかかれそうならそれで“仕事”を得る。
 そういう「見込み顧客」も、せっかく縁あって話せたんだから、大事にしないとね。
 俺もそういう見込み顧客が今2、3件ある。
 今は許可の要件を満たせそうもないけど、書類が用意できるのをしばらく待ってるとか、再来年あたりには要件が満たせそうになるとか。そう考えると、気の長い顧客候補ではあるけど、それでも充分ありがたい。
 こちらも、それを忘れずにたまに声をかけていってあげるのも大事。
 すぐすぐ仕事に結びつかなくても、そういう顧客に、「あー、覚えててくれてるんだ、気にかけてくれてるんだ」という印象を与えることも大事。来年とか再来年に要件が満たされる状態になって他のサムライに仕事をとられたり依頼されるようになってはこちらもさみしいし。
 許可をあげる、書類を作る、というのは、そういう実務や資格があれば、極端な話、誰にでもできることでもあり、顧客としてもその結果(=許可があがるとか、書類ができる)になればそれでいいとこもある。
 だからこそ、「この人がいい」と顧客に思わせるようなケアとか気遣いとかで他のサムライと差別化を図ったり、人柄とか知識とかで顧客にアピールしてかないといけない。そうすると顧客も「このことはこの人に」と自然に当然に思ってくれる。
 そうなるには、地道なこちらからの働き掛けも必要だし、ただ単に報酬を安くして顧客を引っ張ってくる、というのもなんかむなしいしね。

 ・・・って、なんかのサムライの営業の本みたいだけど。
 でも、俺も、顧客の数が少ないからこそ、今ある顧客を大事にしようとそこまでいろいろ考える。おかげで、職場の事務所経由ではなく俺個人のケータイに直接顧客から電話が入ってくるし、「しょうもないことなんやけど」、「教えてほしいんだけど」と社長や事務の人から気軽に聞いてもらえたりもする。
 そういうのを増やしたいし、大事にしたい。
 そして、そういう気持ち、心がけも大事だな、と。それは顧客が多くなっても変わらずにいたい。

 実際に仕事に進められそうなら、会社の情報をもらい、書類を作り、その書類にハンコ(会社の印鑑)をもらうので、俺の場合、最初の打ち合わせのあと、後日、再度訪問することになるのが大半。
 書類作成、申請について必要な書類は、一部その顧客に用意をお願いすることもあるけど、そういうお願いの仕方も要領よくやんないと、顧客に二度手間、三度手間をかけてしまうことになる。
 それは避けないといけない。
 A、B、Cという3つの書類を顧客にお願いしないといけないのに、AとBだけまずお願いして手配してもらって、で、また後日Cもお願いすると、顧客にもまた動いてもらわないといけない。
 なので、必要書類をお知らせするのが仕事上、一番気を遣うとこでもある。
 こちらで動いてどうとでもなることはこちらが二度手間になってもいいけど、顧客にはそうもいかない。申請の内容によって必要書類も流動的になるけど、そういうのは除いて、1回で伝えられるものは簡潔にわかりやすく1回で伝えてしまうようにする。
 押印をもらう書類もそう。
 顧客のハンコはもちろんこちらでどうにかできるもんじゃないので訪問してもらわないといけない。でも、押印をもらう書類が足りなかったり忘れてたりで何度も訪問して何度もあの書類、この書類に押印をもらうのはカッコ悪い。押印をもらう書類はあらかじめ用意して1回の訪問ですべてもらえるようにする。
 そういう要領も必要だし、そこも一番確認するとこ。
 「もう顧客にお願いするものはないかな、もう押印をもらうものはないかな、これで大丈夫かな」と何度も確認する。
 それは行政書士に限らず、どのサムライの書類でもそうだと思うけどね。
 自分がもしそういう専門家に頼む時に、その専門家がいろいろ要領悪いと印象も悪くなるし、「え、また来るの?なんで1回ですまさないの」というかんじになると思うし。

 報酬や費用については、あらかじめかかる実費(証紙代など)は、最初に伝えてて、で、再度訪問した時に預かるパターンが多い。そこで実費をもらえないと、後日振込みしてもらうか、んー、長い付き合いのとこで額も少額なら立て替えたりもすることもある。
 でも、基本的には数万の実費になるので、簡単には立て替えない。「早く申請してほしいなら、先に早く実費をちょうだい」っていう姿勢。
 行政書士業務の報酬の請求は、俺は、手続きが完了したら請求をかけるようにしてる。あくまでも事後請求。その時に、謄本や証明書代とか、交通費などの小さな実費もまとめて請求額に入れる。
 別に請求するタイミングが決まってるわけではないと思うけど、顧客としても申請が終わる前にこちらの報酬を請求されるのも気分よくないかな、とも思うとこもあって。
 で、手続きを終えて請求をかけてから数日から数週間でその報酬が入る、と。

 なので、一方では、ずっと払わない顧客もいたりする。
 俺個人で関わってる顧客は幸いそういうとこはないけど、手続きだけ先にさせて報酬を払わないとこもあるようだ。
 そういうとこもあり、前述の数万かかる実費についてはこちらがあまり立て替えることもない。こちらがよかれと思って立て替えてスムーズに申請できても、その後その顧客が払ってくれなかったら、こちらもつらいし。

 おおまかな俺が普段やってる行政書士分野の仕事について書いてみた。

 他の業種のサムライについては、また明日以降に書こうかな、と。

 これをご覧の方で、なにか感想や意見、「ウチはこうだ」というようなのがあったらお気軽にコメントくださいな。

 今日も忘年会~。
 ふう。

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