くまがい桂子 の  エッセイ  「木もれ日あびて」

「民報ゆうばり」に隔週で掲載している
エッセイ「木もれ日あびて」です。

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元夕張組

2006年02月21日 | Weblog
「華麗なる元夕張組、新年会のご案内」がファックスで届きました。

いっしょに子育てをし、同じ保育園の運営にかかわり、そして小樽や石狩、苫小牧へと夕張から転出していった仲間たちとの一年に一回のいわば「同窓会」。

家族の近況や、地域での子育て、学校での様子、子どもたちが大きくなってからはそれぞれの仕事、高齢者介護などなど…、毎年話題は尽きません。

今回、一番話題になったのは、何といっても26才から高校生までの子どもたちの、就職の問題です。

A君は大卒後、会社に入ったものの、仕事がきつく残業も多く、腰を痛めて退職。手術・療養後、現在はアルバイトをしながら「家具職人」養成の学校へ。

Bさんは臨時の教員に採用されたものの、職場の学校がひどい管理教育。教育現場に見切りをつけ、採用の更新をせず、一般企業は「正採用の会社はどこも長時間労働で残業は当たり前」と聞いて、「給料は安くても人間らしい暮らしがしたい。」と今は派遣社員。

C君は希望通り医療機器を扱う会社に入ったけれど、仕事はコンピューターのシステムエンジニア。仕事が終わるのは毎晩10時過ぎ。

D君は高校を出てからフリーター生活。今は派遣社員でホテルの厨房で働く。
E君は高校へ行かず、「ダンスの道に進みたい」そして仕事は大工。見習いだけれど道具は全部自前。親からの借金で揃えるのが普通。

Fさんは看護師、休みがなかなか取れないのが悩み。
6人中4人を親が援助、また、サラ金に何十万と借金のあった子も2人。

幼年期や中学・高校までを夕張で過ごした若者たちが、今、現代のひどい労働条件のもとで、それぞれが必死でがんばっています。

 一生懸命働いているのに暮らせない…若者は自信も喪失…。こんな政治、絶対に変えるしかありません!

除雪より軍備?

2006年02月07日 | Weblog
各地で記録的な大雪となったこの冬。
夕張市では1月19日、1月としては観測史上2番目の181センチを記録しました。

2月2日の北海道新聞に大きく掲載された、「年金で除雪費出せないー高齢化率道内トップ 夕張市をルポ」の記事を読まれた方も多いことと思います。

今回のこの記事の取材に、案内役として同行する機会に恵まれました。
南部や南清水沢では、「屋根の雪下ろしは業者に頼むと2万円以上。年金暮らしでは負担が重いので、何日かかっても自分でおろす。」

…今冬は全国で屋根などの除雪中の高齢者等が、百人以上も亡くなっています。
「除雪ができなくなり、子どもと同居したり、施設に入る人もいる。今は高齢者同士の助け合いもあるが、さらに高齢化が進めばどうなるのか不安です…。」

そして障がいをもった方から「障がい者は福祉除雪を利用できない。昨年末、除雪業者から8日間で5万円の請求がきた。年金11万円で、この金額を払うのは無理。市は私たちの生活を本気で守ろうと考えているのか…?」

また「近所のお年寄りが、二~三日見えないと思って声をかけたら、布団の上で倒れていて…。トイレにもいけなかったらしく…。」

さらに、亡くなって数日後に発見された方のことも耳にしました。
高齢になっても子どもに頼らず、自立した生活をしたい…多くの人の願いです。

憲法25条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進に努めなければならない。」と明記されています。

誰もが人間らしい生活を保障される―これが民主主義です。21世紀は人権の世紀。
戦争の世紀と呼ばれた20世紀に戻すことなく、戦争を根絶し人権の世紀にするために、憲法九条をしっかりと守って、軍備に使うお金で社会福祉や社会保障の充実を! 

この憲法が保障する自由と権利を守るのは、私たち「国民の不断の努力」(憲法12条)です。