悠汰の思い出に

悠ちゃんは４才になった。未だ４才なのだがとても口達者である。慶ちゃんと口げんかしていても決して負けてはいないのである。時には口でかなわない慶ちゃんが手を出すこともあるが、手をだされた悠ちゃんは知らんふりをして無視するそぶりを見せている。
みのちゃんやゆきちゃんは口達者と、しぐさのアンバランスに惑わされることがある。乳児に多少、毛の生えた幼児なのである。
普段、”おねしょ”とは寝ている最中におもらしをするのをおねしょ（お寝しょ）と言うのだろうが、悠ちゃんは朝、目が覚めてから少しだけ下半身の涙腺が緩むようである。パパとママといるときは、就寝中に悠ちゃんをパパがトイレに連れていくこともあるのだが、ゴールドコーストに来てからはトイレに連れていくこともなく過ごしていたが今朝、久しぶりにその涙腺が緩んだようだ。ゆきちゃんが６時頃起きた時、「ゆうちゃん、おトイレに行く？」とたずねた時は、首を横に振っていたらしいがその後、しばらくすると慶ちゃんが小さな声で「ゆきちゃん、悠汰が漏らしたみたい」と言ってきた。ゆきちゃんが悠ちゃんを抱きかかえると下半身は汗びっしょりのように濡れていた。ゆきちゃんは寝れたマットやシーツを取り外し、洗い流していた。みのちゃんはもの騒がしいので起きてみると悠ちゃんはみのちゃんのところに来て「みのちゃん、ほらぬれちゃった」と言いながらパジャマのズボンをつまんで見せてくれた。みのちゃんが「ゆうちゃん、朝起きたらすぐにトイレに行こうネ」と言うと大きな声で「うん」と返事をした。本当に「うん」の意味を理解しているのだろうか、反射的に発声しているのかもしれない。悠ちゃんはまだおもらしが恥ずかしいという気持ちが少ないのだろう。慶ちゃん、ゆきちゃんに口ごたえをして逆らっている悠ちゃんは、どこえいってしまったのだろうか。
２週間前に１年ぶりに会った慶ちゃん、悠ちゃんを見た時、ずいぶんお兄さんになったなと感じたが、外見は幼児なのだが・・・。小学校に入学するまでまだ二年もあるそんな目線で悠ちゃんを見ることにしよう。ニンジン、大根が大好きな悠ちゃん。