登録外の番号だったので、リダイヤルでかけてみると「合気道の件で、お電話しました。一度体験したいのですが・・・。」との事でした。
私は、稽古場所、時間等を一通り説明し、「一応、お名前を伺ってもいいですか?」と確認すると、先方「Aと申します。」。
私:「もしかするとAさんは、合気道某団体に所属されていませんか?」。
Aさん:「はい、そうです。覚えていてくれましたか?」
覚えているどころか、忘れはしません。(笑)
私は、いつの間にか、消えてしまったAさんを探していたのです。
私が以前所属していた合気道教室での出来事です。
そこは、カルチャーセンターですので、”合気道ってどんなものかな?”のような乗りで、3ヶ月毎に、新しい人が入れ替わり立ち替わり、出入りしているような所です。
私は、未経験者や初心者の人に、気軽に合気道を体験してもらうというような感覚で、受身や基本を教えたりという毎日でした。
私が、その中の初心者の一人と思って接していたのが、このAさんです。
合気道の稽古法に呼吸動作というのがあります。
二人が正座で対面し、一人は両腕を差し出し、もう一人はその両腕を持ち、互いに押し合い、合気道独特の力の出し方を稽古する方法です。
私は、呼吸動作には多少自信があり、まして未経験者に押し負けることはありません。
しかし、この時は、Aさんに不覚をとってしまったのです。
普通なら相手は畳を転がっている所なのですが、この時はAさんに受け止められてしまい、動かすことが出来なかったのです。
驚いた私:「Aさんは合気道経験者ですね?」
Aさん「:いいえ、合気道経験はありません。」
このやりとりが数週間続いたのち、やっと、Aさんは、実は、某流派合気道団体所属の現役有段者で、他流派合気道を研究したくて、ここに来たという事を明かしてくれました。
合気道経験を伏せていたのは、その方が、気兼ねなく学びやすいからという理由でした。
その後、正体がばれると、Aさんは姿を見せなくなりました。
自分の弱点に気づいた私は、その問題点を克服するべく、よき稽古相手が現れたと、内心期待していたのですが、いつまで経ってもAさんが現れることはなく、その後、私も、ある事情により、その団体を去ってしまうことになったのです。
この経験は、ショックでもあったのですが、自分の弱点を気づかせてもらい、更にスキルアップしていく為の、貴重な経験にもなりました。
そのAさんは、ずっと、私のこのブログを読んでいてくれたらしく、私が前団体を離れた経緯から、現在、”京築合気道研究会”として活動していることなどをご存知だったそうです。
先日の稽古には、そのAさんも参加し、流派が違い、入り口が違っても、目指す山の頂上は同じだという事を再確認致しました。
我が道を行く決心をし、どこの団体にも所属せず、独自の合気道を追求している私の事を、見守っていてくれている同志の存在を知り、大変勇気を頂き、本当に感動の再会でした。
Aさんは某団体に所属しながら、私達の稽古にも参加する”特別会員”という形で京築合気道研究会の一員になりました。
所属団体や本名は一切明かせませんので、”謎の合気道家Aさん”という形で、今後はたまにブログに登場していただきます。(笑)
(”京築合気道研究会”は2007年1月13日より、道場名を”合気道 真風会”へ変更致しました。)
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