二十九歳独身男初美容院

突然ですが、美容院に行ってみた。

電車男の本に影響されたっていう一面がないともいえないけれど、職場の人たちが結構美容院で手入れをしてもらうってことが多いようで、そういえば土曜日の仕事中、同僚が美容院に行ったときにわけのわからないヘアスタイルを羅列され、一言目のスタイルで「じゃあそれでいいです」って言ったらソフトモヒカンにされたって半泣きしていたなという話を聞いて、たまには美容院に出かけてみようかと思った次第。
出かけたのは東葉高速線八千代中央駅近くの美容院。この駅前は、近くにフライトアテンダントの寮があるためか、なぜかやたらと美容院が多く、駅前通りだけでも、周囲５００メートルにゆうに７、８軒はあろうかという激戦区。少し離れた京成八千代台駅近くも美容院が密集しているらしく、未確認情報ながら、八千代市は日本で一番美容院が多いらしい。激戦区なら男性客だってやってくれるだろうと思って、数ある美容院を軒先から物色しつつ、入りやすそうな一軒のドアを開けた。店は総ガラス張りで開放感に溢れている。
「いらっしゃいませ。今日はどうなさいますか？」と若いお姉さんに聞かれていきなり目が点。いや、頭切りに来たんだけど…。とにかく初めてな・ん・で…というと、カウンセリングシートを渡された。スタイリストさんとヘアカタログなんぞを見ながら、七・三のヘアスタイルからたまには脱却してみたいんで、髪はばっさり切ってもいいからイメチェンしてみたいんですと伝える。そうか、世の中にはヘアカタログなんていう書物もあるのか。スタイリストさんのカウンセリングを待つ間、差し出された男性ファッション誌を読んでいたのだが、こんな物生まれてこのかた読むのは初めてだ。ましてや「男のヘアカタログ」なんて…。入店１０分で結構なカルチャーショック。仰向けになって洗髪されるのもそう。今まで「男の理容店」だったから、うつぶせで洗髪するのが当たり前だったからなあ。最早さながら俎の上の鯉。どうにでも捌いてくれと。
スタイリストさんの手際が鮮やかで、本当にバッサバッサと髪の毛を切っていき、あっというまに頭が軽くなった♪　そうか、美容院では２度洗髪するのか。
見た感じ、別人になったような気はしないけれど、七・三よりは断然いいかなあと思う仕上がり。この感じなら、頭に多少の色を入れた方がもっと軽い雰囲気が出るのかも。
最後に手入れの仕方を聞いて終了。カットのみで３６７５円とは安かった。地元の行きつけの理容店が３０００円だから、全然高くない。
いやあ、理容店なら決してここまでばっさりとは切ってくれないというところまで切って貰えたので頭が軽いですわ。職場がホテル勤めのくせに多少の色は入れていいというところになってしまったので、今度は色をいれてもいいかなあ。さり気ない程度で。
まさか俺がそこまで考えるようになるとは…。恐るべし美容院。