こちらの記事の続きになります。
17時55分、夕闇迫る阪神御影駅に到着。
フェリー乗り場がある六甲アイランドまでは、「神戸フェリーバス」という会社が送迎バスを走らせている。同様に、神戸港から高松まで渡る「ジャンボフェリー」の送迎バスも走らせているので、文字通りフェリーの徒歩客の送迎で成り立っている会社である。ジャンボフェリーとタッグを組み、片道船舶、片道は格安高速バスなどの企画で、神戸~高松間の高速バス事業にも参加していた時期があるが、現在では高速バス事業から撤退している。
送迎バスの乗り場は、神戸市バスがひっきりなしに発着する阪神御影駅北側のロータリーではなく、駅から少々西側へ歩いた2車線道路の北向け車線側。
送迎バスは定刻どおりの18時10分頃にやってきた。一昔前までの関西地方ではごくごく主流だった、前後扉の2ドア2ステップバスであった。
バスの写真を撮りたかったのだが、この時間は夕闇迫る悪条件下、フラッシュも焚けないとあっては撮影は断念せざるを得なかった。また機会があったら撮っておきたいね。
バスは阪神御影駅で6~7人拾いすぐ発車。すぐぶつかった国道2号線を右折して、JR住吉駅南側のバス停でも6~7人拾い、バス定員には程遠いものの14~5人の乗客といったところだろうか。
バスは混雑する国道2号線を強引に右車線へ移り、発車後すぐにある住吉東町5交差点を右折して南下、そのまま海際の道路まで突き当たって右折、御影大橋を渡って六甲大橋を渡る道路へ出て六甲アイランドへ。
六甲アイランドへ渡ると、六甲ライナーアイランド北口駅前交差点を左折して、アイランド北口駅前でも客扱い。ここでは後扉を開けて客扱いするものの、ここから乗ってくる乗客はゼロ。
ちなみにこの送迎バス、阪神御影駅前とJR住吉駅前から乗ると220円の運賃がかかるが、アイランド北口から乗ると無料。その関係でバスにはしっかりと運賃箱が設置されており、運賃が発生する阪神御影駅とJR住吉駅から乗る場合は前ドアから乗ることになり、運賃も先払いすることになる。
つまりはこういう仕組みである。
六甲アイランドまでは新交通システム「六甲ライナー」も出ているので、アイランド北口まではJR住吉駅および阪神魚崎駅から六甲ライナーに乗ってアクセスすることも出来るが、住吉や御影まで出るお客さんまで無料にしては、誰も並行する六甲ライナーになど乗り換えなくなるので、アイランド北口~住吉間の六甲ライナー運賃相当額である220円を、そのまま連絡バスの運賃に設定して需給バランスを保っているのである。アイランド北口~フェリーターミナル間は無料だが、そのぶん六甲ライナーに乗り換える手間も運賃も発生するのである。
ちなみにこの時間帯の送迎バスは阪九フェリーの客だけではなく、同じく19時50分に出航する大分行き「さんふらわあ」の旅客も乗り合わせている。
バスはアイランド北口付近の高層マンション街を北側へ外れて港湾地区へ走り出し、まずは大分行き「さんふらわあ」の旅客ターミナルに寄って半分ほどの客が下車、ついでその東隣にある阪九フェリーの旅客ターミナルに到着。
まずは窓口で予約した乗船券の引き換え。
窓口に予約時に送付されたメールの書面を提示して、運賃を支払って乗船手続き完了。本来ならここに乗船名簿を書くという作業が発生するのだが、手続き時に個人情報を予め入力しておくと、乗船時の作業が一手間減らせるとは、船会社にとってはまさしくインターネット様様であろう。
阪九フェリーが運行する大阪・神戸~新門司間は、高速道路1000円政策や折からの原油価格の高騰などで軒並み苦境に立たされ、これまでも続々と車社会を前に枕を並べて散っていった各フェリー会社の中にあって、唯一なんとか互角に車社会と勝負できている路線である。
大阪から福岡(北九州)までは単純計算で600キロ。クルマの航送料金を考えれば、クルマに一人二人だと高速道路では太刀打ちは出来ないけれど、親子4人ならアタマ割りとドライバーの負担を考えれば、天秤にかける勝負には持ち込める計算になるし、夜出航でも朝の時間帯に到着できるのも大きな魅力。なんとなればドライバーのお父さんだって、車を甲板に置けば寝酒も煽れるのはこれまた大きな魅力。
陸の交通機関といい勝負になっている証拠に、インターネットで予約を入れるだけで、なんとまあ全等級そろって基本運賃から20%オフという大盤振る舞い。
当時の運賃では、桟敷席で雑魚寝する2等自由席運賃が6000円なので、ネット予約をするだけで4800円になるというのだから驚き。
JRだと鈍行乗り継ぎの乗車券だけでもそれ以上するだろうし、新幹線で行けばさらに特急券が必要、しかもJRだと夜行便は廃止されてしまっておりこの世には存在しない。
バスだと同等の運賃で移動は出来るだろうが、おそらくはツアーバス価格になるだろうし、待っているのは窮屈な4列シート…と考えると、雑魚寝という形にはなっても、桟敷席で手足を広げて寝られる船便も、移動手段としては十分すぎるほど検討するに値しよう。雑魚寝でも値段、快適性、そしてなにより夜行移動が出来る手段として、こうした長距離フェリーはもっともっと見直されてもいいと思うし、今回は僕もそのつもりでフェリーを選択したのである。
ネットで予約するだけで20%オフという恩恵にあずかって、今回予約を入れたのは、2等指定A。基本料金では10000円が20%オフで8000円。
一人旅という時点で、船便は使う船室は自ずと限られてくるのだが、阪九フェリーや名門大洋フェリーは、しっかりと一人旅のニーズもキャッチしてくれているのでありがたし。フェリーというと桟敷で雑魚寝か、不特定多数が一つの船室のベッドで分かれて寝るというイメージがあるもんで…(^^;)
一人用の個室寝台というので迷わず選びました。個室寝台にコンセントがあるというのも、今や移動手段の選択の大きなファクターの一つ。いや、携帯を充電したいだけなんですが(^^;)
ただ、フェリーにも自ずと欠点がございまして。
まずは今回のように、乗り場が市街地から離れていること。六甲アイランドターミナルは阪神御影駅からバス20分、明朝目指す新門司港は、JR門司駅からバス20分。
そしてこれはある意味飛行機と同じで、出航1時間前を目安にして乗り場へ到着しなければならないということ。東京湾フェリーなどの近距離航路はまた話は別だけれど、長距離フェリーはそれなりに手続きがかかるので、「社会人なら5分前行動は当たり前さ」などとドヤ顔で出航5分前にフェリーターミナルに着こうものなら、かかなくてもいい大恥をかくことになる。
ターミナルには売店もあり、待合室も完備されているので、乗船開始時間に指定されている19時までは暇の潰しようはそれなりにはある。
船に乗るのだから、万が一に備えて救命胴衣のつけ方をみておきましょうね。
そんなわけで、7時のNHKニュースに合わせたかのように乗船開始の案内。
タラップまではエスカレーターで昇ることができる。
長いタラップを渡って乗船。
まずは船内案内で個室の鍵を受け取り、2等指定エリアへ。
ドアが並ぶ写真向かって左手が2等指定A。右側は8人部屋になっている2等指定B。8人部屋だが、B指定には窓がついているので、移ろい行く夜景を楽しむことが出来る。
2等指定Aは、こんな感じです。
言ってみれば個室つきのカプセルホテルといったところ。
テレビはしっかり地上波が入るほか、ブリッジに取り付けられたカメラからの展望映像もテレビで見ることが出来る。
残念ながらビデオデッキは使用停止になっているので、持ち込んだVHSビデオでぐひひうへへなどということは出来なくなっている。そもそもそんなもん持ち歩きもせんのだがw
テーブルもあるので、ここで誰かに手紙を書くことも出来るし、競馬新聞を読みふけって明日のレース検討を行うことも出来るw
さて船内を少々探索。
残念ながら客室内の写真はございませんm(_ _)mというより撮れなかったぜ(´・ω・`)
どうしても船室内をごらんになりたければ、阪九フェリーHPからどうぞ。
中層階からエントランスを眺める。中層階が2等およびドライバーズルーム、上層階が1等と特等エリアになっている。
1等と特等エリアへ通じる階段。
通路にチェックは入らないが、「2等のお客様は通行を御遠慮ください」の文字が。昔の国鉄華やかりし時代の優等列車編成も、食堂車を境目にして1等車と2等車(1960年以前なら2等車と3等車)を分けて組成し、1等客が2等車内を通行する必要がないように、また2等客が1等車内に立ち入ることがないような編成になっていたっけ。
船内には、狭いながらも遊戯施設もあります。
長距離フェリーの楽しみといえば展望風呂。
夜景は湯気で見えないけれど、移動しながら風呂に入れるのは、バスにも鉄道にも飛行機にもない強み。一部の夜行列車にはシャワーがついてはいたけれど。
さて、出航までは時間があるのでデッキに出てみよう。
ターミナルのある六甲アイランド。
西隣に泊まっている、大分行きのさんふらわあ。
考えようによっては、あっちに乗ってもよかったのかも。福岡だけでなく九州を満喫しようというのであれば。日程的に厳しいから別府、大分はオミットしたんですがね。
出航してすぐの時間帯を選んで、船内のレストランで夕食。
フェリーのレストランも、普通のレストランあり、バイキング形式ありと、事業者によって営業形態はまちまちだが、この船の中はカフェテリア方式。一品料理を好きなように選んで、最後に合計を会計するというもの。
メニューの一例。
拡大画面でもご覧いただきます。
…。
夕食撮り忘れた(´・ω・`)
中華系のものでたらふく詰め込んだと思ったけれど。
ついでに酒も入れようかなとは思ったけれど、夕方5時に入れたばかりだし、その前は実は阪神競馬場で散々飲んでいたのでwフェリーの中は寝酒程度にしようっと。
フェリーの中は休憩室からフリースペースに至るまで、客が三々五々適度に散らばっている。ロビーの片隅のテレビでもボーっと見てようかなと思ったのだが、土曜夜7時の時間帯なんてどこも似たり寄ったりの番組しか流していないし、NHKを見てみれば未だに地震速報ばかりがひっきりなしに流れているから、フリースペースはそっと抜け出す。
…。
こーゆー時の暇つぶしはきっついな(´・ω・`)
出航から1時間近くが経過したところで、神戸の街並みを北側に見つつ西進する夜景を見にもう一度デッキへ。
…対岸がどのへんかわかんにゃい(´・ω・`)
一応、船内には位置情報がテレビで見られるようにはなっているのだが。
明石海峡大橋はくぐっていないので、神戸市内としか分かりません(´・ω・`)
さて。
今日は朝が早かったし、それ以上に前の晩がほとんど寝られなかったので、個室でも横になればぐっすり寝られますわね…と思って、はしごを上ってベッドに入ってみたら…。
う~ん。
これが船の振動かといわれたら、また別の振動があるのだと思うけれど、船自身が発するビリビリという振動がモロに枕元まで伝わってくるな(´・ω・`)
列車だと適度に揺れるから気にしないのだが、これは気になるな。
下から低周波治療器が全身に当てられているような感じなんで…。
それにもましてまいったのが隣人の客。
すなわち反対側の船室で下段のベッドなのだが、どうも一緒に乗り合わせた、奈良県内に教団本部を持つ宗教団体の団体客の一部のようで、1時間以上延々お経を読まれた(´・ω・`)
この中で寝たら翌朝絶対にうなされるレベル。しかし寝たい。でも寝られん。うぬぬぬぬ。
しょうがないので、頓服の睡眠薬をぶち込んで強制終了。
朝(・∀・)
ピーカンでございます。
移動しながら朝日を浴びることが出来るなんて、こんな贅沢な移動手段があるだろうか。
※↑クリックで拡大します。
あれは宇部とか小野田あたり?
カフェテリアは朝も営業していたのだが、前夜頓服を服用した影響でなんとなく気分が優れないので、カフェテリアでの朝食はパスして、売店で売っていた焼き立てのパンで軽く済ませることに。
フェリーは無事に定刻の朝8時30分、新門司港に到着。
25年前に乗ったときはは関門海峡を渡った、小倉の日明港に発着していたのだが、いつのまにやら関門海峡を渡らない、周防灘側の新門司港発着に変更になった。
一夜を共にした「すおう」が、船首を大きく開けてトラックを吐き出している。
徒歩客には、門司駅経由小倉駅新幹線口まで送迎バスが出ており、こちら側の送迎バスは無料。
担当は西鉄バス北九州で、2台が待機していた。
本来なら和風造りの新門司港ターミナルをお楽しみいただきたかったのだが、「お客様の下船が済みますと、バスはすぐ発車をいたします」なんていうものだから、とりあえず空いているバスへ乗車。
はて、手前側は小倉営業所のバスだったけれど、おいらが乗った奥側のバスはどこの営業所だったかな。恒美だったような気がするのだが。
バスは3~4分くらい経った後に発車。
関門自動車道新門司インターを抜け、一山越えて門司側に出る形。
バスは小倉駅まで走るが、僕は門司駅前で下車。
せっかく門司に来たのなら、ついでに門司港近辺を歩いてみたい。
たまには観光客だってええじゃないかええじゃないか←
(※以下続きます)
17時55分、夕闇迫る阪神御影駅に到着。
フェリー乗り場がある六甲アイランドまでは、「神戸フェリーバス」という会社が送迎バスを走らせている。同様に、神戸港から高松まで渡る「ジャンボフェリー」の送迎バスも走らせているので、文字通りフェリーの徒歩客の送迎で成り立っている会社である。ジャンボフェリーとタッグを組み、片道船舶、片道は格安高速バスなどの企画で、神戸~高松間の高速バス事業にも参加していた時期があるが、現在では高速バス事業から撤退している。
送迎バスの乗り場は、神戸市バスがひっきりなしに発着する阪神御影駅北側のロータリーではなく、駅から少々西側へ歩いた2車線道路の北向け車線側。
送迎バスは定刻どおりの18時10分頃にやってきた。一昔前までの関西地方ではごくごく主流だった、前後扉の2ドア2ステップバスであった。
バスの写真を撮りたかったのだが、この時間は夕闇迫る悪条件下、フラッシュも焚けないとあっては撮影は断念せざるを得なかった。また機会があったら撮っておきたいね。
バスは阪神御影駅で6~7人拾いすぐ発車。すぐぶつかった国道2号線を右折して、JR住吉駅南側のバス停でも6~7人拾い、バス定員には程遠いものの14~5人の乗客といったところだろうか。
バスは混雑する国道2号線を強引に右車線へ移り、発車後すぐにある住吉東町5交差点を右折して南下、そのまま海際の道路まで突き当たって右折、御影大橋を渡って六甲大橋を渡る道路へ出て六甲アイランドへ。
六甲アイランドへ渡ると、六甲ライナーアイランド北口駅前交差点を左折して、アイランド北口駅前でも客扱い。ここでは後扉を開けて客扱いするものの、ここから乗ってくる乗客はゼロ。
ちなみにこの送迎バス、阪神御影駅前とJR住吉駅前から乗ると220円の運賃がかかるが、アイランド北口から乗ると無料。その関係でバスにはしっかりと運賃箱が設置されており、運賃が発生する阪神御影駅とJR住吉駅から乗る場合は前ドアから乗ることになり、運賃も先払いすることになる。
つまりはこういう仕組みである。
六甲アイランドまでは新交通システム「六甲ライナー」も出ているので、アイランド北口まではJR住吉駅および阪神魚崎駅から六甲ライナーに乗ってアクセスすることも出来るが、住吉や御影まで出るお客さんまで無料にしては、誰も並行する六甲ライナーになど乗り換えなくなるので、アイランド北口~住吉間の六甲ライナー運賃相当額である220円を、そのまま連絡バスの運賃に設定して需給バランスを保っているのである。アイランド北口~フェリーターミナル間は無料だが、そのぶん六甲ライナーに乗り換える手間も運賃も発生するのである。
ちなみにこの時間帯の送迎バスは阪九フェリーの客だけではなく、同じく19時50分に出航する大分行き「さんふらわあ」の旅客も乗り合わせている。
バスはアイランド北口付近の高層マンション街を北側へ外れて港湾地区へ走り出し、まずは大分行き「さんふらわあ」の旅客ターミナルに寄って半分ほどの客が下車、ついでその東隣にある阪九フェリーの旅客ターミナルに到着。
まずは窓口で予約した乗船券の引き換え。
窓口に予約時に送付されたメールの書面を提示して、運賃を支払って乗船手続き完了。本来ならここに乗船名簿を書くという作業が発生するのだが、手続き時に個人情報を予め入力しておくと、乗船時の作業が一手間減らせるとは、船会社にとってはまさしくインターネット様様であろう。
阪九フェリーが運行する大阪・神戸~新門司間は、高速道路1000円政策や折からの原油価格の高騰などで軒並み苦境に立たされ、これまでも続々と車社会を前に枕を並べて散っていった各フェリー会社の中にあって、唯一なんとか互角に車社会と勝負できている路線である。
大阪から福岡(北九州)までは単純計算で600キロ。クルマの航送料金を考えれば、クルマに一人二人だと高速道路では太刀打ちは出来ないけれど、親子4人ならアタマ割りとドライバーの負担を考えれば、天秤にかける勝負には持ち込める計算になるし、夜出航でも朝の時間帯に到着できるのも大きな魅力。なんとなればドライバーのお父さんだって、車を甲板に置けば寝酒も煽れるのはこれまた大きな魅力。
陸の交通機関といい勝負になっている証拠に、インターネットで予約を入れるだけで、なんとまあ全等級そろって基本運賃から20%オフという大盤振る舞い。
当時の運賃では、桟敷席で雑魚寝する2等自由席運賃が6000円なので、ネット予約をするだけで4800円になるというのだから驚き。
JRだと鈍行乗り継ぎの乗車券だけでもそれ以上するだろうし、新幹線で行けばさらに特急券が必要、しかもJRだと夜行便は廃止されてしまっておりこの世には存在しない。
バスだと同等の運賃で移動は出来るだろうが、おそらくはツアーバス価格になるだろうし、待っているのは窮屈な4列シート…と考えると、雑魚寝という形にはなっても、桟敷席で手足を広げて寝られる船便も、移動手段としては十分すぎるほど検討するに値しよう。雑魚寝でも値段、快適性、そしてなにより夜行移動が出来る手段として、こうした長距離フェリーはもっともっと見直されてもいいと思うし、今回は僕もそのつもりでフェリーを選択したのである。
ネットで予約するだけで20%オフという恩恵にあずかって、今回予約を入れたのは、2等指定A。基本料金では10000円が20%オフで8000円。
一人旅という時点で、船便は使う船室は自ずと限られてくるのだが、阪九フェリーや名門大洋フェリーは、しっかりと一人旅のニーズもキャッチしてくれているのでありがたし。フェリーというと桟敷で雑魚寝か、不特定多数が一つの船室のベッドで分かれて寝るというイメージがあるもんで…(^^;)
一人用の個室寝台というので迷わず選びました。個室寝台にコンセントがあるというのも、今や移動手段の選択の大きなファクターの一つ。いや、携帯を充電したいだけなんですが(^^;)
ただ、フェリーにも自ずと欠点がございまして。
まずは今回のように、乗り場が市街地から離れていること。六甲アイランドターミナルは阪神御影駅からバス20分、明朝目指す新門司港は、JR門司駅からバス20分。
そしてこれはある意味飛行機と同じで、出航1時間前を目安にして乗り場へ到着しなければならないということ。東京湾フェリーなどの近距離航路はまた話は別だけれど、長距離フェリーはそれなりに手続きがかかるので、「社会人なら5分前行動は当たり前さ」などとドヤ顔で出航5分前にフェリーターミナルに着こうものなら、かかなくてもいい大恥をかくことになる。
ターミナルには売店もあり、待合室も完備されているので、乗船開始時間に指定されている19時までは暇の潰しようはそれなりにはある。
船に乗るのだから、万が一に備えて救命胴衣のつけ方をみておきましょうね。
そんなわけで、7時のNHKニュースに合わせたかのように乗船開始の案内。
タラップまではエスカレーターで昇ることができる。
長いタラップを渡って乗船。
まずは船内案内で個室の鍵を受け取り、2等指定エリアへ。
ドアが並ぶ写真向かって左手が2等指定A。右側は8人部屋になっている2等指定B。8人部屋だが、B指定には窓がついているので、移ろい行く夜景を楽しむことが出来る。
2等指定Aは、こんな感じです。
言ってみれば個室つきのカプセルホテルといったところ。
テレビはしっかり地上波が入るほか、ブリッジに取り付けられたカメラからの展望映像もテレビで見ることが出来る。
残念ながらビデオデッキは使用停止になっているので、持ち込んだVHSビデオでぐひひうへへなどということは出来なくなっている。そもそもそんなもん持ち歩きもせんのだがw
テーブルもあるので、ここで誰かに手紙を書くことも出来るし、競馬新聞を読みふけって明日のレース検討を行うことも出来るw
さて船内を少々探索。
残念ながら客室内の写真はございませんm(_ _)mというより撮れなかったぜ(´・ω・`)
どうしても船室内をごらんになりたければ、阪九フェリーHPからどうぞ。
中層階からエントランスを眺める。中層階が2等およびドライバーズルーム、上層階が1等と特等エリアになっている。
1等と特等エリアへ通じる階段。
通路にチェックは入らないが、「2等のお客様は通行を御遠慮ください」の文字が。昔の国鉄華やかりし時代の優等列車編成も、食堂車を境目にして1等車と2等車(1960年以前なら2等車と3等車)を分けて組成し、1等客が2等車内を通行する必要がないように、また2等客が1等車内に立ち入ることがないような編成になっていたっけ。
船内には、狭いながらも遊戯施設もあります。
長距離フェリーの楽しみといえば展望風呂。
夜景は湯気で見えないけれど、移動しながら風呂に入れるのは、バスにも鉄道にも飛行機にもない強み。一部の夜行列車にはシャワーがついてはいたけれど。
さて、出航までは時間があるのでデッキに出てみよう。
ターミナルのある六甲アイランド。
西隣に泊まっている、大分行きのさんふらわあ。
考えようによっては、あっちに乗ってもよかったのかも。福岡だけでなく九州を満喫しようというのであれば。日程的に厳しいから別府、大分はオミットしたんですがね。
出航してすぐの時間帯を選んで、船内のレストランで夕食。
フェリーのレストランも、普通のレストランあり、バイキング形式ありと、事業者によって営業形態はまちまちだが、この船の中はカフェテリア方式。一品料理を好きなように選んで、最後に合計を会計するというもの。
メニューの一例。
拡大画面でもご覧いただきます。
…。
夕食撮り忘れた(´・ω・`)
中華系のものでたらふく詰め込んだと思ったけれど。
ついでに酒も入れようかなとは思ったけれど、夕方5時に入れたばかりだし、その前は実は阪神競馬場で散々飲んでいたのでwフェリーの中は寝酒程度にしようっと。
フェリーの中は休憩室からフリースペースに至るまで、客が三々五々適度に散らばっている。ロビーの片隅のテレビでもボーっと見てようかなと思ったのだが、土曜夜7時の時間帯なんてどこも似たり寄ったりの番組しか流していないし、NHKを見てみれば未だに地震速報ばかりがひっきりなしに流れているから、フリースペースはそっと抜け出す。
…。
こーゆー時の暇つぶしはきっついな(´・ω・`)
出航から1時間近くが経過したところで、神戸の街並みを北側に見つつ西進する夜景を見にもう一度デッキへ。
…対岸がどのへんかわかんにゃい(´・ω・`)
一応、船内には位置情報がテレビで見られるようにはなっているのだが。
明石海峡大橋はくぐっていないので、神戸市内としか分かりません(´・ω・`)
さて。
今日は朝が早かったし、それ以上に前の晩がほとんど寝られなかったので、個室でも横になればぐっすり寝られますわね…と思って、はしごを上ってベッドに入ってみたら…。
う~ん。
これが船の振動かといわれたら、また別の振動があるのだと思うけれど、船自身が発するビリビリという振動がモロに枕元まで伝わってくるな(´・ω・`)
列車だと適度に揺れるから気にしないのだが、これは気になるな。
下から低周波治療器が全身に当てられているような感じなんで…。
それにもましてまいったのが隣人の客。
すなわち反対側の船室で下段のベッドなのだが、どうも一緒に乗り合わせた、奈良県内に教団本部を持つ宗教団体の団体客の一部のようで、1時間以上延々お経を読まれた(´・ω・`)
この中で寝たら翌朝絶対にうなされるレベル。しかし寝たい。でも寝られん。うぬぬぬぬ。
しょうがないので、頓服の睡眠薬をぶち込んで強制終了。
朝(・∀・)
ピーカンでございます。
移動しながら朝日を浴びることが出来るなんて、こんな贅沢な移動手段があるだろうか。
※↑クリックで拡大します。
あれは宇部とか小野田あたり?
カフェテリアは朝も営業していたのだが、前夜頓服を服用した影響でなんとなく気分が優れないので、カフェテリアでの朝食はパスして、売店で売っていた焼き立てのパンで軽く済ませることに。
フェリーは無事に定刻の朝8時30分、新門司港に到着。
25年前に乗ったときはは関門海峡を渡った、小倉の日明港に発着していたのだが、いつのまにやら関門海峡を渡らない、周防灘側の新門司港発着に変更になった。
一夜を共にした「すおう」が、船首を大きく開けてトラックを吐き出している。
徒歩客には、門司駅経由小倉駅新幹線口まで送迎バスが出ており、こちら側の送迎バスは無料。
担当は西鉄バス北九州で、2台が待機していた。
本来なら和風造りの新門司港ターミナルをお楽しみいただきたかったのだが、「お客様の下船が済みますと、バスはすぐ発車をいたします」なんていうものだから、とりあえず空いているバスへ乗車。
はて、手前側は小倉営業所のバスだったけれど、おいらが乗った奥側のバスはどこの営業所だったかな。恒美だったような気がするのだが。
バスは3~4分くらい経った後に発車。
関門自動車道新門司インターを抜け、一山越えて門司側に出る形。
バスは小倉駅まで走るが、僕は門司駅前で下車。
せっかく門司に来たのなら、ついでに門司港近辺を歩いてみたい。
たまには観光客だってええじゃないかええじゃないか←
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