「けやぐの道草横丁」

身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳や歌への視点
「けやぐ」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです

#46.「東奥川柳集」

2014年11月06日 | 川柳


10月中旬、青森市在住の弧衾若衆さんから、思いがけなくありがたいご寄贈がありました。
青森の地元紙「東奥日報」の創刊125周年記念として発刊された「東奥川柳集」▲です。
青森は民謡どころ、相撲どころで有名ですが、川柳の盛んなところでもあり、67年の歴史を持つ「青森県文芸大会/東奥日報社主催」の川柳の秀作を集めた本です。
「県文芸大会」の詳細は存じ上げませんでしたが、実は蝉坊の亡父は生涯を通じて川柳を愛した、三上迷太郎という川柳詠みで、奇しくも本文初頁「第1回・1947/昭和22/年」に、

標札をかけて新築仕上げられ

小林不浪人・選 - 題「新」-

と、本名/三上義郎/で記録されていて、幸運なデビューを飾っていたことを初めて知りました。
終戦直後の混乱の世相に、新鮮で前向きな感覚が評価されたのでしょうか。

その後長く作句を続け、1996/平成8/年に69歳で亡くなるまで、関係の皆さまに支えられながら、柳社の代表、大会や東奥日報の選者など活躍させていただいたようです。

ちなみに、地元細越の山地内にあり、建設会社「鹿内組」が運営する「夢の森」には、同社のご好意により、代表句

振り向くと子が抜けていた縄電車

を刻んだ石碑が建てられ記念されています。
「オヤジースンマヘン!」とは、東京の空へ紛れ込んだ「蝉」の鳴き声です。

弧衾若衆さんからは以前「新青森市史 - 全4巻 - 」の大著もお贈りいただいており、その熱い郷土愛にはいつも頭が下がりっぱなしです。
近々青森名誉市民に選ばれるのではないかと、北赤羽あたりの赤提灯では噂が絶えません!?

本書には地元の大家の方々の名作や、記念大会には当代の全国的に著名な川柳作家を選者にお招きしての勉強句会のようすも次々に伺うことができ興味が尽きません。
趣味の川柳のテキスト、青森の川柳文化の再見に、お勧めしたい一冊です。



■「東奥川柳集」
発 行:2014/平成26/年9月1日
発行所:東奥日報社
規 格:B6版,576頁
価 格:2,700円/本体



川柳のページに薫る郷の風  蝉坊




《 関連ブログ 》
● けやぐ柳会「月刊けやぐ」電子版
会員の投句作品と互選句の掲示板。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0123
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。