
古いチベタンターコイズです。
もはや説明不要かもれません。
美しい石です。
チベタン・ターコイズとも表します。
2025年1月の今、
現地の状況はどうなのかと言うと、
結論から言うと、やはり、
古く良いチベタン・ターコイズは少なくなりました。
本当に数が減りました。
ただ、全くない、と言うことではなく、
探せばまだ出会えます。
正確に言うと、
絶対数の減少に加えて、
表に姿を表す数が減ったって感じかな。
チベット人同士で売買が完結していたり、
店頭に出る前に何処へ旅立ったりしております。
最も、僕もネット等に出す前に、
直接、売買が成立してしまう場合が多いですが、
そんなノリが現地にもあります。
もちろん、
各国のバイヤー、ディーラー、観光客から登山者まで数多く集まる、
ネパールのカトマンズのタメル地区とかでは、
アンティークの良いチベタンターコイズと
数多く出会うのは困難でしょう。
そりゃ、無理ですな。あたしも同感です。
もし「古く良いチベタンターコイズが全くない」
そう思うのであれば、それは、
「あなたの前に姿を表していないだけ」
かもしれません。
値段ですが、これは様々です。
今は本当にバラバラ、時と場合や状況次第です。
全般的に、以前(10年以上前は勿論、2,3年ほど前まで)と比べると、
だいぶ値上がりしたな、という印象はあります。
値段は上がる一方かもしれません。
しかし、探せばまだ現実的な値段で出会える場合もあります。
一方で、無茶苦茶に高額な値段になってる場合もあります。
現地でも小さな粒が4万円弱というのも当たり前にあります。
もちろん、すごく質の良いターコイズです。
ただそれは、中国人市場で評価されているターコイズですが。
昨年末、チベタン・ターコイズ、
大粒3個のみを22万円で買う中国人バイヤーも目にしました。
確かに、古く良いターコイズでしたが、22万円です。
3個だけです。
「あいつ、マジで買いやがった...」
と、売主本人である知人のチベタン店主を含む、
友人間でちょっとした話題になりましたが、
後日、中国人と多く取引をしている、
友人のチベット人業者(ジービーズのディーラー)に聞くと、
中国本土の北京では古いチベタン・ターコイズは、
「とんでもない高額(金より遥かに高い)で、1グラム単価が売買されている」
と言っておりました。
真偽は分かりませんが、
状況的にあり得るかもしれません。
そりゃ、買うわ。
22万円でも。
もはや、
笑われているのは、我々かもしれません。
そんな話を、
今回も偶然カトマンズで居合わせた欧米人の友人ディーラーにしていたら、
「おれ、数ヶ月前にペラク(ラダックのチベタン・ターコイズの頭飾り)を
〇〇〇万円で売ったよ」と言います。
そのペラク、昨年夏に僕も見た物でした。
良い色のチベタン・ターコイズが100個以上付いていた、
中型のペラクでした。
「わりとすぐ売れたね」と付け加えます。
別日に別のチベット人の友人の店で、
お茶をしてた時の会話です。
彼も昨年、ペラクを四個、仕入れてました。
「あれ、どーなったん?」と僕が聞くと、
「すぐ売ったよ、四個ね」とサラリと言います。
買ったのはチベット人との事です。
ペラク四個は数百万円単位です。
「あれ、見なよ、凄いでしょ」と彼は続けます。
古く良い素晴らしいペラクが店内に飾ってありました。
売値は、ちょっとしたアイ・ジービーズが買える価格でした。
以前からもネパールで良いペラクを持っている、
チベタン業者は少数おりました。
それらの言い値は150万円以上はしましたが、長らく残っていました。
が、少し前から、全て姿を消しました。
誰かが買ったのでしょう。
もはや、バズりを通り越して、バグってます。
市場は想像以上の速度で変化していると感じます。



市場の変化を傍目に、
僕はチベット人地区の旧知の業者たちから、
古く美しいチベタン・ターコイズを選び抜き、集めました。
今回の買い付け分のみです。
全て魅力的なアンティーク・チベタン・ターコイズです。
大胆にまとめて触ると石たちの感触にゾワゾワします。
たまりません。
良いチベタン・ターコイズを見たり触ったりすると、
僕は相変わらず、ヨダレが出るのだが、病気だろうか。

珍しいターコイズにも出逢いました。
菩提樹の葉デザインのチベタン・ターコイズです。
個人的には初めて見ました。

古いです。上下に開いた紐穴周りや外周が、丸く自然摩耗しております。
極めて珍しい菩提樹の葉の葉脈が彫り込まれたデザインです。
葉脈は本体より時代が若く見えますが、
新しくつけられたものではないです。
外周の形を見ると、
古いオリジナルの葉デザインと思えます。


かなり大型です。
ペラクのヘッド・ピーズ並みの大きさです。
どっしりとした重さと迫力があります。
旧知のチベット人が持っていて、
当初買うのを諦める程の高額でしたが、
気合いで交渉を押し切りました。


一見、染色ターコイズみたいな色ですが、ナチュラルです。
魚に例えられる大型の青色ターコイズです。
トロリンとした丸みがあり魅力的です。
アンティークではなく、ヴィンテージの部類です。
使われております。
なぜかこの手はラダックでも高額でした。



一連です。すごく良いです。
オイルをつけないでも艶々な光沢で、良い石質をしています。
年代はバラバラですが、青色、スカイブルー、緑色、黄緑、
劇古の濃いターコイズまで様々な種類の、
良い中型のチベタン・ターコイズが28個付いております。
色味を揃えるのも美しいですが、
多種多様な個性が集まったチベタン・ターコイズが混じり合うのも良きです。
地元のチベット人業者が仕入れる業者の元で出会いました。
ネックレスという訳ではなく、
まとめて一発で全部買い付け、全てを紐に通したままの状態です。


チベットのピアス「アローン」です。
大型の古いオリジナルです。
耳にかける紐も付いた状態です。

良いエメラルド・グリーンをしております。
アンナプルナ地域の山奥に、近年発見された幻の湖があり、
少し前にその写真を見たら、似た色だった。
さぞかし美しい湖だろう。
いつか行ってみたい。
実は、昔から個人的にアローンを集めています。
たまに着用してもいます。
この一品は、僕の私物のアローンたちと比べても逸品です。



チベタン・ターコイズの古い耳飾りです。
銀ベースです。
大型の新しい物は目にしますが、
今ではほぼ目にしなくなった小型の古いオリジナルです。
ニューヨークのメトロポリタン美術館に、
同型の金ベースの19世紀物があり、
いつかは欲しいと思っていた内の一つです。
実物は素晴らしい美しさで、
特有のオーラを放っております。
個人コレクションです。


これと出会った時、漫画ベルセルクに出てくる、
重要な位置付けの卵ベヘリットを思い出しました。
嘘みたいな緑色ですが、ナチュラルです。
サイズも大きく、手で握れる大きさがあります。
握ると適度に手に収まるコロンとした形です。
旧知のチベタンのオバハン(このオバハンが面白い)の店のガラスケースの中で、
様々な物に埋もれていました。
何故か、個人的な思い入れを持ちました。

中粒たち。
各3cm以上あるので、一般的には大粒の部類だろうが、
中粒としておきます。
個性があります。
何年もかけて数百個以上見てくると、
艶々の無模様なチベタン・ターコイズも美しいのですが、
枯れた感じや特徴や雰囲気がある、
個性的な古いチベタン・ターコイズも愛らしく見えてきます。

ころりんとした網目が美しいターコイズ。
大型です。
古さがある、丸型のトロトロ系です。
極めて良い、チベタン・ターコイズです。
網目を持つ、青が強い青緑色のアンティーク・チベタン・ターコイズは、
チベタン・ターコイズ特有の魅力があるように思えます。
以前から中国人が好むのは、
網目がないツヤッツヤ(研磨済みも含め)の
緑色寄りの青緑チベタン・ターコイズが主だったのに、
最近は色々なタイプも買っている印象。
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チベタン・ターコイズの値段が高騰しているとかは
商売上ではプラスにもマイナスにもなり得ます。
しかし、市場の動向は別にして、
僕は個人的にアンティーク・チベタン・ターコイズ自体を好きなので、
ひたすら集めております。
本音を言うと、好きな物の値段が上がるのは、「嫌」です。
僕は職業としてアンティーク売買をしておりますが、
根っからの、古い物好きで、
特に元々、
チベタン・ターコイズを大好きなのであります。
今も変わらず好きなのであります。
好きな物が高くて買えなくなる(または出会えなくなる)のは、
無理やり例えるならば、
推しの地下アイドルがメジャーで人気になるのと近い感情でしょうか。
分かりませんが。
ただ言えるのは、
シットな中国人市場ゲームで、もし、好きな物を買えなくなるのであれば、
抵抗感があります。
それが資本主義下での自由売買だとしても、
心情的には抵抗感があります。
中国人の金持ち同士のコミュニティの、
見栄のため高騰しまくった背景も持つジービーズを筆頭に、
チベットの琥珀や珊瑚などに続けて、
もし、チベタン・ターコイズも爆騰するのであれば、
複雑な想いがあります。
ただ、僕は市場動向は別にして、
これからも良いチベタン・ターコイズを求めていきたいと思うのです。
理由は単純明快
好きだからです。
以上
魅力的なチベタン・ターコイズと現状でした。
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