旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

美しい古いグルジアン・カーペットと出会う

2019年12月10日 | 仕入れ旅



ある日の、蚤の市

探しましたよ、僕は。

表に出てる物で、
惹かれる物は少なかったが、
一人、
おやっ、と思える品揃えのマダムが
店を出していた。

彼女の後ろにはバンが停まっていた。

車で来ているのですね。

ちょいとキリムや何かが
開け放たれた後部ドアから見えていたので、

「ちょっとさー、なか、見せてよ」と
聞いてみたら、
いーわよー、と言う。

と言っても、
マダムは英語は話せず、
ジョージア語だったので、
ジェスチャーまじえてだったのだが、
まぁ、いつもの通り、
通じてしまうのだ。

車の中には、積まれた十枚以上のキリムやら
カーペットがあった。
見る感じ、全部、グルジアン・キリムやカーペットだ。

蚤の市の売主には、
公には、ジョージア人となってるが、
実は、親はロシア人、という人もいる。

そこで、一応、
「これってさー、ロシアのじゃないでしょ?」と確かめると、

「ジョージアに決まってるじゃない、
あたしゃが持ってるのは、全部、ジョージアのもんだよ」
と言う。

一枚のカーペットを指差し、
グルジア語(ジョージア語)が折り込まれてるだよ、と言う。

ふむふむ、
ほんとだ。

物色してみたら、
俺が、もろ好みのライオン柄のカーペットがあるではないか。

しかも、これもグルジア語が織り込まれている。

きたー!

もう見た瞬間、買う事を決めていた。
最初の言い値も、現実的な範囲だ。

あとは、値段交渉ね。
おら、得意だよ。

しかし、このマダム、
上品な見た目とは裏腹、
ぜっんぜん、折れない、妥協しない。
ライオン、二頭が珍しいとかなんとか言っとるし、
もう価値分かってる。

こーゆーのって一期一会だからさー、
明日会えるとも限らんし、
特に、ここ、遥々ジョージア、
しかも、蚤の市なんでっせ。

俺のルールでは、
買うか、買わないか、に置いて、
『直感が買え!』と言う物は数少なく、
それと出逢った時には、
金額が現実的でさえあれば、
必ず買う事にしている。

で、買う。



ひょっこりライオンが二頭。
か、かわゆい。
サイズも大きい。





1954年製。かな。
他の場所にもグルジア語が織り込まれていた。




マダム。
俺が払った金を握ってご満悦。
交渉、ガチ強かった。
親切で優しいが、
金額、ぜんぜん、折れない。
タフだったね。

売れなくてもいーや
自宅で使おー

やっほー

と思っていたら、
日本帰国直後に出店した骨董市に持って行ったら、
速攻で売れてしまう。

嬉しいやら、
悲しいやら、
複雑な気持ち。

でも、色々な人に感謝である。

ありがとう。







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