この時期になると、中3生たちは様々な高校等への体験入学に足を運びます。
実際には、高校以外にも、高専や専修学校と言った学校も進学先になるのですが
この記事では面倒なのでそれらすべての進学先を「高校」と呼んでしまいます。
また、体験入学も、オープンスクール、見学会、説明会、体験会と様々な呼び方がありますが
これも面倒なので、すべて「体験入学」または「体験」と呼ぶことにします。
今日の記事は、この体験入学の話です。
私が今から書く手順とその問題点は、すべて、「うちの地域の場合」です。
全国レベルの話では無いことにご留意ください。
少し前にちらっとだけ書いたのですが
この体験の申し込みの手順が頭悪すぎます。
どのような手順かというと
高校から中学校に案内が来る
→中学校の担当者(普通は進路指導主事)がそれをもとに、校内資料をつくり、生徒たちに案内をする
→生徒たちは、中学校の担当者に申し込む
→中学校の担当者は、とりまとめて、高校に申し込みをする
これが、うちの地域では「あたりまえ」の手順です。
もしも、同業者の方がこれを読んで下さっていて、「うちとは全然違うよ!」という方がいらっしゃれば、教えて下さい。
問題点を指摘していきます。
まずは、高校→中学校の案内です。
郵送で送られてくるため、封筒の開封が面倒です。
しかも、書式がばらばら。
向こうがこちらに伝えなければならない情報なんて
大まかに
・実施日時
・申込期限
・実施場所
・定員の有無
・学科ごとにわかれて実施するかどうか
と、どの高校も同じなはず。
それなのに、それぞれ個性あふれる書式で送ってくるため、見て確認してとりまとめるこちらとしてはとても大変です。
せめて県立高校はすべて書式そろえろよ。
しかも、その案内を送るかどうかは、向こう判断。
向こうが、「こんな遠くの中学校から、生徒が来るわけ無いだろう」と思っていて発送しなかったけど
中学校側からしてみたら、希望者がいたため、電話をして案内を送ってもらう必要があった、なんてこともあります。
お互いに無駄手間。
高校からの案内をもとに、こちらは一種のカレンダーのようなものを作成します。
それには、いつ、どこの高校の体験があり、それに関する補足説明(名前を書くだけで良いのか、体験講座を選択しなければならないのか、持ち物は何かなどなど)が書かれています。
まず、これが手間です。
こんな仕事、私が後で提案するシステムを確立させれば、そもそも不要になります。
その分の労力を、授業準備や保護者対応などに回した方が良い。
また、先ほど申し上げたように、個性あふれる書式の書類をこちらでまとめ直すので
正直ミスが出ます。
私も数カ所ミスをして、訂正の連絡をしてしまいました。
この申し込みもやっかいです。
このようなプロセスを踏むため、高校側が設定する締め切りよりも、こちらは早めに校内締め切りを設定します。
ところが、親は高校がHPなどで公開している、高校側の締め切りしか見ておらず
「うちの子は締め切りが過ぎたから申し込めないと言っていたが、まだ締め切りは来ておらず申し込めるはずだ!申し込ませろ!」
と学校に電話をかけてきたこともありました。
そして、中学校→高校への申し込み方法も、ばらばら。
メールで送れというところもあれば、FAXしろと行ってくるところもあるし
向こうが「これに書き込んで送りなさい」と指定してくるFAXの書式もばらばら。
こんなミスの温床みたいなシステムを使い続けるなんて、ナンセンス。
なんで中学校を通さないといけないの?と思うかも知れませんが
これは仕方が無いです。
中学校を通さず、保護者→高校で申し込むと、高校側がパンクします。
例えば、N高校のような、もとからネットに強い通信制の高校だと
良くできたつくりの、独自の体験申し込みサイトを持っていますので、保護者→高校で、直接ネットでも申し込みです。
さすが角川。
では、どうするべきでしょうか。
私はすべて、インターネットで処理するべきだと思います。
そこで、高校が個々に申し込みフォームを作る、という発想になってはいけません。
○○県高等学校体験入学申し込みポータルサイト
のようなものをつくればいいのです。
まず、全中学生にIDとパスワードを割り振ります。
そして、そのポータルサイトにログインさせます。
県の制度的に、その生徒が受検(受験)不可能な高校は、はじめからフィルタリングされた上で
申し込み可能な高校の体験一覧が表示されるようにするのです。
そのときに、「普通科のみ表示」とか「サッカー部がある学校だけ表示」とか「共学校のみ表示」とかもできるようにすれば
生徒たちはスムーズに高校を探せます。
申し込む際、例えば普通科と商業科では別のことをやるから、どちらを希望するかを高校側が把握しなければならい、というような場合は
申し込み時に簡単な選択式の質問に答えさせます。
(その質問は、高校側が設定します)
加えて、A高校の体験とB高校の体験が同日の場合
A高校の申し込みを確定させる前に
「この高校の体験に申し込むと、B高校の体験にいけなくなりますが、良いですか?」
と警告が出るようにすれば、親切です。
高校によっては、体験が2学期であり、正式な案内が発表されるのが後日という場合もあります。
そのような場合は、高校をマイリストに登録することで、体験の案内が発表されたらお知らせが届くシステムにすると、より良いでしょう。
つまり、中学校担当者が苦労している、校内への案内を、インターネットによるポータルサイトでやってしまおうという事です。
そして、このポータルサイトを、以前提案したような、統一された校務支援システムと関連づけます。
生徒が申し込みをしたら、それを教師が校務支援システムで確認するのです。
生徒が申し込み→教師へ通知→教師が承認→申し込み成立
とするべきです。
この1手間を踏むことで
ずっと商業科を志望してきた生徒が、機械科の体験を申し込んでいる……おかしいと思って聞いてみたら、ただのクリックミスでした
なんてことに、対応できます。
これは、高校側にもメリットがあるはずです。
高校側は、中学校から送られてくる大量のファックスやメールに目を通し、それをとりまとめ
誰をどの体験講座に振り分ける、とか、何人来るから資料を何部用意しなければならない、とかやってるわけです。
どう考えてもコンピューターでやればすぐに終わることを、人間が手間暇かけて行っています。
我々教師が手間暇かけてやらなければいけないことは
生徒や保護者と向き合うことであり
書類の処理やFAXではないはずです。
私が提案するシステムを使えば、高校側は、システムの要求に従って、募集の案内を登録するだけでよくなります。
もちろんこれには県立高校だけではなく、私立高校にも参加してもらいます。
私立にしてみたら、広告費の節約になるはず。
ぶっちゃけた言い方をすれば
マイナビが就活生に向けて企業説明会の申し込みをとりまとめているサイトのようなものを
高校の体験入学について、中学生向けにも作れよ、という事です。
ただし、どこかの企業がこんなものを作っても全く利益になりませんので
文科省が作らせて、全国の教育委員会に配り運用させるべきです。
もっと言うと、出願もこれでいいです。
ペン書きして押印とかいつまでやってるんだよと思います。
そして、調査書もすべてネットでいきましょう。
A君がB高校に出願する場合
A君がパソコンでネット出願
→そのことが教師の校務支援システム上に表示され、確認が求められる
→おかしくなければ承認・出願成立。おかしければ、A君を呼び出し。
→システムが自動的に校務支援システムに登録されているA君の成績等の情報を引き出し、高校側に飛ばす
→その成績等の情報と、入試当日点を総合して、高校が合否判定
これでいいじゃないですか。
いちいちシステムからデータを取り出してExcelでどうのこうのやって別書式に……なんてやってるから
コピペミスをやらかして、以前大阪であったような、調査書の評定を間違えてしまい、それが合否判定に使用されてしまった、なんてことが起きたわけですよ。
あの一件も
「中学校とその担当者の注意散漫により起こり、確認不足によって回避できなかった」
で済まされており、残念でなりません。
忙しい中、少数の教員が手間暇かけてやるからミスるんですよ。
こんな書類仕事については、「どうしたらミスをしなくなるか」ではなくて
「どうしたらその仕事をしなくても差し支えなくなるか」
という発想になった方が良いと思います。
そして、本当に手間暇をかけなければいけないことに、我々教師が集中できる環境にいずれなることを望みます。
ま、どうせ今の文科省・自治体では、金が無くて無理か。
実際には、高校以外にも、高専や専修学校と言った学校も進学先になるのですが
この記事では面倒なのでそれらすべての進学先を「高校」と呼んでしまいます。
また、体験入学も、オープンスクール、見学会、説明会、体験会と様々な呼び方がありますが
これも面倒なので、すべて「体験入学」または「体験」と呼ぶことにします。
今日の記事は、この体験入学の話です。
私が今から書く手順とその問題点は、すべて、「うちの地域の場合」です。
全国レベルの話では無いことにご留意ください。
少し前にちらっとだけ書いたのですが
この体験の申し込みの手順が頭悪すぎます。
どのような手順かというと
高校から中学校に案内が来る
→中学校の担当者(普通は進路指導主事)がそれをもとに、校内資料をつくり、生徒たちに案内をする
→生徒たちは、中学校の担当者に申し込む
→中学校の担当者は、とりまとめて、高校に申し込みをする
これが、うちの地域では「あたりまえ」の手順です。
もしも、同業者の方がこれを読んで下さっていて、「うちとは全然違うよ!」という方がいらっしゃれば、教えて下さい。
問題点を指摘していきます。
まずは、高校→中学校の案内です。
郵送で送られてくるため、封筒の開封が面倒です。
しかも、書式がばらばら。
向こうがこちらに伝えなければならない情報なんて
大まかに
・実施日時
・申込期限
・実施場所
・定員の有無
・学科ごとにわかれて実施するかどうか
と、どの高校も同じなはず。
それなのに、それぞれ個性あふれる書式で送ってくるため、見て確認してとりまとめるこちらとしてはとても大変です。
せめて県立高校はすべて書式そろえろよ。
しかも、その案内を送るかどうかは、向こう判断。
向こうが、「こんな遠くの中学校から、生徒が来るわけ無いだろう」と思っていて発送しなかったけど
中学校側からしてみたら、希望者がいたため、電話をして案内を送ってもらう必要があった、なんてこともあります。
お互いに無駄手間。
高校からの案内をもとに、こちらは一種のカレンダーのようなものを作成します。
それには、いつ、どこの高校の体験があり、それに関する補足説明(名前を書くだけで良いのか、体験講座を選択しなければならないのか、持ち物は何かなどなど)が書かれています。
まず、これが手間です。
こんな仕事、私が後で提案するシステムを確立させれば、そもそも不要になります。
その分の労力を、授業準備や保護者対応などに回した方が良い。
また、先ほど申し上げたように、個性あふれる書式の書類をこちらでまとめ直すので
正直ミスが出ます。
私も数カ所ミスをして、訂正の連絡をしてしまいました。
この申し込みもやっかいです。
このようなプロセスを踏むため、高校側が設定する締め切りよりも、こちらは早めに校内締め切りを設定します。
ところが、親は高校がHPなどで公開している、高校側の締め切りしか見ておらず
「うちの子は締め切りが過ぎたから申し込めないと言っていたが、まだ締め切りは来ておらず申し込めるはずだ!申し込ませろ!」
と学校に電話をかけてきたこともありました。
そして、中学校→高校への申し込み方法も、ばらばら。
メールで送れというところもあれば、FAXしろと行ってくるところもあるし
向こうが「これに書き込んで送りなさい」と指定してくるFAXの書式もばらばら。
こんなミスの温床みたいなシステムを使い続けるなんて、ナンセンス。
なんで中学校を通さないといけないの?と思うかも知れませんが
これは仕方が無いです。
中学校を通さず、保護者→高校で申し込むと、高校側がパンクします。
例えば、N高校のような、もとからネットに強い通信制の高校だと
良くできたつくりの、独自の体験申し込みサイトを持っていますので、保護者→高校で、直接ネットでも申し込みです。
さすが角川。
では、どうするべきでしょうか。
私はすべて、インターネットで処理するべきだと思います。
そこで、高校が個々に申し込みフォームを作る、という発想になってはいけません。
○○県高等学校体験入学申し込みポータルサイト
のようなものをつくればいいのです。
まず、全中学生にIDとパスワードを割り振ります。
そして、そのポータルサイトにログインさせます。
県の制度的に、その生徒が受検(受験)不可能な高校は、はじめからフィルタリングされた上で
申し込み可能な高校の体験一覧が表示されるようにするのです。
そのときに、「普通科のみ表示」とか「サッカー部がある学校だけ表示」とか「共学校のみ表示」とかもできるようにすれば
生徒たちはスムーズに高校を探せます。
申し込む際、例えば普通科と商業科では別のことをやるから、どちらを希望するかを高校側が把握しなければならい、というような場合は
申し込み時に簡単な選択式の質問に答えさせます。
(その質問は、高校側が設定します)
加えて、A高校の体験とB高校の体験が同日の場合
A高校の申し込みを確定させる前に
「この高校の体験に申し込むと、B高校の体験にいけなくなりますが、良いですか?」
と警告が出るようにすれば、親切です。
高校によっては、体験が2学期であり、正式な案内が発表されるのが後日という場合もあります。
そのような場合は、高校をマイリストに登録することで、体験の案内が発表されたらお知らせが届くシステムにすると、より良いでしょう。
つまり、中学校担当者が苦労している、校内への案内を、インターネットによるポータルサイトでやってしまおうという事です。
そして、このポータルサイトを、以前提案したような、統一された校務支援システムと関連づけます。
生徒が申し込みをしたら、それを教師が校務支援システムで確認するのです。
生徒が申し込み→教師へ通知→教師が承認→申し込み成立
とするべきです。
この1手間を踏むことで
ずっと商業科を志望してきた生徒が、機械科の体験を申し込んでいる……おかしいと思って聞いてみたら、ただのクリックミスでした
なんてことに、対応できます。
これは、高校側にもメリットがあるはずです。
高校側は、中学校から送られてくる大量のファックスやメールに目を通し、それをとりまとめ
誰をどの体験講座に振り分ける、とか、何人来るから資料を何部用意しなければならない、とかやってるわけです。
どう考えてもコンピューターでやればすぐに終わることを、人間が手間暇かけて行っています。
我々教師が手間暇かけてやらなければいけないことは
生徒や保護者と向き合うことであり
書類の処理やFAXではないはずです。
私が提案するシステムを使えば、高校側は、システムの要求に従って、募集の案内を登録するだけでよくなります。
もちろんこれには県立高校だけではなく、私立高校にも参加してもらいます。
私立にしてみたら、広告費の節約になるはず。
ぶっちゃけた言い方をすれば
マイナビが就活生に向けて企業説明会の申し込みをとりまとめているサイトのようなものを
高校の体験入学について、中学生向けにも作れよ、という事です。
ただし、どこかの企業がこんなものを作っても全く利益になりませんので
文科省が作らせて、全国の教育委員会に配り運用させるべきです。
もっと言うと、出願もこれでいいです。
ペン書きして押印とかいつまでやってるんだよと思います。
そして、調査書もすべてネットでいきましょう。
A君がB高校に出願する場合
A君がパソコンでネット出願
→そのことが教師の校務支援システム上に表示され、確認が求められる
→おかしくなければ承認・出願成立。おかしければ、A君を呼び出し。
→システムが自動的に校務支援システムに登録されているA君の成績等の情報を引き出し、高校側に飛ばす
→その成績等の情報と、入試当日点を総合して、高校が合否判定
これでいいじゃないですか。
いちいちシステムからデータを取り出してExcelでどうのこうのやって別書式に……なんてやってるから
コピペミスをやらかして、以前大阪であったような、調査書の評定を間違えてしまい、それが合否判定に使用されてしまった、なんてことが起きたわけですよ。
あの一件も
「中学校とその担当者の注意散漫により起こり、確認不足によって回避できなかった」
で済まされており、残念でなりません。
忙しい中、少数の教員が手間暇かけてやるからミスるんですよ。
こんな書類仕事については、「どうしたらミスをしなくなるか」ではなくて
「どうしたらその仕事をしなくても差し支えなくなるか」
という発想になった方が良いと思います。
そして、本当に手間暇をかけなければいけないことに、我々教師が集中できる環境にいずれなることを望みます。