こんにちは!!!!!!!!!!!
キシリ徹のタニケンです!!!!!!!!!!
キシリ徹のタニケンです!!!!!!!!!!
制作秘話14回は、先日発表されたばかりの「エルボースライダー」です!!!!!!
肘につけて遊ぶ新世代ディスクバトル玩具と、それを題材にしたアニメのOPを作りました。
【着想】
エルボースライダーに関して言えば、純然たる思いつきなので、着想として語るべきことはほとんどありません…。
やなせから「ハンドスピナー的なアメリカ発祥の、子供たちの間で大流行している玩具の名前ちょうだい」と言われて、
安易に「エルボースライダー」と答えたら、何故か採用になってしまい、アニメまで作ることになりました。
曲およびアニメを作るにあたって、当たり前ですが「エルボースライダーって何?」という問題にぶち当たりました。
エルボースライダーという名前に関しては、ハンドスピナーをもじって付けましたが、玩具としての展開はハイパーヨーヨーに近いイメージです。コロコロコミックで漫画が連載してたり、指定店で技の認定を受けれたりする感じです。
とは言っても、私自身はハイパーヨーヨーに熱中したことがないし、ついでにいうとコロコロじゃなくてボンボン読者だったので、
友達の家で遊んだハイパーヨーヨーやベイブレード、親が間違えて買ってきたコロコロの記憶を総動員させながら、口からでまかせで発言したものを繋ぎ合わせて設定を紡いでいきました。
以下、エルボースライダーおよびアニメの登場人物などの設定を紹介します。
【用語解説】
以下、エルボースライダーおよびアニメの登場人物などの設定を紹介します。
【用語解説】
・エルボースライダー
肘につけた機器(ランウェイ)からディスクを射出して遊ぶ、新世代ディスクバトル玩具。
アメリカ発祥の玩具だが、日本玩具メーカーがOEM販売を始めたことをきっかけに少年達の間で大流行。全国でその技を競う大会が催されている。
「ショルダーキャッチアップ」や「ヒポポタマスルーティン」など多彩なトリックを全て習得し、4大大会で勝ち抜いた者に与えられる「エルボーマイスター」の称号が、多くの少年達を駆り立て、全国各地で熱烈なディスクバトルが繰り広げられている。
登場人物
・風切 時越斗 (かぜきり じぇっと)
本作の主人公。世界一のエルボーマイスターになる為、ディスクバトルに明け暮れる11歳。
エルボースキルは「JET Revolution」。本来無駄とされる"摩擦"を利用した熱血ファイトが特徴。あまりの熱血っぷりに、トラブルを引き起こすことも。
・李怕 (りー ぱー)
超巨大企業『天和コンツェルン』の御曹司。
摩擦抵抗を極限まで減らした、スマートな闘いが信条。
性格もバトルスタイルも正反対の時越斗に対し、初めは見下した態度をとるが、第9話「炎と氷?激突の刹那!」でのバトルを経て、親友且つライバルとして認め合う。
エルボートリック
・ショルダーキャッチアップ (トリック Lv.1)
射出したディスクを、ランウェイを装着していない方の腕の肘〜肩の間でコンタクトし、そのまま首の後ろを通るように両肩にパッシングルートを確保し、ランウェイ後部からランディングする。
Lv.1の中でも最も初歩的なトリックではあるが、高レベルのトリックでは、ショルダーキャッチアップを応用するものが多く、ディスクバトルにおける汎用性も高い。
「ショルキャチを笑う者、ショルキャチに泣く」などの通説もあり、トップランカーであってもこのトリックの鍛錬は欠かすことができないと言われている。
・ヒポポタマスルーティン (トリック Lv.2)
・ヒポポタマスルーティン (トリック Lv.2)
ローポジションからディスクを射出し、低空を滑空させた後、ターゲットの手前で大きく浮きあがらせるトリック。
トリック名は、ディスクの動きが水中から餌を求めて陸へ上がってくるカバを想起させることに由来している。
アニメ第14話「バカンス!合宿!バトル!」では、このトリックを放って水中からディスクを浮き上がらせる描写があったが、現実では不可能である。この回の放送後、各地で川や海でディスクを紛失する少年たちが溢れた。
【楽曲解説】
ここからは、キシリ徹のやなせ京ノ介が書きます。
この曲については、当初からSteely Dan・Donald Fagenオマージュの方向で作りました。
Steely Danは、アメリカの職人的ポップバンドで、ジャズなどで使われる複雑な和音を奇想天外に組み立てポップに構築するスムースな音楽性と、
「一流セッションミュージシャンを大勢集めて録音し、その音源を1小節ずつ選り抜いて使う」等の変態的なまでのこだわりで知られています。
例えるなら、「高級食材・伊勢海老をたくさん集めて、一匹2ミリずつぐらい使って残りは廃棄して料理を作る」みたいな贅沢さです。
【楽曲解説】
ここからは、キシリ徹のやなせ京ノ介が書きます。
この曲については、当初からSteely Dan・Donald Fagenオマージュの方向で作りました。
Steely Danは、アメリカの職人的ポップバンドで、ジャズなどで使われる複雑な和音を奇想天外に組み立てポップに構築するスムースな音楽性と、
「一流セッションミュージシャンを大勢集めて録音し、その音源を1小節ずつ選り抜いて使う」等の変態的なまでのこだわりで知られています。
例えるなら、「高級食材・伊勢海老をたくさん集めて、一匹2ミリずつぐらい使って残りは廃棄して料理を作る」みたいな贅沢さです。
キシリ徹は2人だけで演奏しているので、そんなことは出来ません。
そういう贅沢をする料理人の話を小耳に挟みながら、ガード下でおばんざいを作っています。
Donald FagenはそのSteely Danの中心的人物で、頑固で皮肉屋のお爺さんです。
スティーリー・ダンを知ったのは、兄弟時代のキリンジが"和製スティーリー・ダン"と呼ばれていたことからでした。
そもそも高校生の頃、兄弟時代のキリンジを聞いて「うまく言えないけど、オシャレで聞いたことない、不思議でねじれた感じ」を覚え、中毒のように繰り返しリピートしていました。
後に、その感覚が、テンションを乗せた独特なコード進行の作曲や、
プロデューサーで、筋金入りのスティーリー・ダンマニア・冨田ラボ(冨田恵一)氏のアレンジによるもの、と知り「いつかこういうのやってみたい」と思い続けてきました。
この曲を制作するにあたり、Steely Dan・Donald Fagenのアルバムを改めて聞き直しました。
Steely DanのAjaなどの名盤はもちろん素晴らしいのですが、近年の作品も凄いです。
特に、2012年のFagenのソロ作品『Sunken Condos』は、当時60代半ばのFagen翁の、みずみずしい感性と、熟練したソングライティングの融合が素晴らしい名盤と改めて思いました。
それらを聞きながら、Steely Danアレンジの特徴を考え続け構築していきました。
そして、Steely Dan・Donald Fagen風アレンジについて考えれば考えるほど、初期キリンジ×冨田恵一のスティーリー・ダン風アレンジの素晴らしさに、改めて感動しました。
冨田恵一氏は2014年に、Donald Fagenの名盤『The Nightfly』を一冊まるまる題材にした、音楽鑑賞・アレンジ構築法の解説本『ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法』を出版されています。
以前からスティーリー・ダンのアレンジ、冨田恵一アレンジに興味を抱いていた自分は発売と同時に購入しましたが、24歳当時この本に書いてあることの意味があまり掴めず脱落してしまいました。
今回スティーリー・ダン風アレンジを考えるにあたって、改めてこの本を手に取り参考にさせていただきましたが、
まがりなりにも、キシリ徹で40数曲発表した現在の自分には、割とこの本の意味がわかるようになっており、主観的な成長を感じかなり嬉しかったです。
そんな訳で、作曲〜アレンジまで、自分なりにスティーリー・ダン風を指向して作ってみたこの曲、
終わってみると「初めてやってみた割には結構できた」という部分と、
「出来上がってみるとキシリ徹味が強くてそんなにスティーリー・ダンではない」という2つの感想が主です!
細部に粗もありますが、こういう着地に現在の自分たちらしさがあり気に入っています。
冨田恵一氏は、以前インタビューで自らのアレンジを"シミュレーショニズム”と評していました。
その意味を「元ネタにする楽曲の細部の要素までを分析・解釈して、アレンジする楽曲に絶妙に当てはめること」と自分は捉えました。
我々キシリ徹も、アレンジ・作曲には、多くの場合、何らかの題材やリファレンスがあり"自分たちなりのシミュレーショニズム”をやっているのだなと感じます。
そもそも"架空のCMソングを作る"ということ自体が、"CMソングに対するシミュレーショニズム"とも言えるのではないかと改めて思いました。
(我々の場合は、シミュレーショニズムに自分たちなりのフェティッシュを強く入れたり、元ネタについてざっくり特徴を捉えて引用することもあるので、純然たるシミュレーショニズムではないかもしれません。
ただ、初期キリンジも作曲に堀込兄弟お二人のフェティッシュや、現代なりの視点がふんだんに乗っていると感じますし、そこがオリジナリティを増幅させていて好きです)
冨田さんが、2011年ごろまで、ネットラジオで、
年代別の音楽の細い分析や、編曲講座をする番組をやられており、
内容が毎回興味深く、僕はそこで"シミュレーショニズム"のヒントや、構築の考え方の入り口を学ばせて頂きました。
それらを踏まえても、初期キリンジ・冨田恵一、そしてスティーリー・ダン周辺のワークスは、我々の作曲に少なからぬ影響を与えています。
今回、現在の自分たちなりに、それを形にできて良かったです。
細部に粗もありますが、こういう着地に現在の自分たちらしさがあり気に入っています。
冨田恵一氏は、以前インタビューで自らのアレンジを"シミュレーショニズム”と評していました。
その意味を「元ネタにする楽曲の細部の要素までを分析・解釈して、アレンジする楽曲に絶妙に当てはめること」と自分は捉えました。
我々キシリ徹も、アレンジ・作曲には、多くの場合、何らかの題材やリファレンスがあり"自分たちなりのシミュレーショニズム”をやっているのだなと感じます。
そもそも"架空のCMソングを作る"ということ自体が、"CMソングに対するシミュレーショニズム"とも言えるのではないかと改めて思いました。
(我々の場合は、シミュレーショニズムに自分たちなりのフェティッシュを強く入れたり、元ネタについてざっくり特徴を捉えて引用することもあるので、純然たるシミュレーショニズムではないかもしれません。
ただ、初期キリンジも作曲に堀込兄弟お二人のフェティッシュや、現代なりの視点がふんだんに乗っていると感じますし、そこがオリジナリティを増幅させていて好きです)
冨田さんが、2011年ごろまで、ネットラジオで、
年代別の音楽の細い分析や、編曲講座をする番組をやられており、
内容が毎回興味深く、僕はそこで"シミュレーショニズム"のヒントや、構築の考え方の入り口を学ばせて頂きました。
それらを踏まえても、初期キリンジ・冨田恵一、そしてスティーリー・ダン周辺のワークスは、我々の作曲に少なからぬ影響を与えています。
今回、現在の自分たちなりに、それを形にできて良かったです。
【アニメーション】
アニメの作画・キャラデザインは、スタッフもやってくれている、酒本ゆうみ先生が、1人で担当してくれました!
およそ半年をかけて、キャラクター・アニメーションが出来ていく様は感動的でもありましたし、自分たちは何もできず、指とじゃがりこ、そしてジャガビーを咥えて見ているだけで、大きな負担をかけてしまったなあという気持ちもありました。(改めてどうもありがとう)
結果として、今できる環境の中でかなり良いものになったと思います!
やなせ個人は終盤のスタジアムのシーンと、ヒポポタマスルーティーンで周りのモブが驚いている様が気に入っています。
酒本ゆうみ先生といえば、現在のキシリ徹のメインのロゴのデザインも担当されています。
このロゴはTシャツやステッカーにもなりました。
今、マルシェルでTシャツを買うと、ロゴステッカーもついてくるのでこのロゴフェチの方は是非。
更に、実はキシリ徹原案・作曲×酒本ゆうみ・アニメの楽曲はもう一個あります。
30曲目に公開した『高級絹どうふ 絹っこシルクちゃん』です。
30曲目に公開した『高級絹どうふ 絹っこシルクちゃん』です。
こちらは、豆腐メーカー・富里食品がスポンサーの、絹豆腐を題材にした魔女っ子アニメのOP(すべて架空)という設定で作りました。
これが酒本先生の初めてのアニメ作品でした。
この時も凄いな〜と思いましたが、エルボースライダーを見ると、ここから更に進化していることが分かりますね。
シルクちゃんもTシャツを作りました。90年代みがたまらない。これもマルシェルで買うとステッカーついてきますのでよろしければ。
ちなみに、絹っ子シルクちゃんの終盤に出てくるモブキャラたちにも、ちゃんと名前と設定があります。
またの機会に、いつかイベントやブログなどで紹介できればと思います。
そして、いつかシルクちゃんかエルボースライダーの24分ぐらいのアニメが1話作れたら…(声優は友達を集めて)とも思っています。
この1分ぐらいのアニメでも酒本ゆうみ先生ひとりで半年ぐらいかかったのに、24分作ったら腕がちぎれて死んじゃうよ!!!!でもその頃には100人のアシスタントを抱えてるかもしれない、その可能性に期待して待とう。
最後に、エルボースライダー公開前の、新番組予告CMです。この原稿とか考えるのも楽しかったです。
https://twitter.com/fakecmsongs/status/1295287668331302914
そして、いつかシルクちゃんかエルボースライダーの24分ぐらいのアニメが1話作れたら…(声優は友達を集めて)とも思っています。
この1分ぐらいのアニメでも酒本ゆうみ先生ひとりで半年ぐらいかかったのに、24分作ったら腕がちぎれて死んじゃうよ!!!!でもその頃には100人のアシスタントを抱えてるかもしれない、その可能性に期待して待とう。
最後に、エルボースライダー公開前の、新番組予告CMです。この原稿とか考えるのも楽しかったです。
https://twitter.com/fakecmsongs/status/1295287668331302914
<終>
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