キシリ徹の!おんぼろファクトリー操業記

キシリ徹の
架空CMソングの作詞・作曲・制作の経緯、小さなハプニングやイカしたグッズ
についての裏話を書きます!

〇〇マニアでもある 〜架空CMソング制作以外のマニア〜

2020-07-30 17:00:00 | 日記
 去年の9月 マニアフェスタVol.3に、初めて架空CMソング制作マニアとして出展して楽しい目にあい、そこから3回ぐらいマニアフェスタに出させて頂いている。

 マニアの方々は「世の中になんとなくあるもの」としてやり過ごしてしまうようなことを、独自の視点で見て、ない概念や作品を新たに出現させてしまう方が多く、話を聞いていて面白い。

 そういう視点を持っているから、○○マニアとして出展している以外でも興味の裾野が広く、他のマニア的目線や活動を持っている方が多い。

自分も、相方のタニケンも例外ではなく、CMソング以外にも興味を持っていることがいくつかある。

もし「架空CMソング制作マニア・キシリ徹」ではなく、やなせ個人でマニアフェスタに出していたら、何マニアとするか、考えてみた。

〜〜〜

1.電光掲示板マニア
実は、キシリ徹の作品公開開始と同じ時期にやっていた趣味で、
街角にある電光掲示板を動画撮影し集めていた。

キシリ徹の初期の頃、ユニットのアカウントで #電光掲示板ソムリエ として、毎週ツイートしていた。


 一国一城の主たる店主が、サービスや商品の魅力を、電光掲示板の中で過剰に・大々的に押し出す、その内容の趣味趣向の違いがどうも好きで、札幌に居たときから気になっていた。

「魅力を(大言壮語を交えつつ)豪奢に売り出す」という意味ではCMソングにも似ているし、広告の1ジャンルといえるし、大手代理店などが一切関わっていない形で個々人が考えているが故、個性が幅広いのも魅力。

限られたキャンバスの中に、DIY(森泉)で見事なドット絵を描いてしまう人もいる。レトロゲーム好きでドット絵好きな自分の琴線に少なからず触れます。

 好きになったきっかけに、地元で老夫婦が経営している、寂れた蕎麦屋の電光掲示板が、死ぬほどバグっていて文字化けしていた話があるのだが、それは本当に出展することになったときにとっておきたい。

 動画で撮影する必要があり、街中で急に惹かれて撮影中ジッとしているのに耐えられない+撮っても手ブレがひどく自分でも見ていられない、というのでいつからか辞めてしまった。
本当にこれをマニア活動にするなら、三脚を持ち歩いて許可取りも凄くちゃんとしてやりたいとは思うが、今のところそこまでには至っていない。

〜〜〜

2.ライブカメラマニア
インターネット上で公開されている、ライブカメラ動画のマニアでもある。

 現在youtubeで見られるライブカメラ動画は幅広く
絶景・街角の何気ない風景・動物・観光地・人っ子一人いない大自然・宇宙…など様々である。


 もともと風景が好きなのもあるが、ときどきライブカメラで絶景をぼーっと見て、心を休めている。
外出できない期間も、ライブカメラで全国を回って旅行気分を味わったりしていた。

 たまに札幌のライブカメラを見て、この時期の札幌の気候を思い出してはエア里帰りしている。
台風のとき「川の様子を見てくる」という人は、ライブカメラを見ればいいのに!?と切に思う。

 好きなライブカメラはたくさんあるのだが、その中で特に好きなものを1つ
兵庫県にある『淡路島モンキーセンター』のライブカメラ

 名前の通り、猿メインのテーマパークのライブカメラだが、なぜか鹿も一緒に飼育されている。
猿と鹿は基本的に喧嘩することなく穏やかに共存している。

 諍いではないが、ときどき、画面手前にある「ししおどし」に夢中になっている猿を、鹿が諭す場面がある。
「ししおどし」は漢字で「鹿威し」と書く。”あまり俺たちを威すなよ”という鹿側からのメッセージなのかもしれない。

 ただただ気ままに振る舞う猿と鹿を見ているだけでもそれはもう愉快なのだが、
特筆すべきはエサの時間で、飼育員の手によって広範囲にエサがばらまかれると、鹿も猿もまるでタガが外れたように大騒ぎとなる。
その緩急がとても面白く、なんかアドレナリンが出る。
画面内の鹿や猿が一斉に動き出すこの狂乱だけは本当に皆に見てほしい。



夜中は何も映っていないが12時間前まで巻き戻せます。

〜〜〜

3.不便マニア
これは今考えている最中で明確には語れない。

 わかっていることは、この便利な世の中において直面した不便は、多くの場合、体験や思い出になるということだ。
便利な世の中は基本的に嬉しいしありがたいし、かなりその恩恵に預かっていると思う。

ただ、「不便は便利の対極にあるもの」ではないし、「便利の外にあるものはすべて不便」で「不便は役立たず、便利に浸されている私達を苛立たせるもの」ではないはずだ。
死が生の一部であるように、好都合も不都合も”都合”の一部だ。

 便利から便利へと乗り継いで生活しているなかで、イレギュラーに現れる不便を、ただの苛立ちの元と感じず、むしろその不便と踊ることができれば、不便はレアケースとして印象深い思い出になるし体験になる、とあらゆる場面で思う。

 積極的に不便になりにいく必要はないが、たまたま現れた不便や回り道を楽しめる精神性の先に、豊かな時間の感じ方があるのではないか、と思っている。

 禅の「合一」の感覚にも似ていて、”便利な風景の一部分”にあるものは気にも止めないが、不便が現れ、やり過ごそうとするときこそ、その対象について向き合って考えるきっかけになるのではないだろうか。

 めちゃくちゃ簡単な例で言うと、電車でずっとスマホをいじり速度制限になってイライラしている人を見て「スマホが速度制限になったら、その時ぐらい外の景色見たり、ぼーっとしてればいいじゃないとかそういうところから考え始めた。
 スマホは便利だし面白いからあるにこしたことはないけど、たまたま手持ち無沙汰で見た外の景色が面白かったり、発見もあるかも、と鷹揚に構えられたほうが心も穏やかだ。
なってしまった速度制限にイライラしてまで見る必要あるまとめサイトとかこの世にない。

 自分は不便にハマってから、意図的にぼーっとできるようになり「デニーズ店内のステンドグラスよく見たらすげーキレイ」とかそういうことに気づけた。
不便と踊れる座持ちの良さは、便利浸しの世の中を生きるのに何かと好都合だ。

というふうに、まだまだ抽象的でなんとなく感じているばかりで、全然まとまっていない。
けれど、もしキシリ徹ではなく、ピンで何かするとなったときに、真っ先にやりたいテーマではある。

〜〜〜

 ハッキリ魅力を語れることからまだ曖昧模糊なことまで、“CMソング以外のマニア”で、真っ先に思いついたのはこの3つである。
その他、ホンコンやきそばマニア・無駄記憶マニア・吉村卓マニアなどもあるがまたの機会に。

アルバムができそう 〜完成までの道のり〜

2020-07-27 17:30:00 | 日記
 キシリ徹のやなせ京ノ介(どちらかというと歌っているほう、メガネをかけていないほう、長男のほう)です。

 我々、キシリ徹は
「架空のCMソング50曲を作曲・公開、架空オンリーのCMソング集アルバムを作る」
ことを最初の目的として活動してきました。

 先日、47曲目『ハンサム引っ越しセンター』を公開し、とうとう50曲・アルバムの完成が見えてきました。

 ただ、50曲の公開が終わったらすぐにアルバム完成というわけではなく、CD化用のリマスター作業が待っています。
かんたんに言うと、CD用のフォーマットにファイルを書き出し直したり、音をもう一度整えたりする一連の作業です。

〜〜〜

 我々の制作は、
①架空の企業や商品の制作会議・設定決め
から、
②作詞作曲
③演奏
④録音
⑤ミックス
⑥マスタリング
⑦広告デザイン
⑧動画制作
⑨公開までを、すべて少人数でのDIY(森泉)で行っています。

「こんなことを他に頼める人もいないし、友達同士でやるしかなかったから」というのがすべての理由ですが、

特に録音やミックスについては、知識もノウハウもほぼゼロから、勉強&トライ&エラー&上手く言ったら笑い&失敗したら嗚咽し学び、を繰り返して徐々に形にしてきました。今も発展途上です。

 なので初期の曲に関しては、ミックスなどが今聞くと稚拙です。
アレンジについても稚拙な曲が多いですが、それは成長のあととして違和感のない程度に修正しすぎずに行こうとは思っています。)

〜〜〜

そのような理由から、
50曲の公開が終わると同時に、40曲目ぐらいまでの再ミックス+全曲のリマスターをやる必要があります。

50曲完成したら終わりではないのです。

「この手触り何かに似ている」と、数秒考えてすぐにわかりました。

まさに、超魔界村の2周目状態!!!!!!

1周目が終わっても、今の力ではラスボスを倒せないので、2周して腕輪を手に入れに行く!!まだまだ険しい道のり。

〜〜〜

このプロジェクトを初めたのは2014年。
最初は録音という選択肢が自分たちになく、ライブハウスでライブをやっていました。

その後、休止期間をはさみ、アルバム化・50曲を掲げレコーディングをはじめたのが2017年3月。

最初の構想から6年、制作期間はすでに3年半近くが経過しています。

遅くとも10月、最悪今年中には絶対に出したい!!

だってここ数年ずっと「次は〜という架空CMソングを作らなきゃ…」に頭を支配されているのだから…

「セルフブラック」じゃなくて「セルフ売れっ子」ということにして、自分を洗脳して何とかできている状態。脳内世界ではもうかなりの売れっ子。

先々月、1日で架空のCMソングの録音5時間+架空のラジオの収録3時間やったとき、より洗脳の強度を強めるしか正気を保つ方法がなかった。Mother2でサイコシールド二重がけするかの如くね!!!!

ホルマリン漬けの脳に電極をさして、仮想現実を見ているのとそう変わりない状態。
正気を保っているのか、より狂気の中に分け入って行っているのか、自分でもわからない。

今後も作り続けるとしても、
とにかく、今年中なる早で1stアルバムを形にし、”50曲作らなきゃフェーズ”に区切りをつけ、一旦脳をホルマリンから水揚げして、干したい。漁村のスルメ干す洗濯バサミみたいなのに挟んで、回したい。

そんなふうに思っています。
ずっと楽しいし、精神は健全なのですが、脳のゴチャゴチャがヤバくなってきています!

陰ながら見守って時々何か言ってくれたら嬉しいです。
そんな義理はねえでしょうが、洗脳されてる俺たちを遠巻きに眺めて、ここは一つ、好奇心&慈愛でよろしくおねがいしまーす。

音質向上した初期の曲をお楽しみに。
そしてアルバムが出来た際には是非手にとって聞いてください!!!

これまでの1曲1曲がそうだったように、アルバムも今できる限りの良いものにします!
誰にも頼まれてないけど、自分たちが楽しいし、50曲通して聞いてみたいですから。

俺たちの苦闘、その第一章のフィナーレを見届けてくれ!!!!!!
以上!
<終>

〈架空CMソング制作秘話〉 『ちりぬるをチョコレート・3部作』ができるまで (第12回)

2020-07-17 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!

キシリ徹のタニケンです。

制作秘話第12回は、「ちりぬるをチョコレート・無印版」「ラテン味」「工場見学味」についてです。

なんか書くのめちゃくちゃ憂鬱だな…。


【着想】
 アイデアが枯渇
 この3部作の発表は24〜26曲目ですが、作曲自体は15〜20曲目くらいだったかな。


 二人で打ち合わせしながら、次の題材をチョコレートにしようということになりました。


 チョコレートのCMソングといってすぐに思いつくものといえば、明治チョコレートテーマではないでしょうか。


 我々も、明治を真っ先に思いつき、「明治みたいな歴史のあるチョコレートのCMソングを作ろう」ということになりました。


 そこで商品名を考え始めたのですが…、この時に限っては、いいアイデアが一切浮かびませんでした。


 たしか立て続けにミリオネ電器とか恵漏川温泉とか丸焼きおじさんのケバブショップなどを作り終えたばっかりだったので、アイデアが枯渇していたのかも知れません…「たらちねチョコレート」とかそんな案を出した記憶がありますが…。


 そこで、ワードバスケット(←制作秘話第6回を参照)を使って、「ち」の頭文字がでてきた時に「ちりぬるをチョコレート」を発案しました。


 なんとなく歴史あるチョコレートっぽいけど、やなせも発案した僕自身でさえも「あぁ…うん。まぁ作ってみるか…」みたいな反応でした。


 やなせに「適当に歌ってみて」と言われて歌った「ち〜り〜ぬ〜る〜を〜」が思いの外良かったので、サウンドロゴ部分のメロディはあっさり決まってしまいました。


 サウンドロゴだけじゃ寂しいなと思ったので曲の前半の部分を作り始めたのですが、歌詞もメロディも冴えたアイデアが一切出てこない…。


 そんな中、やなせが「ちりちりぬるを、ちりぬるを」と歌い出したので、それに「いろはにほへと、ちりぬるを」と「ちりぬるを製法の大陸的な味わい、美味しいカレー、全部好き。」というセリフを付け加えて完成させました。


 アイデアが枯渇しているのを感じつつも、
「まぁたまにはこんなのもあっていいんじゃない?」
「時間空けて聴きなおしたらいいと思えるはず」
などと思い込むよう努めながら、その日の打ち合わせを終了しました。


 後日、やなせに
「ラテン味と冒険味(後に工場見学味に変更した。いずれにしても意味がわからない)も作ろう」と言われた際に、
つい「こんな捨て曲いじくり倒してどうすんだよ!」と言ったのを覚えています。

 やなせ曰く
「3曲展開するアイデアは前々からあったのでやっておきたい」
「『こんだけやっても良くなりませんでした』って苦難の跡が見えるのも面白いんじゃない?」とのことでした。


 そんな経緯で、「捨て曲」「ゴミ曲」「アイデアの搾りかす」とまで言われた曲を3部作にわたり悪戦苦闘しながらいじくり倒す羽目になったのです。

〜〜〜

 【楽曲解説】
◆ちりぬるをチョコレート(無印)について
 この曲のアレンジついては、まっすぐにビートルズを意識したポップスに仕上げました。



 なんとなく「現代でビートルズっぽいポップスをうまくやるのがかっこいい」みたいな風潮が少し前にあったように思うので「まぁやってみるか…」みたいな気持ちで挑みました。


 ただ我々が学生時代くらいに作品として聴きこんでいたものといえば、リボルバーとかホワイトアルバムとかサージェント・ペパーズなど中期・後期の作品が主であり、それらの作品のサイケな風味や実験性に多少影響を受けていはいましたが、ずぶずぶにビートルズに影響を受けてきた訳ではありません。


 また、ビートルズが様々な形に翻訳された音楽を通して間接的に影響を受けてはいますが、ビートルズそのものの魅力をあまり理解していなかったように思います。

 しかし、この楽曲を完成させるにあたっては、ビートルズ初期作品を聴き直し、コーラスワークやベースラインの雰囲気などを参考にしています。

 この作業は、ビートルズに対する「工夫がいっぱいで刺激的な中期後期の作品の方がいいに決まってるじゃん!」という考えを覆し、
美味しいメロディーやひらめきに満ち溢れた初期作品の魅力に気付くきっかけとなりました。

 このキシリ徹のプロジェクトを始めてから、作曲上必要なリファレンスとしていろいろな作品を聴き直して「こういうことだったんだ!!!」というふうに、昔はわからなかった魅力に気付かされることが非常に増えたように思います。

 アレンジ段階から参照したため、そこまで寄せることはできませんでしたが、作曲段階から初期ビートルズを目指した作品なども作ってみたいと思いました。
 ビートルズについてもこれから初期作品だけでなく各メンバーのソロなどもっともっとディグっていきたいですね〜。




〜〜〜
 
◆ラテン味について
 ラテン味ということで、とりあえずラテンっぽいドラムパターンやオクターブで重ねるピアノのフレーズなどを入れています。



 作曲する際、できるだけ曲調が他の楽曲と被らないようにしていますが、実際ラテンっぽい曲って数曲作ってるなと改めて気づきました。


 アイデアが枯渇していたからやりがちなバリエーションを安易に選択してしまった気もしないこともないですが、他のラテン曲(桃園、野菜上等)ともまた違った雰囲気になっているのでよしとしましょう。


 このバージョンで特筆すべきことといえば、セリフの部分でしょうか。


 曲冒頭と途中のセリフの内容は無印版と同じ
「チョコレートの溶ける温度は425℃」
「ちりぬるを製法の大陸的な味わい、美味しいカレー、全部好き」なのですが、
「ラテン語で言ってみよう!!!!」とのことで、
翻訳ソフトでラテン語に翻訳したセリフを私が耳コピして喋っています。


 そもそも翻訳自体文法がめちゃくちゃなのに、なんとなく耳コピしただけなので、録音するたびに違う台詞になっていました。

 あと「美味しいカレー」の部分は、録音している最中、自分でもなにについて喋っているのか訳が分からなくなってしまって笑ってしまったテイクを採用しています。

 結果的に「美味しいカレーのことを想像して笑みがこぼれた」感じになって面白いかな、と思います。そもそもカレー関係ないですが…。

〜〜〜
◆工場見学味
 工場見学味ってなんなんだ…。美味しいのか不味いのかそもそも食えるのかもわからない…。


 やなせが「どうしてもインダストリアルをやりたい」ということでこの曲を作ったわけですが…。


 まぁコンセプトとかはともかく、曲自体はうまくできていると思います。
 
 そもそもスロッビング・グリッスルノイバウテンの影響でインダストリアルミュージックをやってみたいということで、試行錯誤しながらレコーディングしました。


 ホームセンターで購入した一斗缶とか鉄パイプをスタジオに持ち込み、振り回したり叩きつけたり蹴り飛ばしたりするインプロを二人で交互に繰り返しました。







 インプロのなかから徐々にリズムパターンを形成していくのが難しかったのを覚えています。一斗缶や鎖はなかなか迫力あるいい音が撮れてますね〜。




 曲を改めて聴き直してみると、レジデンツホワイトノイズの他、CANなどのジャーマン・ロックの影響も感じられます。


 キシリ徹のプロジェクトを始めてからは少し離れていましたが、我々は19〜20歳くらいのころ、プログレ、インダストリアル、アート・ロック、アヴァンギャルド、ジャーマン・ロックなどをよく好んで聴いていました。


 この曲を作るにあたってそういった音楽の影響をしっかり曲展開を構築しながら表現することができたので、そういった意味では非常に楽しかったし、価値のある一曲になったと思います。まぁイベントなどでは演奏不可能ですが…。






〜〜〜

 【その他 裏話】
 デザインについて
 3作すべてやなせがデザインしたものです。


 無印版の右側のチョコレートと中央下の山の絵は私が鉛筆で描きました。左側のチョコレートの絵はやなせが私の絵を真似て書いたものらしいです。



右のチョコレート、「Sinse」って綴り間違えてますね。試し書きしたときはちゃんと「Since」って書いていたのになんでだろう…。



 やなせはガチで絵が下手で、この絵についても真剣に描いたそうですが、改めてみるとヤバいな…。



 ラテン味もそうだけど、なんだかやっつけ仕事という感じが否めないよな…。

 工場見学味については、やなせが前々からコラージュアートをやってみたかったらしいので、初挑戦しました。



 味とか商品の詳細は全くわからないけど、目を引くデザインにはなっているかと思います。


 この時もやなせから「なにかインスピレーションを得ているアルカイックスマイルな子供」と「『ち』の上に目玉ついたやつ」の絵を書いてくれと頼まれたので、私が鉛筆で描きました(ハイパーアナログ人間なので…)。


 「『ち』の上に目玉ついたやつ」もレジデンツやノイバウテンを意識しているかと思います。

 後に、キシリ徹のデザインを集めたコラージュアートTシャツを作ることになったので、このデザインもひとつの経験になってるんだな〜。
 
 
 正直、ちりぬるを3部作についてはあまり気に入ってなかったし思い入れもなかったけど、改めて振り返ってみると、3作を通して経験したできたことは少なくないので、なんだかんだで大事なディスコグラフィーのひとつだなと思います。




 今回は以上です〜。それじゃ、またねっ!!!!!!


<架空CMソング制作秘話> 「桃園法律相談事務所」ができるまで(第11回)

2020-07-03 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは〜!!!!!!

キシリ徹のタニケンです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

制作秘話第11回は、「桃園滋法律相談事務所」です!!


曲自体も会心の出来ですが、会場でみんなで歌ってめちゃくちゃ楽しかったので、そういう点も含めてかなりお気に入りの楽曲です!



【着想】
 この楽曲はかなり初期の曲で、7、8番目くらいに作ったものだったと思います。

 タイトルに関してはやなせが持ってきました。

 多分、アディーレとかの過払金請求のCMとかを見て弁護士事務所の曲を作ろうと思った物と思います。


 「桃園滋」という名前に関しては、単純に桃が好きというのと、苗字や名前に果物が入っているのに憧れているからだそうです。

 高校生くらいの頃にも同じこと言っていたのでそんな理由だろうなと思ったら案の定でした。


 そもそも、この楽曲のように人の名前が入るようなタイトルの場合って、ぶっちゃけなんでもいいんですよね。


 でもなんとなく、「この業種だったらこの名前がしっくりくるな…」っていうのがありますよね。


 だから美容グループは「小柳」だし、ファッションステーションは「吉崎」なんです!
 
 桃園滋も割といい加減な理由で決めてるけど、なんとなく胡散臭いところがちょうどいいですよね!!!!

 とはいえやなせがこのタイトルを持ってきた時、「実際に弁護士事務所のCMがないわけではないが、わざわざCMソング作るか…?」とは思いました。


 CMソング作るくらいだからさぞかしクセの強い弁護士なんだろうな…。しかしそう考えると「クセの強い経営者が、妙な独自性を発揮しようとして作ったCMソング」という方向性でなんとか作れそうだとも思いました。


 ということで、歌う内容は過払金のことくらいしか思いつかなかったけど、とりあえず作曲に取り掛かることにしたのです。


【楽曲解説】
ブラジル音楽への憧れと「大陸的」
 作曲当時、イヴァン・リンスやミルトン・ナシメントなどブラジリアンポップ(MPBを)よく聴いていたので、ブラジルっぽい感じでシンガロングできそうな曲にしようということになりました。
また、ブラジル音楽へ傾倒していた時期のTHE BOOMなども聴いていたので、自分たちなりに日本語にブラジル音楽を取り入れたいと思いました。

 そこで私が「借金あんの?」「過払金あんじゃねえの?」とかポルトガル語っぽく歌えばいいんじゃない?と言ったら、やなせがすぐサビのメロディを完成させました。


 あとBメロについてはやなせが「大陸的な展開にしたい」というので、コード進行やリズムパターンは大陸的になっています。


 この「大陸的」という表現、やなせがよく使うんですけど伝わりますかね?(昔、バンドメンバーに「大陸的って意味が全然わからない」と言われたことがあります)

 また、Bメロとサビはイヴァン・リンスの「Somos Todos Iguais Esta Noite」の影響からか、自然とユニゾンで歌う展開になりました。


 サビ以外の歌詞はやなせが書きましたが、よりポルトガル語っぽく聴こえるように意識しながら言葉を選んでいます。「あばたづら」とか「もやし8本になりそう」とかうまくできていますね。


 曲全体を通してみると、スムース且つ緊張感のあるコード進行のイントロ、Aメロから、Bメロで「大陸的」に広がり、サビで一気に弾けていて、起承転結のあるいい展開ができているなと改めて思います。


 アレンジに関しては、歌にブラジルっぽい奥行きを与えるために、リバーブではなくテープエコーを利用しています。コーラスに多重感があって聞き応えありますよね。


 コーラスは私とやなせの声を多重録音していますが、多重録音をする際、私はだいたい「普通に歌うVer.」と「高校の先生のモノマネで歌うVer .」を録られます。この時はウツノ先生ですね。


 この回は、ウツノ先生の授業を受けたことのないやなせもウツノ先生に挑戦しています(というか私のウツノ先生のモノマネのモノマネですが)。


 30歳にもなって「先生のモノマネ面白い」という価値観を捨てられていないので、モノマネしながら録音して二人で手叩いて笑っていたりします。


 アレンジに民族楽器を加え始めたのもこの曲が最初です。


 民族楽器の教則動画などをみながら研究して打ち込んでいます。こういった方法論も現在まで生かされています。


 あとは、最後のサビのアコギのフレーズめちゃくちゃいいですよね。やなせは、うまく弾けなくて何度も録り直したようですが、かなり気に入ってるそうです。


 楽曲自体かなり気に入っているのですが、結果的に「桃園滋法律相談事務所」の胡散臭さも表現できていて、その点を含めていい作品になりました!
 



【その他 裏話】
 デザインについて
 この広告は友人に頼んでデザインしてもらいました。


 遠目からみるといかにもありそうな広告ですが、よくみると桃があちこちにあしらわれていたり、「なんとかします!」とか「得意です!」とか具体的なこと一切書いていなくてハイパー胡散臭いですよね…。


 最寄りの駅が「玉子駅」だったり、注意書きで右下に小さく「実は桃アレルギーです」とか書いていたり、あちこちに小ネタがあってつい笑ってしまいますね。


 是非一度細かいところまでチェックしてみてください!

〜〜〜 

 からくりキャッチ!に桃園滋さんが登場!「SHIGERU Satisfaction Style」とは?

 からくりナイスキャッチ!第7回にゲストとして桃園滋さんにお越しいただきました。


 番組内では桃園滋法律相談事務所について下記のように紹介されています。


 『弁護士、外国弁護士、その他の専門家10名を擁する総合法律相談事務所です。

 取り扱う分野は、多岐に渡り、複数の専門分野にまたがる総合的な能力や、高度な専門性が必要とされる案件については
 事務所の中でもトップクラスの実力を誇る「プロフェッショナルリーガルオーガナイゼイション」が担当に当たります。

 さらに、2012年には事務所を法人化。今では「比類なきマキシマム弁護士軍団」と呼ばれています。』
 

 桃園滋さんには、最初に独立に至った経緯と熱い想いをお話しいただきました。破茶滅茶というか支離滅裂なお話しでしたが、やはり弁護士、最後は見事にやなせを納得させていましたね〜!


 民事事件だけではなく刑事事件も担当する桃園滋さん、「軽井沢ベーグル事件」や「豆鉄砲伝来事件」を始め、誰もが知る刑事裁判に携わった実績もあるそうです!!!

 また、理念として掲げる「SHIGERU Satisfaction Style」についてもご説明いただきました!!何事も一生懸命にやることが大事なんですね〜!


 収録中にやなせに大小様々な危機が訪れますが、常時「SHIGERU Satisfaction Style」を貫く桃園滋さんによって救われました!


 ありがとう「SHIGERU Satisfaction Style」
〜〜〜

 憧れのつんく♂さんに
 以前、つんく♂さんがTwitterで「若いクリエイターは作品聴いて欲しくてウズウズしてるよな」と言った旨をツイートしてらっしゃった際に、やなせが「架空のCMソングを作っていて聴いて欲しくてウズウズしています」と桃園法律相談事務所の動画を貼ってリプライしたところ、なんとそのリプライをリツイートしてもらいました…!



 おまけにやなせのアカウントをフォローまでしてくださいました。やなせの数少ないフォロワーの中につんく♂さんがいるのめちゃくちゃ不思議だな…。
 
 そのころはまだマニアフェスタにも出演する前で、なかなか仲間内以外の人に曲を聴いてもらう機会がなかった中、つんく♂さんに聴いてもらえたということが大変嬉しかったです。ツイートを見た人からも結構反応がありました。

 それだけで結構浮かれてめちゃくちゃ酒飲んじゃったのを覚えております。

 今回は以上です!!!!


 またね!