キシリ徹の!おんぼろファクトリー操業記

キシリ徹の
架空CMソングの作詞・作曲・制作の経緯、小さなハプニングやイカしたグッズ
についての裏話を書きます!

〈架空CMソング制作秘話〉「ファッションステーション吉崎」ができるまで(第7回)

2020-05-29 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちわ!

キシリ徹のタニケンです!

今回はファッションステーション吉崎です!


初期から存在する激アツソングですね!

その曲調とは裏腹に、我々の切なる想いが込められた一曲です!

【着想】
 この曲は、最初期の楽曲で、キシリ徹結成当初に作られた「原初の6曲」のうちの一つです。

 グレープフルーツバーボンを含めて「七つの大罪」や「神7」と称されることもあります。


 嘘です。両方とも全然詳しくないので、早めに回収しておきます。

 「原初の6曲」って呼んだこともないですけど、遺跡から発掘されて古代文明のテクノロジーを巡る争いの引き金になりそうな感じがしてカッコいいですよね〜。

 発掘家だった父の形見「ファッションステーション吉崎」の譜面を狙う謎の組織「SHIMAMURA」に追われるんだろうなぁ〜。

 追われる最中、謎の双子の少女「ユニ」と「クロ」と出会い、双子が所属する謎のレジスタンス組織「GU民主党」に保護されますよね〜。

 そこで、少年サンキは「原初の6曲」の存在を知り、SHIMAMURAとGU民主党の古代テクノロジーを巡る戦いに巻き込まれていくんですよね〜!


 実際には、この曲はキシリ徹結成当初にやなせが作ってもってきたんで、妙な因縁は一切ありません。

 「ファッションセンターしまむら」をイメージして作ったものと思われますが、特にCMソングでモチーフにしたものはないんじゃないかな。

 「ファッションステーション吉崎!」とがなりながら連呼する部分が先に思い浮かんだので、その部分に合わせてパンク寄りのハードロック調の曲にしました。

 かなり昔に作った曲なので、あんまり覚えてないんだよな〜。

【楽曲解説】
 前述の通り、ハードロックを意識して作られた楽曲ですが、やなせも私もハードロックっぽい曲をやったことがなく、ハードロック的素養がないために、苦戦する点も非常に多かったように思います。

 ハードロックの素養がないので、仕方なくパンク的要素を足して曲を完成させましたが、そもそもパンクもあまり通ってきていない(せいぜいセックス・ピストルズくらい)ですね。

 学生時代に銀杏BOYZを全然聴いていなかったのですが、作曲時期の前後にフェスでライブを観て、遅ればせながらハマり、アルバムを聴き込んでいたりしていたので、アレンジの際にも聴き直して参考にしています。

 あと、最初のサビの4周目の「ニーズのオールラウンダー」という部分は、私が歌っていますが、やなせに「鈴木慶一っぽく歌って」と言われました。
思いの外うまく再現できていたので、練習やリハで歌う際、この部分でやなせが笑ってしまい歌えなくなることが多々ありました。急にマンキンで鈴木慶一のものまねするのウケちゃうんだよな…。

 最初のサビが終わってBメロに移る際のブレイクと、その後のハモりはなかなか聴きごたえがあって我々としても気に入っている点の一つです。

 ただ、Bメロの終盤で「だって店主がAEONで英会話やってた!」と歌っていますが、普通に考えてCMソングの中で「AEON 」とか他社名入れていい訳ないですよね…。
そういった整合性がない点も初期の楽曲ならではでしょうか(最近の曲でも別の意味で無茶苦茶な歌詞を書いていますが…)。

 他にも歌詞について言うなれば、基本的に歌詞はやなせが全て書きましたが、最後のサビの歌詞に関してはいまいちしっくりきていなかったため、二人で相談して書き直しました。

 やなせから「フランス人のセンスをGET!」、私から「この世のトレンド発信地」「ファッション雑誌を火にくべろ」出て3つは決まりましたが、
あと一つがなかなか決まらず、悩んだ挙句「『一糸纏わぬその姿』しか出てこないわ…」と私が言ったら、なぜかやなせも「俺も裸系で考えてたわ」と言うため、これで決定しました。

 服屋なのに「一糸纏わぬその姿」って歌うのどういう意味?とは思いますが、謎の説得力があるんですよね…。

 それと、サビの部分のリズムは、たぶんダウンタウンDXの『視聴者は見た!』で、浜ちゃんが「この前〜で○○さんを見ました」と言った後の、デッデッデデデッデデデデッ!っていうブリッジから来ていると思います。
多くの日本人のDNAに無意識的に刷り込まれているリズムなので覚えやすいのかも知れないですね〜
(調べると、The Bouncing Souls-Say Anythingという曲が元ネタのようで、最後の部分に例のやつがあります)





【その他 裏話】
 ハイパー疲労ソング
 なんと言ってもこの曲は、一度聴けば「ファッションステーション吉崎!」とついつい歌いたくなるような、覚えやすい曲です。

なので、イベント等でもなかなか人気がありますし、繰り返しリクエストしてくれる方がいらっしゃっいました。
しかし、我々としては何度も繰り返しますが、ハードロック調の曲はほとんどやったこともないし、こんなにがなって歌うこともあまりしないので、この曲は全曲の中でも一、二を争う「疲れる曲」です。
人気があるのは大変ありがたいことですが、繰り返し演奏するとだいたい二人とも息が上がってゼーハー言ってしまいますので、間に「金月堂の餅カステラ」とか「メイプル葬儀社」などを挟んでくれると大変助かります…。

 当時の録音事情
 当時は、いろいろと不慣れなことも多く、録音環境も整ってなかったので毎度試行錯誤を重ねながらレコーディングに挑んでいました。
歌に関しては、やなせが住んでいたマンションの風呂場の前にマイクを立てて、脱衣所の戸を締め切って録音していました。

 時間帯などは気をつけていましたが、こんな大騒ぎする曲なので、他の住民の方には多大なご迷惑をおかけしたかと思います。大変申し訳ありません…。
 
 歌い終わるたびに、脱衣所の戸を開けて録り音を確認したりするのめちゃくちゃめんどくさかったな…。

 デザインについて
 
 この曲の広告デザインは我々の友人に頼んでやっていただきました。楽曲の発表が年末だったこともあり、ウィンターセールのチラシになってます。

 セールの開催期間とか、年末年始おやすみのお知らせとか細部までこだわって作られてますし、右下の地図をみるといかにもしまむらと西松屋が並んで建っていそうな立地で、15〜16歳の頃、寮から自転車で1、2時間かけてAvailまで行った記憶が蘇りますね。

 是非その点も着目してみていただければ嬉しいです!

 「すぐ燃やさない?」
 音源を作るようになってから、友人などに聴いてもらって感想を聞いていたりしてました。
 
 当時、スタッフの姉に数曲聴いてもらったのですが、「面白い」などの感想の後に「すぐ燃やさない?」とLINEで送られてきたそうです。

 ファッションステーション吉崎でも「ファッション雑誌を火にくべろ」と歌っています。

 やなせは言われるまで気づかなかったと言っていましたが、我々の楽曲では吉崎以外でも、何かしら象徴的な物を燃やして過去から決別するような歌詞が度々登場します。

 おそらくMOON CHILDの「ミスター・スプラッシュマン」の『気に入っていたシャツも靴もなにもかも全て火にくべよう』という歌詞に影響を受けているものと思いますが、CMソングとしてはやや物騒なので、あまり燃やしすぎないように気をつけようと思います。


 からくりナイスキャッチ!第2回
 からくりナイスキャッチ第2回では、ファッションステーション吉崎の店長 吉崎匠さんにゲストとしてお越し頂きました!


 全人類を対象としたファッションを提供し、「街の服屋さん」として老若男女に親しまれているファッションステーション吉崎。
 
 街行く人全てがファッションステーション吉崎の服を着ている現象が全国各地で起こり、「一億総吉ラー現象」が流行語大賞に選ばれたことも記憶に新しいですよね!!
 
 ファッションステーション吉崎1号店の設立の経緯や、経営理念などについて語っていただいたのですが、吉崎さんがちょっと緊張して萎縮している感じがありますね〜。時折「難しいな…。」と呟いていますし、インタビューに慣れていないんだろうな〜。

 やなせがゲストに対してやや当たりが強いのも、初期回ならではです。

 私はインタビュー収録に参加できなかったですが、興味深いお話がたくさんありますので、是非一度聴いてみてください!


 今回は以上です!!!!!!!!
 また見てくれよな!!!!


〈架空CMソング制作秘話〉 「ミリオネ電器」ができるまで(第6回)

2020-05-15 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!!!!!!
キシリ徹の伊達メガネ担当のタニケンです!!!!!!!
制作秘話も第6回になりました!!!!!!!!
今回は、ミリオネ電器について書きます!!!!!!

我々の意匠が非常にコンパクトにまとまっている良曲です!!!

【着想】
家電量販店のCMソングは名曲揃い
 家電量販店のCMソングといえば、皆さんも知らず知らずに覚えていてすぐに口ずさめる曲がいくつかあると思います。

 我々にとっても、ヤマダ電機やビックカメラ、コジマの曲は、幼い頃から馴染みがありますし、現在でも耳にする機会は少なくありません。


 今挙げた3つの他にも多くの名曲があり、「エレクトリックパーク」という家電量販店のCMソングやテーマソングだけを集めたコンピレーションアルバムも発売されています。
 


 「エレクトリックパーク」については、もちろん我々も愛聴しています。

 中でも、のこいのこさんが歌っている「オノデンボーヤCMソング」については、ミリオネ電器のみならず我々の他の楽曲にもその影響が色濃く表れています。

 また、「サトームセンCMソング」も特筆せざるをえないですね。抜群にお洒落でキャッチーな名曲ですね〜。

 この曲に関しては、CMで流れていない部分の展開もめちゃくちゃ素敵なので、是非一度フルバージョンで聞いてみてください!!!


いざ、家電量販店CM!!
 前述の通り、家電量販店のCMソングは名曲が多いです。

 そんな名曲群を聴きながら、我々も家電量販店CMソングを作りたいと考えましたが、「やるからには既存の名曲に肩を並べられる作品を作らなきゃいけない」といつも以上に気負っていたように思います。

 店名を考えるにあたって、「〇〇電器」というフォーマットは最初からなんとなく決まっていたので、二人で〇〇にハマる言葉をひたすら探しました。

 最初は、「ヤマダ」や「コジマ」などのように、名字を当てはめる路線で考えてみましたが、いまいち工夫が足りないような気がして納得いく案は出ませんでした。かといって他にどんな言葉を当てはめていいかも検討がつかず、かなり行き詰まっていました。

 アイデアに行き詰まった時に、よく使う手法として「ワードバスケット」を使ったものがあります。

 「ワードバスケット」は50音いずれかの文字が書かれたカードを使ってしりとりをするボードゲームで、当時、僕とやなせは会うたびに必ず小一時間程度このゲームをやっていました。
 

 このゲームになるとお互いやたらとムキになって、はっきりと勝敗が分かれるまで何度も再戦してしまいます。


 この時も、ワードバスケットの50音のカードを無作為に引いてその文字がつく言葉を思いつくままに発するといった手法を試しました。
 
 カードを何度か引き直して「み」のカードが出た瞬間、私は、考えるよりも先に「ミリオネ電器」という言葉を発していました。

 この言葉が出た時、理由は全然わからないけど、二人とも「最高じゃん!!」と口にしました。

 実際、今でも一切説明ができません。ミリオネって何?

 【楽曲解説】
 最初にサウンドロゴ部分を二人で案を出しながら決めました。既存の家電量販店に劣らない、キャッチーで小気味良いフレーズになったと思います。
 
 また、既存のCMソングを聴くと、曲の中で「品揃え」か「安さ」をウリとして謳っているものがほとんどでした。

 そこで、まずは安さに言及する「家電の安さのパイオニア」というキャッチコピーを考えました。

 「次に品揃えをアピールするためにどんな歌詞にしよう?」と考えました。いろんな商品名を羅列してラップっぽく歌うなどといった案もありました。

 しかし、「みんなでユニゾンして歌う」イメージがあったので、紆余曲折を経た後に「揃ってます」というフックを完成させました。

 一度聴いただけで、「揃ってま〜す〜」と口ずさみたくなるフレーズですね。こういった具体的なことを言わないのに断言するフレーズって覚えやすくていいですよね。

 最後のサウンドロゴへの繋げ方もかなり悩んだ末に「一、十、百、千、万!」っていうフレーズを思いつきました。これも明確な説明はできないですけど、最後にミリオン(ミリオネ)に到達していて、なんとなく店の規模のデカさを表している感じがしますね。

 ちなみにやなせは、この部分のシンセのフレーズを打ち込む際、アルペジエイターの使い方がわからず一音一音手打ちで打ったのでめちゃくちゃ大変だったそうです。本当にこの頃は手探りでアレンジしていたんだな…としみじみ語っていました。
 
 やなせは、この曲前後あたりからアレンジをもっとちゃんとしようと考え、趣向を凝らすようになったとも語っています。

 この曲に関していえば、前述した「エレクトリックパーク」の曲群を下敷きにして、「家電量販店のCMソングっぽさ」をまっすぐに追求したアレンジになっています。

 強いていうならば、コード進行は「スーパードンキーコング」のオープニング画面(クランキーコングが蓄音器回しているやつ)の曲をイメージしています。

 曲の終盤にかけてコードの使い方など、やなせらしい趣向がうまくまとまった仕上がりになっているので、是非その点も踏まえた上で聴いてみて欲しいですね!

 【その他 裏話】
デザインについて

 このロゴデザインは、やなせが作ったものです。ユニバーサルデザインを意識したシンプルなものになっています。

 全体の色味に関しては当時、デル・トロ監督の「シェイプ・オブ・ウォーター」を観たばかりだったので、その印象が色濃く反映されたものと思われます。


 対極の位置に配置された三本線はムスタングのギターのイメージですかね。

 このロゴは我々も結構気に入ってるので、ポストカードを作りました。他9枚のポストカードとセットで販売していますので、是非チェックしてみてください!!!!

 ラジオで語られる独自の経営戦略
 からくりナイスキャッチ!第3回にミリオネ電器社長の芹澤修二さんがゲストとして出演しています。


「私達は、自然、社会、人、水 それぞれのつながりを大切に、積み重ねた誤ちを空に返します。我々が目指すのは巨大ロボです。」という企業理念の元、
「町の電気屋さん」というスタンスを大事にしながら成長を続けるミリオネ電器、その独自の経営戦略について熱く語ってくれています。
 
 ミリオネ電気では。「他店よりも1円でも高ければ、差額に応じた芸をやります!!」というキャンペーンを実施していますが、この回ではなんと、特別に芹沢さんに差額に応じた芸を実演していただきました!!!
 1円からでもハイクオリティな一発ギャグが炸裂し、スタジオは大盛り上がりでした!!!!

 またやなせが収録中に失踪しちゃったけど楽しかったな〜!!!
 
 今回は以上です!!!!!!!!!
 それじゃ、ばいばいですっ!!


〈架空CMソング制作秘話〉 「エモさ満点天然温泉 恵漏川温泉」ができるまで (第5回)

2020-05-08 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
 こんにちは!!!キシリ徹の”宅飲みの時に鍋を作る”担当のタニケンです!!!

 制作秘話第5回は、「エモさ満点天然温泉 恵漏川温泉」です!!!


 本当にありそうなローカルCMっぽい仕上がりで、我々の作品の中でも秀作と言って差し支えない一曲です!!!

【着想】
 温泉CMはローカルCMの定番
 皆さん生まれ育った地域でそれぞれの温泉旅館やホテルのローカルCMがあるかと思います。

 我々にとっては「高砂温泉」のCMが馴染み深いものでした。

 幼い頃に見た温泉のCMって、だいたいちょっとしたお色気要素があってドキドキしたな〜。

 高砂温泉に限らず、地方の温泉のCMには素敵な曲が多いですね〜。

 最近では特に、「ホテル三日月」のCMソングがお気に入りです。

 キャッチーなメロディに加えて、CMの短い尺の中でも展開に起承転結があって聴くたびに感心してしまいます。「ワクワク感」と「ゆったり感」が共存している点も見事ですね。

 フルVer.で聴くと一層素敵ですので是非聴いてみてください! 
 
 エモガワオンセン爆誕
 二人にとって馴染み深い「高砂温泉」のような、ローカル感のある温泉CMソングを作ろう!ということで、温泉街の名前を考え始めました。

 「ありそう」と架空性のバランスが難しかったように思います。

 私は、「鬼怒川温泉」のような、一風変わった字面と語感を取り入れたいと考えました。
 
 また、「おじさんが頑張って考えたダジャレっぽいキャッチコピー」を入れたいというのも念頭にありました。

 当時、「エモい」という言葉が一般的に流行り始めた頃だったせいか、「エモガワ温泉」というのが浮かび、これに漢字を当ててみて「恵漏川温泉」となりました。

字面も語感も完璧だ…!」と自らのアイデアに慄いた記憶があります。

 すぐに「エモさ満点天然温泉」というキャッチコピーも思いつきました。

 ダジャレを取り入れ且つ韻も踏んでいてリズムが良いので、「満点以上の正解にたどり着いてしまったな…!」と再び恐れ慄きました。
 
 「エモさ満点天然温泉 恵漏川温泉」というタイトルまで出てきたところで、やなせと「タイトルをそのまま歌うだけでショートソングとして完成しちゃうな」という意見で一致したので、ひたすらタイトルをいろんなパターンで歌ってみて、現在のメロディに近づけていきました。

 やなせとしても、元より「言葉として発した時のリズム」を大事にしながらメロディに置き換えることを意識しているので、そう言った点を踏まえても、この曲のメロディーの出来は秀逸ですね!


 【楽曲解説】
この曲はコーラスのハモりの度数が絶妙ですね!ハモりについては、レコーディング時に現場で思いつきをどんどん追加していって、結果的にいい具合に仕上がりました。
 
 やなせが「当時のミックスにはまだ拙さが目立つから、リマスターしたらもっと聴こえ方が良くなるだろうな〜」と語っていたので、今後、CD等を発売する際には、より良いものにしたいと思っています。

 【その他 裏話】
 CMソングを作るユニット? 架空CMソングを作るユニット?
 当時は楽曲を発表する際、「あまり架空とは言わないで、実在している体で発表しよう」と心がけていました。

 とはいえ、今日まで自らを「架空のCMソングを作るユニット」と称したり、将来的に実在のCMソングを作る可能性を見越して「CMソングを作るユニット」と称したりと、活動のスタンスをたびたび変えてきています。

 実在のCMソング制作依頼も多少なりともいただけるようになった現在は、改めて「架空CMソングを作るユニット」と名乗るようにしています。仮に今後、実在のCMソングの依頼が増えてきたとしても、我々の本芸である架空CMソング制作はずっと続けていきたいですね〜。

デザインについて
 
 こちらのデザインについては、JR東日本の「行くぜ、東北。」の2018年冬ごろのポスターに少しだけ影響を受けています。

 デザインの方向性について話し合っていた際、「ひと目見てエモい!と思える」ものにしようという案もありましたが、「エモさ」の表現はロゴ部分に留めることにしました。

 エモさ満点と謳っているので、くつろぎや癒しをウリにするだけじゃなく、遊びたい盛りの若者にも訴求できる「遊んだら癒す、癒したら遊ぶ。」というキャッチコピーを付けました。「遊びたい盛りの若者」という言葉、今初めて使ったな…。


ラジオ「からくりナイスキャッチ!」にて語られる「エモさ」の実態
 からくりナイスキャッチ!第5回で、恵漏川温泉郷観光協会から理事の黒部 濁(くろべ だく) さんをゲストとしてお呼びしました!
 

 放送内では、恵漏川温泉郷の沿革について次のように語られています。
  • その昔、地の神ヨソユキノマコトが恵漏川のほとりを自らの大きな矛で突き、湯が吹き出したところから「吹き出し湯」と名付けられたという言い伝えがある。
  • バブル崩壊後、一時は客足が遠のいたが、朝ドラ「ませがき」のロケ地となったことから話題となり、現在では大勢の観光客で賑わう温泉街となっている。
 
 発祥にまつわる言い伝え、なんかめちゃくちゃ卑猥なんですよね…。「自らの大きな矛」って、わざわざ「自らの」って言う必要あるのかな…。

 「ませがき」、面白かったですよね〜。
 突然、温泉旅館で働くことになった少女が、女将に厳しく叱られたり、その持ち前の好奇心から問題を引き起こし「ませがき」と呼ばれたりもしながら、立派な若女将に成長していく姿には心打たれましたよね〜!!!!!

 黒部濁さんは他にも、自ら審査員を努める「エモ女選手権」、マスコットキャラクター「ドエモちゃん」や恵漏川温泉郷に伝わる妖怪についてお話ししてくださいました!!!

 終盤には、恵漏川温泉から運んできていただいた湯で、やなせがエモさ満点の足湯を体験させていただきました。

 私は、ある作戦に参加していたので、収録に立ち会えませんでした。あとで放送を聴いたけど本当にエモかったな〜!!!

 今回は以上です!!!!読んでくださりありがとうございます!!!!

 毎回最後にアイドルのブログみたいな別れの挨拶入れたいと思ったけど、アラサーの男がいきなりやったらエグいですよね〜。

 それじゃ、ばいばいですっ!! またにけん( * ́꒳`*)੭))
 See you next Tanikeng!!!!!


〈架空CMソング制作秘話〉 「アルパカ毛むくじゃランド」ができるまで(第4回)

2020-05-01 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
 
 こんにちは!!!キシリ徹のなにかしらを担当しているタニケンです!!!!

 制作秘話第4回は、アルパカ毛むくじゃランドです!!!!

 イベントでも人気の曲で、我々の代表曲の一つです!!!!


【着想】
 レジャー施設で印象的なCMソングといえば
 この曲については、テーマパークやレジャー施設系のCMソングを作ろう!ということで、作曲に挑みました。

 レジャー施設といえばどんなものがあるだろう?と考えた時に真っ先に思い浮かんだのは富士サファリパークでした。

 我々は北海道出身のため、本来あまり馴染みがないのですが、富士サファリパークのCMソングはあまりにも有名ですね。

 他に名前が挙がったのは、のぼりべつクマ牧場ですね。熊が全然韻を踏んでないラップ(?)をするCMが印象的です。
 
 アルパカとの出会い
 とりあえず動物園のような施設を想定して考えることにした。

 クマ牧場のように、特定の動物を集めた施設の方が趣深いだろうと思い、「どんな動物を集めたら楽しい施設になるだろうか?」と思案を巡らせた。

 そのうちに、学生時代の記憶が蘇った。

 苦い記憶______________。
 

 それはあの夏、茹だる暑さの中で垣間見た白昼夢だったのかもしれない。

 当時、私は農業大学の学生だった。大学3年の夏。

 実習のために、普段出入りしている研究棟から数キロ離れた実習用の施設に向かっていた。

 気温が高く、日差しも強かった。噴き出す汗を拭う腕にも、蒸発する傍から滴が湧いてくる。

「暑い…、遠い…。」と独り言ちながらひび割れたアスファルトの上をひたすらに歩いていた。
 
 その時、視界の端に白い影が現れた。

 その影はおよそ時速20キロほどの速さで駆けてきて、木柵を挟んで私の右前方4メートルあたりで急停止した。

 颯爽に、と表現するのが妥当であろう。
 颯爽に現れたそれは、自ら起こした土煙にまかれながら悠然と直立していた。

 その影が纏う白さは、書き割りのような空の青と乾いた大地の土色の間で、異様な存在感を放っていた。


 その影の正体は___________アルパカだった。
 

 この大学には、牛や豚などの家畜が多くいる。学生寮の自室の窓を開けていれば、散歩をする馬の蹄の音で睡眠を妨げられることもある。

 しかし、アルパカがいるという話は一度も聞いたことがない。そもそも彼(あるいは彼女)は本当にアルパカなのだろうか。

 突然現れた彼を改めて観察してみた。

 その姿は、私が知識として知るアルパカの外見上の特徴と一致していた。やはり彼はアルパカであるに相違ないであろう。

 しかし、彼はなぜ突然現れたのであろう。彼がやってきた方向に目を向けたが、他のアルパカはいないし、誰か人がいるわけでもない。

 彼は、駆けてきたあと急停止し、そのまま前方を見据えたまま不自然なまでに静止しているが、その視線の先には木柵の他は何もない。

 依然、彼の目的や出自は謎に包まれたままであったが、実習開始の刻限が迫っていたため、私はその場を離れた。途中何度か振り返ったが、彼は、私を目で追うわけでもなく、変わらず前方を見据えていた。

 その後、私は数人の友人に、この「アルパカがいきなり駆けてきて目の前で急停止しただけの話」をした。

 しかし、誰も学内でアルパカを見たことはおろか、その存在について耳にしたこともなかったため、この話の真偽を疑われる羽目となった。

 私は、アルパカを見た場所へと友人を案内し、今一度その姿を見せてはくれまいかと願ったが、アルパカが現れることはなかった。

 結局、私の話は信じてもらえず、白昼夢かなにかということで片付けられてしまった。

 差し詰め私は、狼少年、いや、アルパカ青年といったところだろうか。

 それより以後、今日まで、私はアルパカと再び出会うことはなかった。

  

 そんな記憶を思い出したので、アルパカがたくさんいる施設にしようと決めました。
 そこで、いつものごとく思いつきで「アルパカ毛むくじゃランド」と発言したら、すぐやなせが、「行こう!行こう!アルパカ毛むくじゃランド」と歌い出ました。
 
 黒澤明監督が「創造とは、"記憶"である。何もないところから出てきやしないんだよ。」と語っていますが、「アルパカがいきなり駆けてきて目の前で急停止しただけの話」から着想のヒントを得て曲ができたんだから、作品を作る上では、どんな些細なことでも記憶や経験っていうのはとても大事ですね〜。

 
【楽曲解説
   とりあえず楽しい曲にしよう!!っていうのが念頭にありました。

 最初に思いついたサビを何度か歌いながら、「サンバかラテンかな〜」とか話し合いながら結局サンバにしました。ラテンっぽいのは他の曲でやってましたしね。

 差し当たって、やったことのないサンバを叩かなければいけなくなったので必死に練習した記憶があります。結局ドラムに関しては「なんっちゃってサンバ」な感じになったけど、それはそれで悪くはないかなと思います。「なんちゃってサンバ」って曲ありそうですね。

 やなせ曰く、「なんとなくだけどデビットボウイっぽくしたかった。たぶん当時、寺田倉庫でデビッド・ボウイ展を見たり、その映画を見たりしていたから」とのことで、改めて聴き直したらサビの部分は三和音でシンプルに構成されていて、グラムロック期のボウイを意識していたことを思い出したらしいです。

 この頃、機材とかを変えて作曲の機運を上げようみたいな試みをしていて、普段はあまり使わないEdwardsのギラギラしたレスポール使ってたから、多分そのボディのギラギラを見てデビットボウイを連想したかもしれないとも仰っています。へえ〜そうなんだ〜。


 
 最初のスタジオでは1サビまでしかできなかったので、やなせが持ち帰ってBメロ以降を作りました。

 当時、解散前後であった°C-uteをかなり聴いていた事もあり、Bメロは、°C-uteの「憧れMy STARから着想を得ました。

 歌メロの詰まった感じの譜割はもちろんのこと、ベースラインに関してもドラムのリズムに合わして刻むフレーズではなく、全音符を使ったフレーズを選択している点もこの曲を参考にしています。
 
 最後のサビ前の「アルパカ アルパカ 数多アルパカ!はっ!」の部分に関して言えばこぶしファクトリーの「サンバ!こぶしジャネイロ」をほぼ引用しています。

 この曲は特にハロプロの楽曲に影響を受けている部分が多いのかもしれませんね。
 
 アレンジに関しては、パーカッションやオルガンを加えるに当たって、やなせはスーパーファミコンの「がんばれゴエモンきらきら道中〜僕がダンサーになった理由〜」のタイトル曲を聴き込んで参考にしています。
 
 最後のサビのシンセの音はパラメータをいじって、アルパカの鳴き声に近づけています。そこにメロトロンの人声っぽい音を重ねて、「アルパカと人間が共存」するユニゾンを表しています。多分言わないと気付いてもらえない点なので、この点を踏まえた上で是非聴いてみてほしいですね。





 
【その他 裏話】
 「アルパカについて何を歌えばいいんだろう…?」
 やなせが歌詞を書いている際、アルパカについて歌うことが全然思いつかなかったため、YouTubeでアルパカの動画を観ながらアルパカの習性とかをひたすらメモしていました。
 
 その結果、やなせのYouTubeアカウントのおすすめ欄が「ハロプロ」と「お笑い」と「アルパカ」の動画ばかりになってしまいました。他二つと比肩するほどアルパカが好きなわけでもないのに…。

 また、1サビの「触って 埋もれて Go to bed!」はサビだけできた時に唯一僕が書いた部分なのですが、やなせがその先のサビの歌詞を書くに当たって『「触って 埋もれて Go to bed!」に並ぶ歌詞を数個ださないといけない…』ということにかなりプレッシャーを感じたと語っていました。

 そんなことはつゆ知らず、今日まで僕は思いつきで発言してきたわけですが。

 やなせは『「毛刈って あつらえ SuperFine !!!!」とか「走って 屈んで No more Cry!!!!」で一矢報いた感あるわ』とも語っていました。

 「Super Fine」はアルパカの毛の品質等級の一つらしいです!折角なんで覚えておいてください!

アル・パカーノ博士について
 
 この広告画像について特筆すべきことといえば、やはりアル・パカーノ博士の存在でしょうか…。
 アル・パカーノ博士はさかなクン的な、架空の学者兼タレントです。

 この写真素材は、私が自宅で自撮りで撮影したんですが…

 
 
この数日前に、当時勤めてた職場に退職願を出したばかりだったので、「こんなことばかりするために仕事辞めるんだよな…」と考えさせられました。

 この写真素材などの撮影秘話は後日公開する予定の新コーナーで書こうかな〜。


からくりナイスキャッチ!でアル・パカーノ博士登場
 キシリ徹のラジオ「からくりナイスキャッチ!」第10回には、アルパカ毛むくじゃランドから、飼育員の桜庭郷里さんがゲストとして登場します。

 施設の紹介の他、「美しすぎるアルパカ」として話題になった『タバスコちゃん』についても沢山語っていただきました。

 途中、アルパカ毛むくじゃランドで行われているアル・パカーノ博士のトークイベントに中継を繋ぎ、会場の盛り上がりをお伝えいたしました。

 イベントに集まった子供たちはクイズなどで楽しんだ後、アル・パカーノ博士と一緒に「アルパカ体操第六 第3幕 序章」を歌って踊って大盛り上がりでした!

また、やなせが収録中に失踪して大変だったけど、楽しかったな〜!


グッズ展開
 やたらと我々はアル・パカーノ博士を推しているので、アル・パカーノ博士単体のグッズがあります!



 まずはこのチャリティ感溢れ出るTシャツです。実際僕は、「誰が買うねん!?」って思ってましたが、先日のマニアフェスタvol.4で一名にお買い上げいただきました。

 僕の目の前で、「この変な顔のやつはなんですか…?」と質問されたので、やなせが爆笑していました。変な顔のやつご購入頂きありがとうございました!

 もう一つはポストカードです。



 デザインはTシャツと同じですが、裏にはアル・パカーノ博士のありがたい格言が10個書かれています。

このアル・パカーノ博士格言も入ったポストカード+ステッカーセットをマルシェルに出品しました!

是非購入して確かめてみてください!

以上です!
また来週もお楽しみに〜!