キシリ徹の!おんぼろファクトリー操業記

キシリ徹の
架空CMソングの作詞・作曲・制作の経緯、小さなハプニングやイカしたグッズ
についての裏話を書きます!

<実在CMソング研究>『めちゃコミック』のCMソングがすごい(第1回)

2020-06-29 17:00:24 | 実在CMソング研究
 こんばんは。架空のCMソングを作るユニット・キシリ徹のやなせ京ノ介です。

我々は、(実在の)CMソング好きが昂じて架空のCMソングを作るようになり、今もなお実在のCMソングに感動することが多くあります。
なにせいきなり架空のCMソングに感動して架空を作るやつはいません。自分たちの曲でも「このCM曲はなぜいいのか?」を考え感じて、架空を作っていることが多いです。

 このコーナーでは、”CMソング作家の赤ちゃん”であるやなせが、好きな実在のCMソングについて、感動した点を主観的に分析しながらお伝えします。

〜〜〜

「なんか楽しそう!」が伝わる”めちゃコミック”のCM

 今回取り上げるのは、現在放映中『めちゃコミック』のCMソングについてです。

まずは公式ChのCM動画をどうぞ。

曲は、

D | Em | A | G D |
A | G D |
Em | A | D |

という三和音主体のコード進行に、アコギ・ベース・ドラムのシンプルなアンサンブル。
そこにやや打ち込みっぽい口笛の音、CM内で三輪車を漕ぐ犬のベルの音も相まって、全体的に軽妙で弾む感じのスッキリまとまった印象のオケです。

 特筆すべきは歌詞です。
『め(っ)ちゃコミックうひょひょひょひょ~ め(っ)ちゃコミックうひゃひゃひゃひゃ~』という「サービス名+笑い転げる擬音」のみで構成されており、あとは語り的にその時々のキャンペーン内容が2小節程度入る、というもの。

 「漫画を読んで、その間だけは何もかも忘れて楽しめる・お気楽さ」が、
(たったこれだけで)曲と毅然一体となり伝わるところがCMソングとして非常に素晴らしいと感じます。

〜〜〜

優れたポップスは映画を孕んでいる

 (誰が言っていたかは失念しましたが)20歳ぐらいの頃「優れたポップス・歌謡曲は4分の中に映画を作る」という言葉を聞いたことがあります。

 実際に世間で名曲とされているものは、情景描写が非常に豊かかつ的確であり、聞き手の記憶の中にある類似した情景を自然と思い起こさせ、込められた感情を追体験できるものが多いと思います。

 シンガーソングライター・豊島たづみさんの『もう海へなんか行かない』という曲があります。
豊島さんは自らの作詞曲もありますが、この曲については、
作詞:松本隆・作曲:筒美京平のゴールデンコンビによるものです。
代表的な作品では『木綿のハンカチーフ』/太田裕美、『セクシャルバイオレットNo.1』/桑名正博など超多数。

(↑オリジナルバージョンがなかったので、原曲の再現度が高い、ピンクレディーの未唯さんのバージョンを引用します)

語りすぎないながらも、季節を共にした男女の別れ・2人共通の海の思い出を匂わせる歌詞。
重厚なリズムに、軽妙ながらどこか影のあるギターのカッティングが切なく淡々とした時の流れを感じさせる。
この曲は間違いなく4分の中に映画を作ってしまった名曲です。

22歳のとき、6枚組の筒美京平作品集の中に収録されたこの曲を聞き、前述の映画のたとえが真に腑に落ちました。
他に収録されている、誰もが知っているもっと有名な名曲にも感動しましたが、6枚組の中でも、特にこの曲の持つ風景に食らってしまいました。

〜〜〜

 CMソングの話に戻ります。
媒体にもよりますが、CMソングやジングルが放送される尺は主に5秒~1分程度であることが多いです。
その尺の中に映画を作ってしまったCMソングの名曲も実はあります。(小林亜星『パッと!さいでりあ』、伊藤アキラ作詞『ホテル三日月』など)

 しかしながら、大多数のCMソングにまず求められる役割は、そういったストーリー性・重厚感以上に、”短い尺でサービスの内容や利点・その商品や企業やサービスの持つイメージを伝えること”だと思います。

 めちゃコミックの場合は「漫画の楽しさ(漫画を読んでるときは他のことを忘れられる)」のイメージを伝えることが主題であり、
それを「サービス名+うひょひょひょひょ~!」という歌詞と軽快な曲だけで伝えられているめちゃコミックのCMは、
ある意味「4分の中に映画を作ってしまう」ことにも似た情報の凝縮性を持っていると思います。

 インタビューの機会で「CMソングの魅力は?」と聞かれたとき、いつも「ポップセンスの凝縮性」という要素を上げています。

 短い尺の中で、
普通のポップスにはない凝縮された・語りすぎないポップセンスの表現ができる、それもCMソングを作る楽しさであり、CMソング自体の魅力だと感じています。

〜〜〜

 最後にキシリ徹の架空CMソングの中で、ポップセンスの凝縮性を特に意識した曲を紹介します。

『巡る出会い 廻るお寿司 ロマン寿司チェーン』

15秒の尺の中で、企業名に名前負けしないスケールの大きさ・大陸感を意識しながら、
ややひねったコード進行で、浮遊感と、自分のお気に入りの寿司ネタと運命的な出会いを果たした時の幸福感まで演出しています。
そういった点を感じながらぜひ聞いてみてください!(今後リマスターで音質改善予定!!!)


<終>

<架空CMソング制作秘話>「一日の必要量?余裕余裕 野菜上等」ができるまで(第10回)

2020-06-26 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


キシリ徹のタニケンです!!!!!!!!!


今回でこのブログも10回となりました!!!!!!!!!!妥当ですね!!!!!!!!!!!!!!


第10回は「一日の必要量余裕余裕 野菜上等」です!!!!!!!!!!!!!!!!



先月公開されたばかりで、比較的新しい楽曲です!!!!


これもめちゃくちゃいい楽曲ですね〜!!!!!!

【着想】
 この楽曲は、2019年10月頃に「マニアフェスタ×東急ハンズ」の出展に向けて新曲を用意しようと言うことで作りました。

 やなせと打ち合わせをする前に例の如く「企業名、商品名考えといて」といった旨で野菜ジュースふりかけ洗剤歯ブラシプロ野球チップス的なスナック…などといった候補がいくつか送られてきました。

 一生懸命考えたけど「ファイバーオン ふりかけタイプ」とか「プロ職人チップス」とかはボツになっちゃいました…。

 まあ実際、ボツになったと言うよりは「一日の必要量?余裕余裕 野菜上等」がダントツで出来が良かったので、その時は他の案をあまり掘り下げなかったように思います。なので「プロ職人チップス」もそのうち作曲するかも知れませんね。


 「一日の必要量?余裕余裕 野菜上等」については、商品名、コピーともにかなり気に入っています。


 既存の商品では「野菜〇〇」みたいな名前が真っ先に思い浮かぶし、野菜ジュースだと認識しやすいのでそのフォーマットを借りることにしました。


 また、野菜ジュースやジューサーの広告では、「しばしば「野菜の一日の必要量ってこんなに多いんです!!!!」って到底一日で食べきれない量の野菜を見せつけてくるものが結構多いですよね。


 そういうのを見ると「いちいちうるせぇな…。男の一人暮らしでその量食うわけねえだろ。肉と米たらふく食わせろよ!!!」と思うことがしばしばありました。

 なのでそういった謳い文句に対してなにかしら言い返してやりたい、そんな気持ちで考えた結果、「一日の必要量?余裕余裕 野菜上等」が出てきました。


 「一日の必要量なんて食えるわけない…」というコンプレックスから解き放たれ、自信に満ち溢れた自分に生まれ変わって「余裕余裕。」「野菜?上等だぁ!
やってやんよ!!」
と見事に言い返すことができるようにまでなった…、そんなドラマを想起させる素敵なコピーと商品名ですね。


【楽曲解説】
 この曲を作るにあたって、やなせと曲の方向性を話し合った結果、「鈴木雅之っぽい感じで」というのがざっくり決まりました。


 また、「鈴木雅之っぽいっといえば…」といって、1999年頃のチョコラBBのCMに使われているキスしてキスして』という楽曲を参考にすることとしました。



 この楽曲、実はトミーズ雅が歌っており、かつて私たちはその事実を知って驚きました。
調べてみると、鈴木雅之の楽曲を手掛けている中崎英也氏によってプロデュースされているので、まさしく「鈴木雅之っぽい」良曲なのです。


 方向性だけ決まった翌日、私が仕事中に唐突に思いついた歌詞とメロディに、やなせが細かな修正とコードを加えて野菜上等は完成しました。


 私は鈴木雅之の楽曲に対し「〇〇したら、すぐ綺麗に見えたり素敵になっちゃいがち」というイメージをなんとなく持っていたので、
「飲み干して」「生まれ変わって」「もっと素敵に」という、すぐ生まれ変わってすぐ素敵になっちゃう歌詞を書きました。もしかして割と的を得ているのでは?と改めて思います。

 アレンジについても、『キスしてキスして』を主な参考にしており、シンセっぽい音色のブラスや、パーカッションを加えています。


 また、シンセのフレーズに関してはトミーズ雅のアルバム『MASA1』に収録されている「わかってない」という楽曲などを参考にしています。



 『キスしてキスして』や『わかってない』が収録されたこのアルバム、他にも良曲がたくさんあり、ジャパニーズソウルの名盤と言っても過言ではありません。惜しむらくは「MASA2」は存在しないということでしょうか。

そもそもMASA1という安全地帯やQueenばりのナンバリングタイトルに驚いたし、最初から『MASA2』を作るつもりで、MASA1としたのだろうか…など謎と興味は深まるばかりです。
しかし、今となっては雅さん自体、このアルバムの存在を忘れつつあるのではないでしょうか。


 歌い方に関しては、当初やなせは、全編鈴木雅之っぽい歌い方にしようと考えてみたのですが、
いざ歌ってみるとクセが強すぎて曲全体のまとまりが損じてしまったため、冒頭の「忘れず〜に〜」の部分だけに留めました。多重録音で鈴木雅之っぽい歌い方をしたら圧が強すぎますね。


 最後のセリフ部分は一応「キムタクと永ちゃんの間」という塩梅で挑みました。うまくできているかはなんとも言えないところですね。
 
 楽曲全体としては、まっすぐに情熱的なラテンという感じに仕上がったと思います。


 曲の長さも30秒程度でうまくまとまっており、我々としても非常に気に入っています。

 イベントなどでたくさんリクエストしてくれると嬉しいですね。


 「その他 裏話」
 
 デザインについて
 この広告のデザインについては、ウィダーインゼリーの広告っぽい感じをイメージして作りました。


 写っているのは私です。この写真は自宅で撮影しました。


 キムタクとかをイメージして撮影したのですが、私には荷が重すぎましたね…。

 小顔に見せるためとは言え口元を隠すしか手立てがなかったのが悔しいところです。

 というか、人物の画が欲しい時、私の写真を使わざるを得ないのどうにかならないか…。
 モデル、もとい歩くフリー素材になってくれる方を私以外にも募集中です!!!気軽にご連絡ください。

 今回は以上です!!!!!!!!
 


 またねっ!!!!!!!!!! 

〈架空CMソング制作秘話〉 「10代の昂りを取り戻せ ギコチナEX」ができるまで (第9回)

2020-06-12 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
 こんにちは〜。

 キシリ徹のタニケンです。

 制作秘話第9回は、「10代の昂りを取り戻せ ギコチナEX」です!!!



 【着想】
 この曲は初期から中期にかけて、順番でいうと10〜20曲目くらいに作った曲だったと思います。

 いつものごとく、やなせから「精力剤の商品名ちょうだい」とLINEでメッセージが送られてきました。

 ギルティセーフの制作秘話でも書きましたが、商品名を考えるのは企業名を考えるよりかなり難しいんです。

 商品の性能や効能などを想起させることができて且つインパクトのある名前を付けなければいけないし、かといってひねりのない直接的な単語をもじったりしても面白みに欠けてしまいます。

 架空とはいえ機能性のある名前を付けたいと思う反面、架空だからこそ多少ツッコミどころがあるような名前を付けたいというジレンマにいつも頭を悩ませています。
 
 「なんでこんな存在しない商品のことで頭使わなきゃいけないんだろう…?」と思って投げ出したくなることもしばしばです。

 ただ、ギコチナEXに関しては、やなせからのメッセージをもらった瞬間から連鎖的にひらめきが生じ、あっという間にゴールにたどり着いたので、一切苦労しませんでした。ほんとにひらめきって大事ですね〜。
 
 最初に、精力剤は「精力に衰えを感じた中年が、若い頃の精力や活力を取り戻すもの」という定義づけをして、「若い頃の精力」を想起させられる商品名がいいと考えました。

 そこで「『若い頃の精力』とは具体的にどんなものか?」という疑問が浮かびました。

 ここからは少し下品な話になりますが、若い頃というのはすなわち10代あるいは童貞であった頃であり、些細なことで空想を膨らませ、下腹部も膨らませちゃうような次第です。

 彼が初めて褥(しとね)に臨んだ時の、その気持ちの昂りこそが我々の取り戻したいものではなかっただろうか…?

 そう考えた時、私の心はすでに時を遡り、あの日の夜へと旅立っていた…。






 灯りの消えたワンルーム。

 会話はどこか上滑りし、自ら呟いた言葉でさえも異国語のような響きを帯びている。

 この時に限っては視界の外の世界は欠落している。冷蔵庫の稼働音だけが現実だった。


 「私が探しているものは、間違いなくこの夜にあるはずだ…。」幽霊のようにさまよう私の意識は、そんな確信をパスポートとして、無粋なタイムトラベルを続ける。


 この夜に至る確かな予感はあった。イメージトレーニングに余念のない数日を過ごしてきた。

 しかし、いざこの時におよんで、自身の描いたビジョンの脆弱さを自覚していた。
 
 自分自身に落胆する暇も、台本を書き直す余裕もなく、夜は更けていく。

 血液が全身を、汽車のようにけたたましく駆けるのが聴こえる。

 蒸気が産む動力と、対する理性の応力で、身体は音のない軋みをあげる。

 ぎこちない指先、ぎこちない唇…。

 そう、ぎこちない…。


 「ギコチナイー…。」












 無意識の呟きで現実に引き戻された時、私はまだ、やなせのメッセージが表示されたスマホの画面を見据えたままであった。

 時間にすれば数秒ではあるが、ずっと探していたものを見つけたような気がした。

 すぐに伝えなければならない。探し続けていた、失くしていたものと相見えることができた感動に震えながら、スマホを操作した。


 〜指先で送る君へのメッセージ。


 「10代の昂りを取り戻せ ギコチナEX」


 これが、探し続けていた、私なりの「DOU .T .EY .」だった。


【楽曲解説】
 この曲については、スタジオで二人で相談しながら作りました。

 やなせが「なんとなく海賊っぽい感じの曲にしたい」と言ったので、海賊っぽいリズムパターンから作っていきました。

 イントロとAメロの雄々しい感じのリズムパターンは、大海原を見据えながら航海を予感させるようなイメージBメロのシャッフルは航海中の冒険といったイメージで叩いています。

 歌メロを作るにあたり、先に歌詞を書こうということになりましたが、やなせも私も歌詞については「Aメロで精の衰えを自覚し、Bメロで冒険や修行を通して精を復活させていく」というイメージで一致していました。

 Bメロは、私が思いつきで

「マムシの生き血をすすり」
「クリオネを踊り食い」
「イタリアの生娘に思いを馳せ」
「バベルの塔よ、さあ、行かん。」

と発言し、すぐに決定しました。

 Bメロについては全体のコード進行についても気に入っていますが、「さあ行かん」あとのBm9のバッキングがイントロ・Aメロと同じパターンなのが航海の厳しさを想像させるような荒々しさでとても良いですね。


〜制限時間内に作ろう!!〜

 Bメロができたところでスタジオの利用時間が残り30分程度だったため、Aメロは持ち帰って考えることにして、時間内で曲の終わり方を決めてしまうことにしました。

 最後の「ギコチナEX!!!」の部分は決まっていたのですが、Bメロからの繋げ方が決まらずかなり苦戦しました。

 残り時間わずかとなり諦めてかけていましたが、私がなんとなく「ギコチナミン配合〜」と呟いたところ、一瞬の後、二人とも示し合わせたように「ギコチナEX!!!!!」と叫びました。
 
そのあと「できた!!!!!」「100点じゃん!!!!」と二人で大はしゃぎしながら帰りました。あの感動は今でも忘れられないですね〜。

 Aメロは次にスタジオ入るまでにやなせが歌詞を書いてきましたが、アルパカ毛むくじゃランドの時と同様に「タニケンのBメロの歌詞に見劣りしない歌詞書くのめちゃくちゃプレッシャーだったわ…」と語っていました。

 私の思いつきをそこまで重宝する人間はやなせくらいなものだなとつくづく思います。

 作曲過程の話ばかりになってしまいましたが、この曲についてはリファレンスと言える曲があまりありません。

 強いていうならと前置きしてやなせは、「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」のサントラをよく聴いていたから、Aメロなどは表の地上のテーマに近いところがあると語っていました。

 実際この楽曲も若干ファンタジー要素があるのでマッチしているかもしれませんね。

 このブログを書くにあたって毎回やなせとリファレンスを洗い出していますが、ゼルダとかドンキーコングとかゴエモンとか、レトロゲームのBGMから受けた影響の多さに気づかされます。



【その他 裏話】
 デザインについて

 
 この広告は、やなせが実際の新聞広告を参考にしながら作りました。ところどころ破茶滅茶なことが書いていますが、なかなかリアルな広告っぽく出来ていますね!

 返品ポリシーに「角度が20度未満であること」って書いてあるけど、どこの角度のことなんだろう…。

 そのほかコピーや、配合成分などの大部分は私がアイデアを出しました。「三大欲求を2つしか思い出せない方」とか今思うとイカれてるな…。

 配合成分については、ひたすらエロにまつわる単語を挙げた上で、高校〜大学で専攻していた化学の知識を無駄に使ってダジャレを考えました。
 
 「フルボキシオチン」と「ソコナシン」は我ながらよくできているな〜。「フルボキシル基」は実際にありますし、ソコナシンはきっとアミノ酸かなんかだろうな〜。

 からくりナイスキャッチ!で明かされるギコチナEX誕生の秘密
 からくりナイスキャッチ!第4回株式会社現代秘薬の広報担当 片桐真澄さんがゲストとしてお越しくださいました。



 現代秘薬およびギコチナEXについて、当番組では以下のように紹介されています。
  
「当初は不老不死の薬を開発する会社として設立。1940年、洞窟探検を行っている最中に、偶然にもギコチナミンを発見。そこから生み出された精力剤『ギコチナEX』は、今では世界中で年間8億本を売り上げる社の看板商品となりました。」

 なんだかオカルトな雰囲気が漂う会社ですね…。株式会社なのかよ。


 不老不死の研究をしていた組織が平然と精力剤を販売したり新聞広告出してるの不思議ですね。


 冒険中の極限状態で発見されたギコチナミン。その精製方法は想像を絶するものでした…。やなせが少し引いているのが印象的な放送回です。

 しかし、やはり年間8億本売れているギコチナEX。その効果は精力増強にとどまらず多岐に渡ります。真偽は疑わしいですが…。


 この回は全編にわたって生々しく、胡散臭いのでなんとも言えないですね。信じるか信じないかはあなた次第といったところでしょうか。


 この回も私は途中で退席していますが、現代秘薬に興味をお持ちの方、三大欲求が2つしか思い出せない方は是非聴いてみてください〜。


 今回は以上です〜。
 
 また見てくれよな!!!!!!!


〈架空CMソング制作秘話〉 「日徳酒造 グレープフルーツバーボン」ができるまで (第8回)

2020-06-05 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!!!!!!!
キシリ徹のあのタニケンです!!!!!!!!!!!

制作秘話第8回は、「日徳酒造 グレープフルーツバーボン」です!!!!!!!!!


かなり初期の楽曲ですが、全楽曲の中でも屈指のシャレオツソングです!!

【着想】

 この曲の着想については、そもそも我々がCMに興味を持ち始めたきっかけと深く関わりがあります。
 
 キシリ徹結成前、2010年ごろ、やなせは、サントリーなどの広告のアートディレクターを務めていた葛西薫さんの作品展示会を観にいきました。
 
 広告デザインのほか、舞台や映画、装丁のグラフィックデザインなど、幅広い活動の作品が展示されていました。

 その展示会がきっかけで、サントリーのCM、ひいてはCMそのものに興味を持つようになりました。

 なので、サントリーのCMは、我々のルーツとして重要なものの一つとなっています。


 サントリーのCMと一口に言っても色々ありますが、まず我々が特筆して語りたいものは、サントリーオールドウイスキーのCMです。

 サントリーオールドのCMでは、このブログではもはやお馴染みの小林亜星さんが作曲した「夜が来る」という楽曲が使用されています。

 イントロと8小節の主旋律の繰り返し、見事なまでに郷愁を誘いますね〜。

 複数のバージョンがありますが、付随するコピーやナレーションも素敵なものが多いですね(後年のものは狙いすぎててあまり好みではないですが)。

 オールドの他には、サントリーホワイトのCMでは、ハービー・ハンコックなどがジャズミュージシャンが多数登場しており、音楽はもちろんのこと、映像も粋で且つお洒落で非常に魅力的です。

 また、サントリーローヤル ガウディ編では、スペインの建築家アントニ・ガウディが手掛けたバルセロナの建築作品を舞台にした幻想的な映像が目を引きます。

 紹介した他にも、音楽映像ともに芸術性に富んでいて、魅入ってしまうCMがたくさんあります。

 当時のやなせは、しばしばこれらのCM群を観ながらウイスキーとチョコレートを嗜んでいたそうです。
 
 そういった経緯から、キシリ徹で楽曲を制作し始めた当初から、サントリーのような酒類のCMソングを作りたいと言う想いは念頭にありました。

 日徳酒造グレープフルーツバーボンについては、やなせがほぼ全て作曲を完成させた状態で持ち込んできました。

 やなせの持ち込みなので、商品名等に私のアイデアは含まれていません(現在となってはかなり珍しい)。

 改めてやなせに着想の経緯について尋ねたら「柑橘が好きだから」程度の答えのみでした。

 まぁグレープフルーツバーボンって本当にあったら美味しそうですよね〜!!!

【楽曲解説】
 コード感、歌詞ともに、どこか懐かしさを感じさせながらも爽やかな仕上がりになっているかなと思います。
 
 この曲は、私もかなり気に入っています。シンプルにいい曲だよな〜!!

 曲中盤の「昨日よりも綺麗に見えた」のところのドラムのタメ感のあるフレーズがいいですね〜。曲の盛り上がりを小気味よく演出できているなと思います。

 ドラムに関していえば、スネアドラムのスナッピーを外して叩いています。曲全体を通してもそうですが、タメの後のスネアのストロークが軽快に跳ねる感じが出ていて曲の雰囲気にマッチしているかと思います。

 この曲の歌い方に関しては、やなせは曽我部恵一を意識して歌っているそう。

 レコーディングの際、立って歌うと曽我部感があまり出なかったので、いろいろ試した結果、膝立ちの状態で歌ったらしいです。

 「おっ、膝立ちだと曽我部感でるな」って気付いた瞬間があったんだなと思うとなんか不思議な気がします。

 アレンジに関していえば、ビブラフォンは必須だと考えたため、ライオネルハンプトンを聴き込んで、フレーズのアイデアを練った上で打ち込んだとのことです。

 実際、シンプルなアレンジに、ビブラフォンのフレーズが彩りをあたえていますね。

 そこに着目して聴き直してみると一層素敵に聴こえるかもしれません。

 ただ、この曲の音源に関しては、聴くたびにやなせがミックスがうまくできていないと口にするので、いずれ音源を発売をする際にはミックスし直して、より良い状態で皆さんに聴いてもらいたいですね〜。




 【その他 裏話】
 デザイン、コピーについて
 
 この広告は友人のマロニーに依頼してデザインをしてもらいました!

 背景の曇り空に、グレープフルーツが花開いている感じで素敵ですね。
 
 コピーと右下のデザインも相まって懐かしさを感じさせる柔らかな印象がありますね。

 ちなみにこのコピーや、上部の文章もやなせが考えたものです(現在となってはかなり珍しい 2回目)。
 
 サントリーウイスキーの広告の影響もあるかと思います。

 なかなか素敵なコピーですね!キシリ徹のコピーライター担当として負けていられないな〜。

 日徳酒造代表 増田さん直伝!グレープフルーツバーボンの美味しい飲み方
 からくりナイスキャッチ!第9回には、日徳酒造代表 増田忍さんがゲストとしてお越しくださいました。


 放送内では、日徳酒造とグレープフルーツバーボンについては下記のように紹介されています。

『幕末の時代に増田恥骨が故郷の渓谷にて酒造業を開始。
大正時代になり、二代目の増田紅蓮がバーボンの製造に着手。樹齢千年の一本の大木から削り上げた樽を、大事に大事に守り続け、その後、2代、3代に渡り改良を重ねていきました。
現在の代表である五代目 増田忍さんがグレープフルーツの風味を加えたグレープフルーツバーボンを開発し、これが幅広い年代に大ヒット。バーや居酒屋の定番のお酒の地位を獲得しました。』

 増田さんは、この番組のゲストの中では比較的謙虚でまともな人だな〜と思ってけど、やっぱりちょっとアレな人でしたね…。

 グレープフルーツバーボンを美味しくするための熟成方法の秘訣を教えていただいたんですが、これがかなり奇抜な方法でめちゃくちゃ驚きましたね…。

 また、ご家庭でグレープフルーツバーボンをより美味しく楽しむための秘訣を増田さん自ら語っていただきました。

 「常温にしておく」とかはいいんですけど、他の準備の工程があまりにも複雑すぎるんですよね…。未だに私も実践できていません。

 この回は、私が収録途中で退室してしまったので、進行がやなせ一人なんですけど、私としても一番気に入っている回なので、グレープフルーツバーボン片手にぜひ聴いてみてください!!!!!!!!



 今回は以上です!!!!!!!!!!!!!!!!!
 さようなら!!!!!!!!!!!!
 次回もよろしくね〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 またね!!!!!!!!!!!!!!!!!!