ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―
表現の可能性を模索しつつ美術家貴志理の日々のイメージ絵日記。柔らかな調和の取れた色調と奥深く記憶された感性との対話。
古人刻苦光明必盛大也
自責曰。古人刻苦。光明必盛大也。我又何人。生無益于時。死不知于人。於理有何益。即引錐自刺其股。
己が身を厳しく律し、労苦を惜しまず努力し 勇気の槌で打ちくだけ 労苦から生み出された徳の光は、必ず
盛大であったという
山花開似錦 澗水湛如藍
『碧巌録』八十二則「大龍堅固法身」に「舉。僧問大龍。色身敗壞。如何是堅固法身。龍云。山花開似錦。澗水湛如藍。」(舉す、僧、大龍に問う、色身敗壊す。如何なるか是れ堅固法身。龍云く、山花開いて錦に似たり、澗水湛えて藍の如し。)とある。色身(しきしん);肉体。敗壊(はいかい);そこなわれくずれること。法身(ほっしん);法身・報身(ほうじん)・応身(おうじん)の三身(さんじん)の一つで、真理そのものとしての仏の本体、色も形もない真実そのものの体をいう。澗水(かんすい);谷川の水。僧が、肉体が滅んだ後には永遠不滅の真理はどうなってしまうのか、と大龍に問うた。大龍は、山に花が咲いて錦のようだ、谷川の水は藍のようだ、と答えたとのこと。
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