奇乃堂

誰がそこに柑橘の皮

 ある日の朝、ベランダの植木鉢に水をやった。
 一応、ベランダに異変がないか、目視だけはしようとして、ちらりと、先を見た。
 何もない、と一旦目を戻したけど、「みかん色の何か」を見た気がしたのだ。
 そんなものベランダにないのだ!
 風が強くて飛んできた?
 いやいや、昨晩は……。
 でも、風向きが違うだけで実は……思いつつも、見ないと後々困るので恐る恐る見た。

 てってれてー、ミカンの皮~。

 ……。
 ……はい?

 上を見て下を見て、左右を見た。
 ええ、あ、うん。
 ミカンの皮だった。

 どこから来たのか、ミカンの皮だった。
 動物や鳥が中身を食べたというより、人間が食べて、捨てて、干からびたのを、鳥が運んだ結果、落としたとは推測した。

 何が付着しているかわからないし、ビニールでとる。
 思いのほか、干からびていた。
 いや、本当、パリッパリ。
 ここまで干からびるって……。

 あれか、ミカンの皮を干からびさせて、漢方とか風呂に入れるとか利用しようとしていた人間がいた。その人間は外に出した。太陽の下干されるミカンの皮。どちらかというと温州ミカン系ではない、ザ・柑橘系というような雰囲気。
 いや、種類はともかく、干からびていた。

 なぜ鳥は運んだか?
 誰が落としたか?
 また落ちていたらと恐る恐るその場を見ることになるのだった。
 なお、今のところ、その事件一回。

今後ともよろしくでございます。

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