外に置いてあった植木鉢だ、アリ以外の生き物も入っている可能性は否定できない。
植木鉢廃棄の際に、推定カメムシの幼虫が何匹も発見されているしね。
袋でゆるく縛られた中にある菊の植木鉢。
二酸化炭素充満もありうるし、湿り気でなんか嫌なものがたまるのも嫌だし、日中、アリ観察できる間は袋の口を開けておくことにした。
黒い中、歩くアリはあまり見えず。
外だと見えるのは太陽の光があるからなんだと思った。
別件で、仕事で見る紙も、汚れなどは太陽光の元だとよく分かるもんね。
雲っていると本当、見えないもん。
何かいる……そう、トビムシはいそう……アリいるし……何となく。トビムシの生態は知らないけど。
袋を開けて、葉についた土を落としたり、静電気でくっついたらしいアリのご遺体を回収したり観察。
ふと、気づいた。
一センチにも満たない茎のような、葉っぱの欠片のようなものが、ピロピロ動いているんだ。菊の葉にくっついて。
不自然極まりないんだよ、風がないのに。
私が揺らしたから動いているかも、ってことで、しばらく観察していたけど、ピロピロ動いている。
……風に揺れる枝の気持ちを演出している、何かの生き物かもしれない……と、セロテープをちぎってくっつける。
畳んでプチッ。
植物らしからぬ色合い液体が出た。
虫だったらしい。
動いていたのは、風に揺られる葉の欠片だよ、ってことだったのかな。
植木鉢の土、やはり何かいる……アリ以外。