無口な少女

邑久高を破った津山東。
その津山東を破った岡山朝日。
その岡山朝日が玉野光南と戦っている。

岡山朝日｜０００｜０００｜０００｜０
玉野光南｜１００｜００１｜０１×｜３

玉野光南に次を託そう。
我々はすでにエールを送って襷をつないでいるから、そうするしかないよな。
次は倉商。
どんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。


題名にした話に出会ったのは帰りの車内だった。

ある職場でその少女は働くことになる。
その職場はお洒落な服を売っているため、お客様との会話は欠かせない。
しかし、ほとんど自分から喋ることは無く、接客業のマニュアルからは大きく逸脱していた。
だから、上司も見かねて声を掛け続けていたらしい。

でも、注意してもその少女の接客は、一向に変わるわけではなく、次第にお客様からも、「あの子しゃべらへんし、愛想わるいなあ」という評判が立ち始めていた。

その少女は、お客様には美人という認識をされていて、それが故に「高飛車」であるという根拠の無い偏見の目を向けられていたらしい。


ある日、そのお店に一本の電話が掛かってくる。

その少女の祖母らしい。電話に出た彼女は、静かに話し始めた。

「おばあちゃん、げんきかあ」
「（祖母の言葉）」
「そっか、心配すっぺなあ」
「（祖母の言葉）」
「いやあ、おっかなくってよ・・・、こっちじゃしゃべれねえべ」
「（祖母の言葉）」
「まだ、帰るからよ。心配すんな」

結果的には話が嫌いなわけではなく、孤立無援の自分の出身地の言葉にためらいを感じていただけなのだ。

どちらが正しいのかを判断せよといわれても、僕にはわからない。
紛れも無い偏見がそこには存在したわけだから。


決め付けられるとやっぱりつらい。
心を閉ざす気持ちは本当にわかる。

お互いの配慮があれば、ひょっとしたら信頼し合えていたのかもしれないな。

その後、この少女は、祖母の面倒を看るために故郷に帰っていった。

たまらなくもやもやして、心を揺すぶられた話だった。

良ろしければクリックをお願いします。