「夢のオリエント急行 ロンドン・ヴェネチアの旅」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」
2022-03-20 06:10:24
箱根に「ルネ・ラリック美術館」があります。その美術館にはオリエント急行の車両が1両展示されていて、その中がカフェになっています。そしてその中に入りますと「ルネ・ラリック」のガラス芸術品がベル・エポック・アールヌーヴォーを感じさせ、一瞬でオリエント急行とルネラリックの虜になってしまいます。
「オリエント急行の歴史を知る」
ヨーロッパのベルギーで1872年ワゴン・リ社が設立されました。このワゴン・リ社が製造した豪華寝台車によるオリエント急行第一号は1883年、10月4日パリの東駅を出発します。誰もが車内の内装の豪華さ、煌びやかな美しさに驚いたといいます。
1900年代に入り、第一次世界大戦後、豪華列車は黄金期を迎えます。アガサ・クリスティの「オリエント急行の殺人」が出版された1934年はまさに全盛期の頃です。しかし、第二次大戦後、飛行機の普及で利用客が減り、1977年、惜しまれながら廃止に追い込まれました。
オリエント急行の復活にロマンを抱くベルモンドの創業者、アメリカ人のジェームズ・シャーウッド氏。1977年、モンテカルロで行われたワゴン・リ社の車両の競売会で35車両を購入し、32億円をかけてワゴン・リ寝台車、プルマン・カー、食堂車を復元させます。
1982年「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」としてロンドンからヴェネチアまでの運行を開始し、世界で一番豪華な列車オリエント急行は見事な復活を遂げたのです。
ロンドン・ヴィクトリア駅
「豪華列車オリエント急行の旅がスタート」
バッキンガム宮殿に近いロンドン・ヴィクトリア駅、ここが今回のオリエント急行の旅の出発地です。今回の旅は2つの豪華列車を楽しみます。
一つ目はロンドン・ヴィクトリア駅からフォークストンまではイギリスが誇る豪華列車ブリティッシュ・プルマンに乗ります。
ブリュージュ駅で二つ目の豪華列車、伝統のワゴン・リの寝台車であるオリエント急行に乗り換えてヴェネチアへ行くというルートです。
プルマン・カーもワゴン・リ・カーも1920〜30年の豪華列車の黄金期を支え、ベル・エポック、そしてアールヌーヴォーの芸術的な装飾が施されています。
口語短歌
「プルマンは 女王陛下も お気に入り 見事な装飾 貴婦人と呼ぶ」
しばらくすると、プラットホーム2番線に茶褐色とイエローベージュの別名「貴婦人」と呼ばれるブリティッシュ・プルマンが機関車に先導されて入線しました。
クラシックスタイルのユニフォームを身にまとったキャビン・スチュワードが入り口で手をそえながらにこやかに出迎えてくれます。もう、すでに淑女になった気分です。
「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」
口語短歌
「ワゴン・リは 威厳に満ちた プリマドンナ 青き車両に 虜になるも」
ブリュージュ駅で待っていたのは「青きプリマドンナ」ワゴン・リの寝台車両。 オリエント急行パート2の出発です。ブリュージュの駅には威厳に満ちた深いブルーのワゴン・リ寝台車がすでに乗客を待ち受けていました。その美しく気品に満ちた姿は鉄道ファンでなくとも一瞬で魅了されるはず。この車両が敬意を込めて「青きプリマドンナ」と呼ばれるのもうなずけます。
ドアがノックされ開けると、ふたりのスチュワードが「ウエルカム マダム!」と爽やかな笑顔でご挨拶。ウエルカムシャンパンを運んで来てくれました。そして、部屋のボタン操作、洗面台の使い方、窓の開け方、夕食・昼食は2部制でどちらにするかのリクエスト、朝食の時間などを細かく説明を受けて、パスポートを預けます。列車は静かにゆっくりと動きだしました。
「夢のような時間が流れるオリエント急行のディナータイム」
口語短歌
「お食事は ドレスアップの 楽しみで 芸術品は 絢爛豪華」
ダイニングはルネ・ラリックのガラス装飾が美しい豪華な食堂車でいただきます。ディナータイムには男性はダークスーツ、女性はカクテルドレスなどのドレスコードがあります。蝶ネクタイ姿、ロングドレスの紳士淑女もちらほら。食堂車はルネ・ラリックのガラスパネルが絢爛な「コート・ダジュール」、寄せ木細工が美しい「エトワール・ドゥ・ノール」、黒い漆塗りの装飾が印象的な「ロ・オリエンタル」の3つがあり、楽しみはラリックの芸術品を鑑賞しながらのお食事です。
「バー・カーでピアノの音色とカクテルを楽しんで」
着飾った乗客がほろ酔い気分で楽しむバー・カーはヨーロッパの社交場を体験するチャンスです。ミステリーの女王へのオマージュアガサ・クリスティのカクテル
おすすめカクテル3種。
中央/ギルティ12左/ブリティッシュコネクション、右奥/ブラック・シー・ブリーズ。
アガサ・クリスティの代表作「オリエント急行の殺人」の本とともに。
口語短歌
「車窓から 見える景色は 素晴らしく 自然の動く 絵に感動も」
霧も太陽が昇るとともに消えていき、スイスの美しい湖が見えてきます。遠くには雪を抱いたアルプスの山々も見えます。コンパートメントを出て通路側の大きな窓から見ることにします。抜けるような青い空、水、緑、そして雄大なアルプスの山々。風光明媚なパノラマルートがここからしばらく続きます。まるで額縁の役割を果たしているかのようなアンティークの木の窓枠からのぞむ景色は、どんな名画にも勝る美しさです。自然の動く絵画にただただ見とれるばかりです。
口語短歌
「懐かしの 思いを馳せて 走る列車 記念日に乗る 人生の夢」
オリエント急行は毎年4月から11月まで運行します。ベル・エポックの時代にタイムトリップしたかのような、約30時間に及ぶ豪華な列車の旅です。いつかまた、人生の記念日にもう一度この美しい列車に乗ってみたい。そんな気持ちを抱かせる古きよき時代のロマンを乗せて走るオリエント急行です。
参照
http://bi-premium.com/travel/1573/
「2021年軽井沢レイクガーデンに咲いた薔薇たち」
「ジ・オルブライトン・ランブラー」2021年10月7日撮影
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