■雑誌『VERY』(2013年6月号)で、漫画家・西原理恵子と作家・桐野夏生の対談からの引用。
西原:女が独りってことは砂漠を歩いてんだから、水筒持たずに歩くバカがどこにいる。
桐野:男は水筒かい。
西原:ユンケル。2本くらいは持っておきなさい。男の人ってさ、髪切った日に髪伸びた?
っていうじゃん。あんなやつらに私たちの浮気がばれるわけがないんだから。
桐野:鈍いのよねえ。
◆
ある50歳前後の独身女性宅に剪定に出向いた。敷地は40坪程。
玄関先や車庫には雑誌の束や、空き瓶・缶類が積み上がっていた。ユンケルの空き瓶があったかどうかは覚えていないが、まるで粗大ゴミ置き場。家の障子は全体の3分の2程が破れ果て、庭にいるだけで室内の様子がわかるほどだった。
住んでいるのは看護婦とのことで、マイカーで仕事に出かけ、帰宅したら玄関は通らず、車庫の裏手から家に入っているとか。
ある夏の日の午後。裏庭のカエデを剪定していた仲間が、何気なく室内に目をやったら、女性がこちらに足を向けて寝ていたという。不在と聞いていたのに……。泊まり明けなのか。女性の体にはタオルケットが一枚かかっていたという。