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前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
思わぬ居候~その2
〈譲二〉
譲二「さあ、こっちの椅子にでも座って」
明里はいつになく情緒不安定で、時々発作的に泣きながら、話もあっちこっちにとんでしまう。
俺と百花ちゃん、二人がかりで慰めながら、少しずつ理由を聞き出した。
明里は、俺の親友でもある夫の貴志と夫婦げんかをして出てきたらしい。
しかし、明里は実家から勘当されたも同然の身、急に飛び出しても行くところが無かったのだ。
俺は呆れ返って言った。
譲二「だからって、何も俺のところに来ることはないだろ?」
明里「だって、他に思いつかなかったんだもの。急に泊めてもらえそうな女友達なんかいないし…」
譲二「ホテルにでも泊まったら?」
冷たく言い放ったが、明里には通じない。
明里「飛び出してきたから、現金はそんなに持ってきてないのよ。それに当分帰らないつもりだから、そんなに長くホテルには泊まれないわ」
譲二「そんなに長くって…、俺のところにそんなに長くいるつもりなのか?」
明里「だめ?」
明里が甘えて上目遣いで見上げる。
いつものごとく丸め込まれそうになったが、百花ちゃんの顔が目に入り、俺は心を鬼にして言った。
譲二「ダメだよ」
明里「そんなぁ…。この店のソファーで寝てもいいから…お願い」
譲二「そんなこと言ってもね」
百花「あの…。もしよかったら…、私のベッドはあまり広くないけど…。明里さんとならなんとか二人で寝られるから」
譲二「そんなこと百花ちゃんにさせられないよ。…分かった、布団の予備はあるから、明里は百花ちゃんのベッドの横で寝てくれ」
明里「ありがとう。助かるわ」
明里は涙で汚れた顔を輝かせて微笑んだ。
まさか嘘泣きじゃないだろうな…。
それにしても…。
結局こうなったか…。
その3へつづく