『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
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譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
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彼女の秘密~その1
〈譲二〉
汐里ちゃんは、毎日何時間かはどこかへ出かけていた。
若い女の子だから、街ブラにでも出かけているのかなと思っていたが、どうも違うようだ。
本人に確かめた訳ではないが、何かを探しているようだ…。
多分誰かを…。
夕食後、2人でココアを飲んでくつろいでいる時に、思い切って聞いてみた。
譲二「ねえ、汐里ちゃん。毎日どこかへ出かけているけど…、どこに行っているか話してくれない?」
汐里「わあ、マスター、私がどこに行っているか興味があるんだ。もしかして、ヤキモチとか…」
譲二「なんでそうなるの? 冗談じゃなく、誰かを探しに出かけているんじゃないの?」
図星だったようで、汐里ちゃんは言いよどんだ。
汐里「…」
譲二「もしそうなら、俺でできることがあれば手伝うよ?」
汐里「マスター…。…マスターにはもう十分お世話になっているから…これ以上迷惑はかけられないよ…」
譲二「そんな遠慮するなんて、汐里ちゃんらしくないよ。
汐里ちゃんには店をたくさん手伝ってもらってて感謝してる。
本当はバイト代もちゃんと出さないといけないのに、お小遣い程度しかあげられてなくて申し訳ないと思ってる。
だから、せめて汐里ちゃんが困っていることがあるなら手伝いたいんだ…」
汐里「マスターありがとう。確かに私は人を探してた。…けど、その人はもう見つかったの。
ただ、会うことができそうにないというだけ…」
譲二「それは…、どういう人なのかな? 汐里ちゃんが構わなければ教えてもらえる?」
汐里ちゃんはしばらくうつむいて自分の手を見ていた。
そして、決心したように俺を真っ直ぐ見て話し始めた。
その2へつづく