『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
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譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
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マスターが好き~その5
〈譲二〉
夏祭りに久しぶりに出店を出した。
今年は汐里ちゃんもいることだし、なんとかなりそうなので出店してみたのだ。
ここで売り上げが上がれば、汐里ちゃんとのデートも少しリッチにできるかも。
出店では、フランクフルトとジュースやお茶のペットボトルを売っている。
氷水に浮かんだ飲み物はタオルで拭いて渡すが、手が氷のように冷たくなるし、フランクフルトは解凍しながら、お湯で温めては鉄板で焼いていくので、汗だくになってしまう。
最初はフランクフルトを俺が担当していたが、汗びっしょりになった俺をみて、汐里ちゃんが代わってくれた。
譲二「大丈夫?」
汐里「マスターだけに暑い思いをさせられないよ」
汐里ちゃんは軍手を穿いた手でフランクフルトの串を器用に回し、焦げ過ぎないように美味しそうな焦げ目をつけていく。
俺がそれを褒めると嬉しそうにはにかんだ。
譲二「水筒に冷たい麦茶を用意してるから、こまめに飲んでね。熱中症になるといけないから…」
汐里「ありがとう」
本当に素直でいい子だ。
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リュウとタケとりっちゃんが早速店に来てくれた。
竜蔵「やあ、ジョージ、祭りの出店をだすのは久しぶりだな」
譲二「いらっしゃい。今年は汐里ちゃんがいるからね」
理人「何があるの?」
汐里「お茶とジュースとフランクフルトだよ。それと、アイスだけどマスターのコーヒーも飲めるよ」
理人「へぇ、じゃあフランクフルトと飲み物はそのアイスコーヒーにしようかな」
剛史「俺はフランクフルト2本とアイスコーヒー」
竜蔵「俺もフランクフルトは2本もらうぜ。それとジョージのコーヒーも」
譲二「了解。汐里ちゃん、フランクフルト5本ね。」
汐里「はーい。焼きたてのを入れとくね」
俺が広げた容器に汐里ちゃんが手際よくフランクフルトを入れていく。
汐里「ケッチャップとマスタードは?」
理人「両方つけて」
剛史「俺も両方」
竜蔵「俺はマスタードだけにしてくれ」
譲二「あ、それは俺がかけるよ…。汐里ちゃんはフランクフルトの焼き加減を見てて…」
竜蔵「仲いいな…お前ら」
剛史「夫婦っぽい」
汐里「タケ兄、フランクフルトもう一本おまけね」
譲二「こらこら、勝手におまけをつけない」
俺は苦笑しながらも、汐里ちゃんが愛しい気持ちでいっぱいになった。
その6へつづく