恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

俺の気持ち…~その3

2015-08-21 07:46:33 | かなり年下の彼女

『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。

この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。


☆☆☆☆☆

 譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
 本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。

☆☆☆☆☆
俺の気持ち…~その3

〈譲二〉
 兄の紅一から電話が入った。


紅一「もしもし、元気か?」

譲二「ああ、相変わらずだよ。…今日はもしかして、この間頼んだことについてかな?」

紅一「ああ、例の社長と話してみたんだが…、娘とは会えないの一点張りでね…」

譲二「そうか…」


 俺は兄貴に、父親が法律事務所を通して手切れ金を打診して来た話をした。

 そして、汐里ちゃん本人はお金目当てではないから受け取らないと答えたことも。


紅一「そうだろうな…。金でどうこうという話じゃないだろうと俺も思った。それで、うちの銀行の社員寮を知ってるだろ?」

譲二「ああ、おもに研修とかで使っているとこだろ?」

紅一「ああ、あそこは普段は管理人以外はいないし、人目に立つような場所でもない。だから、そこでその娘さんと会ってもらったらどうかと提案してみたんだ」

譲二「それで?」

紅一「場所まで提供するからということで、向こうも渋々だけど了承してくれた」

譲二「ありがとう、兄貴。そこまでしてくれて…」

紅一「お前に恩を売ってがんじがらめにするいい機会だからな…。
それで、急なんだが、明後日の午後2時に会うということで、大丈夫か?
 向こうはその時間以外ダメだそうだ」

譲二「ああ、なんとかするよ。ありがとう」


 俺は兄貴が俺のために動いてくれたのを喜んだ。

 昔だったら、とても素直には受け取ることができなかったろう…。

 兄貴は相当苦労してくれたのだろうし、俺も汐里ちゃんのために出来るだけのことをしたかった。



 電話の途中から、自分のことだと気づいたのだろう、汐里ちゃんは俺の側で話を聞いていた。

汐里「お父さんに会えるの?」

譲二「ああ、急だけど…、心の準備は大丈夫?」

汐里「うれしい! マスター、ありがとう」


 汐里ちゃんは思いっきり俺に抱きついた。

 俺も今回ばかりはぎゅっと抱きしめる。


譲二「俺は何もしていないよ…。兄貴が色々骨を折ってくれただけだよ…」

汐里「それでも、マスターがお兄さんに頼んでくれなかったら…、本当にうれしい!」

譲二「こら、だめだったら…」

 汐里ちゃんは俺に飛びついてキスして来た。

 でも、まあ、今回はいいか…。

 

その4へつづく



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