『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
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譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
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またまた始まった…若い子との暮らし~その1
〈譲二〉
最後の客が会計を済ませて出て行った。
譲二「汐里ちゃん、closeの札をかけて来てくれる?」
汐里「はーい」
俺が食器を洗って片付けていると汐里ちゃんが背中から抱きついて来た。
譲二「ほら、どうしたの? 急に抱きついたら危ないだろ?」
汐里ちゃんはちょっと口を尖らせる。
汐里「マスターとせっかく2人きりになったから甘えようと思ったのに…」
俺は苦笑した。
譲二「2人きりになったからって…、今は片付けをやらなきゃいけないだろ?
それより、汐里ちゃんそろそろお風呂を仕掛けといてくれる?」
汐里「今日はマスターと一緒に入れる?」
汐里ちゃんは上目遣いで俺を見上げる。
譲二「入れません。ほら、俺はここを片付けてしまうから…」
汐里ちゃんは半年ほど前からクロフネに居候するようになった子だ。
元の百花ちゃんの部屋に住んで、クロフネを手伝ってもらっている。
それで、食費と下宿代はチャラにしている。
歳は…本人は21歳だと言っているけど…。
言っている歳より若く見えるので、最初は家出かと思った。
警察にも問い合わせてみたりしたけど、該当者はなかった。
結局、いくあてがないからどうしてもクロフネに置いて欲しいという彼女に押し切られることとなった。
若い女の子を外に追い出せるような時間でもなかったからだ。
汐里ちゃんを泊めるのは最初は数日のつもりだった。
だけど、お母さんが亡くなり、家族も無く行くところもないからずっと、置いてくれと泣きつかれた。
可愛い女の子に頼まれると断れない…これは俺の悪い癖だ。
その2へつづく