『年上の彼女』と同じ時期に書いたお話です。
ここでは、年下の子との恋愛というよりも、ちょっと手出しをするのは憚られる相手がいたとして、積極的な女の子のアプローチに譲二さんはどう対処するだろう? という興味で書き始めました。
吉恋のヒロインはそんなに積極的というわけではないですからね。女の子の方から抱きついてくるようだったら、どうするの? って。
この話はまだラストが確定してない…と言うか、途中で止まってます。
だけど、upするうちに続きの話も書けるようになるといいな…という希望的観測でupしていきます。
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譲二ルート以外のどれかのルートの譲二さん。
本編のヒロインは大学を卒業して就職、クロフネを出ている。
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初めてのデート~その2
〈譲二〉
遠出だったが、汐里ちゃんが本当にうれしそうなので良かった。
電車の中では汐里ちゃんはおしゃべりのし通しだった。
譲二「そんなにはしゃいでたら、着いた頃には疲れちゃってるよ」
汐里「だって、ホントに楽しいんだもん。イルカショーも見られるよね? 楽しみ」
園内は2人で手をつないで歩く。
水槽の間を色々な魚を観ながら歩いている。
汐里ちゃんはとても喜んでまるで小学生のようだ。
珍しい魚を見つけては、駆け寄って、
汐里「マスター、こっち、こっち」
と叫んでいる。
これじゃホントに小学生とその父親みたいだ。
汐里ちゃんが観たがったショーも観る。
アシカにイルカ、トドも出て来た。
トドのショーの前にイルカがお兄さんの言うことを聞かずに裏に帰らず、プールの中を悠々と泳いでみせたときは、2人で顔を見合わせて笑った。
水族館からアトラクションに移って、アクアライドでは2人とも盛大に水しぶきの洗礼を受けた。
汐里「カッパを買っといて正解だったね」
譲二「ああ、それでもあちこち湿ってるけど…」
汐里「今日は暑いからすぐ乾くよ…。あ、ソフトクリーム食べたい」
さんざん遊んで、夕方が近づいて来たので、そろそろここを出ようと誘った。
汐里ちゃんはまた小学生みたいなことを言う。
汐里「えー、まだまだ遊ぼうよ」
譲二「朝から歩き通しだけど、疲れてない?」
汐里「うん、平気。マスターと一緒だから」
苦笑しながら尋ねる。
譲二「なんで、俺と一緒だと平気なの?」
汐里「ちゃんと疲れる頃に座る場所を見つけて誘ってくれるもん」
譲二「そっか。気がついてたんだ…」
汐里「だから、もう少しここに居ようよ…」
譲二「うん、だけどね、実は港の夜景が見えるレストランを予約しているんだ」
汐里「え! ホント!」
譲二「だから、時間的にそろそろ移動しないとね」
汐里「やったー! まるで大人のデートだね」
譲二「こらこら、急に引っ張ったら危ないよ…」
汐里ちゃんは、「まだまだ遊ぼう」といった言葉を忘れてしまったかのように、俺の手を引きながら出口に向かって歩き出した。
その3へつづく