この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
☆☆☆☆☆
美緒に似た子~その4
〈譲二〉
息を整えながら、彼女にそっとキスをした。
女の子「あんたの恋人、『ミオ』っていう名前?」
譲二「そんな風に口走ってた?」
女の子「うん」
彼女はにっこり微笑んだ。
そんな風に笑うとますます美緒に似ている。
胸の奥が痛んだ。
譲二「恋人じゃなくて、元恋人だよ」
女の子「そっか」
ありがたいことに、彼女はそれ以上その話はしなかった。
☆☆☆☆☆
彼女はシャワーも浴びずに帰るという。
女の子「シャワーは家に帰って浴びるから…。
ここで気を抜くと稼いだお金を盗まれたりするんだよね」
彼女の言い方はまるで自分に言い聞かせているようで…俺はまた苦笑した。
そして、彼女にチップを手渡した。
譲二「これでタクシーを拾って帰るといいよ。もう遅いからその方が安全だろ?」
彼女はびっくりしたように俺を見つめた。
女の子「あんた…。やっぱりいいひとなんだね…。
この商売では、あたしみたいな女ばかりじゃないから、気をつけた方がいいよ…。
そうだ、これ」
彼女はバッグの中をゴソゴソと探り始めた。
譲二「何?」
女の子「あった! これ、渡しとくね」
彼女がくれたのは、可愛らしい名刺で、『アリサ』という源氏名らしいものと、携帯とメアドが書いてあった。
女の子「お得意様になりそうな人にしか渡してないんだけど…。
あんたは合格。
また、あたしと遊びたくなったら連絡してね」
もう、彼女に会うことはあるまい…。
名刺をくしゃくしゃにしようとして思いとどまった。
例え、少し面差しが似ているというだけでも、美緒を思い出させる物を捨てる気にはなれなかったのだ。
その5へつづく