どうも、こんにちは。
妖怪や神仏、呪術、怪異譚などなど。
有史以来の人間は、この世ならざる世界や存在を、異界を想像し表現し続けてきました。
それらをテーマにした特別展が、今年(2023年、令和5年)の4月28日から6月26日までの期間、大阪歴史博物館で開催されます。
それが『異界彷徨‐怪異・祈り・生と死‐』です。
この『京都妖怪探訪』シリーズも、そうした異界を追い続ける試みでもあるのですから、これは是非ともいかなければ!
今回とシリーズ次回との2回に渡ってこの特別展のレポート記事を書きますが、今回はそのうち、妖怪に関するものに絞って紹介します。
まずはいつものとおり、アクセスから。
大阪メトロ谷町線「谷町四丁目」9番出口から出ますと。
すぐ目の前に大阪歴史博物館が見えます。
会場内へ。
ほとんどの場所で写真撮影が出来るのがありがたいですね。
いかにも異界への門という感じの入り口をくぐって会場へ。
さて会場内で観た全てをここで紹介するのはさすがに無理ですので、以下、私の独断と偏見で選んだ展示物を紹介していきますね。
まずこの河童の図。
ただの河童の絵かと思って解説を読むと、「現在の大分県で寛永年間(1624~1644)に捕獲された河童の生態について記述したもの」とありました。
一瞬「ホンマかいか!?」と思ってしまいましたが・・・否、京都妖怪探訪シリーズをやっってる者が、疑ったりしちゃあいけませんね(笑)。
「手足は亀の如く身の中に入る」「身体の節は裏にも前にも曲がる」と記述され、非常に興味深いものが。
こちらは天保10年に出されたという瓦版でしょうか。
犬の霊に取り憑かれたという男の話。
容姿まで犬のようになって、わんわんと人に吠えたり、他の犬に噛みついたりしたという・・・しかしこういうB級オカルト誌のような胡散臭さも、私は好きですね(笑)。
威厳ある天狗の画。
この画の横にあった「天狗とは何か」の解説文も面白かったです。
中国では、天狗とは流星だとも、天かける犬の妖怪(文字通りの天狗)だとも言われていたそうです。仏法を妨げる魔であるとか、恨みを遺して死んだ人間が転生したものだとか。
また修験行者のイメージと習合し、現在の日本人がよく知る天狗の姿が想像された、との話も。
竹原春朝斉という人が描いた『天狗の卵』。
「山で木を切っていたら天狗の卵が落ちてきた」という話のようですが、天狗って卵から生まれるものでしたっけ?
うーん、これは面白いですが、先に紹介した威厳ある天狗のイメージが・・・(苦笑)。
『法然上人絵伝』の鬼。
最初は邪魔をしていた鬼たちが、最後は教化されている様子が描かれています。
能面。
左上から順に。
『葵上』の六条御息所(ろくじょうみやすどころ)など、怨霊や生き霊を「泥眼(でいがん)」。
鬼と化した女性を表す「般若(はんにゃ)」。
邪悪で危険な鬼神を表した「顰(しかみ)」。
酒好きで有名な想像上の生き物「猩猩(しょうじょう)」。
こうして見ると、能とはオカルトやファンタジーネタの宝庫なのだとわかります。
鬼、狐、河童など、幾つもの妖怪面。
こうして観ると、日本人は昔から妖怪が大好きだったのでは、と思えてきます。
シリーズ次回もこの特別展のレポートを書きますが、そのうち日本人の信仰や死生観などが現れた展示を紹介していきたいと思います。
今回はここまで。
また次回。
*『異界彷徨‐怪異・祈り・生と死‐』のHP
https://ikai-houkou.com/
*大阪歴史博物館のHP
http://www.mus-his.city.osaka.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/