京都の闇に魅せられて(新館)

千本えんま堂大念仏狂言『にせ地蔵』(後編) @ 京都妖怪探訪(350)





 どうも、こんにちは。
 前回に引き続きまして今回も、「千本ゑんま堂」に伝わる「千本えんま堂念仏狂言」の演目のひとつ、『にせ地蔵』をとりあげます。

 それでは早速、前回の続きから。




 前回でお地蔵様に化けて、村人からお供え物を騙し取った、竹三郎と梅三郎。






 この二人はさらにお供え物をせしめようとして、お地蔵様に化け続けます。



 次は別の村人が参拝にやってきます。









 村人はお供え物の帯を、梅三郎が化けたお地蔵様の手に掛けます。








 しかし、元々後ろ向きに錫杖を持つという無理な姿勢でいたところに帯を持たされたので、それに耐えられず梅三郎は、ついつい手を動かし、錫杖を鳴らしてしまいます。
 これを聞いた村人は「「お地蔵様が、お供え物が足りないと仰っている」と思い込み、さらに追加のお供え物を出しました。





 思わぬ収穫を得られたことに、竹三郎と梅三郎はすっかり味をしめてしまいます。





 そして「錫杖を鳴らせばより多くのお供え物がもらえる」と考え、さらにお地蔵様のフリを続けます。






 次に、おなあという村の若い女性がやってきます。





 おなあは「私に良いご縁がありますように」とにせのお地蔵様に祈ります。





 お地蔵様に化けた梅三郎は、そこで錫杖を鳴らします。





 おなあは「お地蔵様がお供え物が足りないと仰っている」と思って、自分の来ていた帯を供えます。








 おなあが去ろうとすると、にせ地蔵(=梅三郎)はなおも錫杖を鳴らします。





 おなあは「お地蔵様がまだお供え物が足りないと仰る」と笑いながら、今度は自分の着物を差し出します。








 おなあが去ろうとすると、梅三郎地蔵はさらに錫杖を鳴らします。





 おなあは「これ以上は私が裸になってしまいます」と笑いながら、帰っていきます。

 こうして竹三郎と梅三郎は、まんまとたくさんのお供え物をせしめることに成功しました。





 二人は味をしめてさらに地蔵のふりを続けます。



 最後に村の庄屋が参拝にやってきます。








 ここで庄屋は、地蔵の手が少し不自然になっていることに気づきます(梅三郎が後ろ手に錫杖を持っているのですから)。





 庄屋は刀を取り出し、「これで手を少し削って直してあげましょう」と言い出します。







 梅三郎はたまらず声をあげ、動いてしまいます。





 それでにせ地蔵の正体も、竹三郎と梅三郎の悪巧みも、庄屋にばれてしまいます。





 庄屋は「この横着者め!」と、竹三郎と梅三郎を叱りつけます。
 二人は「お許しを」と言いながら、逃げていきます。








 こうして狂言「にせ地蔵」は終わります。
 
 この演目もそうですが、「えんま堂念仏狂言」は、現代人にもわかりやすい平易な台詞回しが特徴で、内容もそれほど難解ではないので、狂言など伝統芸能にあまり馴染みのない方でも気楽に楽しめます。
 次の公演予定は来年のようですが、もしその時期に京都に来られる機会があれば、一度いかがでしょうか。
 

 
 今回の最後に、千本ゑんま堂・本堂内に祀られていますびんづる行者像を。






 それでは今回はここまで。
 また次回。





*千本ゑんま堂へのアクセス・周辺地図は、こちらをご覧ください。



*ゑんま堂狂言保存会のHP
http://www.geocities.jp/e_kyogen/



*千本ゑんま堂のHP
http://yenmado.blogspot.jp/





*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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