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どうも、こんにちは。
今回も『霊場魔所の桜シリーズ』をやります。
今年はいわゆるコロナ危機、新型肺炎感染拡大にびびったり、騒いだりしているうちに、桜の時期は過ぎ、さらに感染拡大に伴って全国に出されていた緊急事態宣言も一部地域を除いて解除されてしまいましたが。
それでも今年(2020年、令和2年)の3月末頃、感染症のリスクが高い、いわゆる「3密(密閉、密集、密接)」の状態を徹底的に避けるなど、自分なりの感染症防衛策をとりながら、何とか続けました。
今回も、私のもっともお気に入りの霊場魔所の桜のひとつ、上品蓮台寺(じょうぽんれんだいじ)の桜を観に行きました。
まずはいつもの通り、交通アクセスから。
最寄りの交通機関は京都市営バス「千本鞍馬口」停留所か同「ライトハウス前」停留所があります。
……とは言っても今回も、感染症予防の為、公共交通機関を一切使わず、バイクと徒歩のみで移動しているのですが。
千本通りに面した上品蓮台寺の長い塀。
塀沿いには椿の花が。
上品蓮台寺の山門へ。
山門の外からも見事に咲き誇った桜が見えます。
山門から中へ。
この時はまだ空が曇っていましたが、これはこれでいいかも。
ここの寺伝によれば、あの聖徳太子が母の菩提を弔うために創建し、後世に(あの菅原道真を見いだした)宇多法皇の勅願により再建されたという話です。
その通りなら、かなりの歴史と由緒のある寺院です。
山門、本堂前から奥へと進みます。
この時はまだ、奥の墓地に並ぶ桜の木々は咲いていませんでした。
当初私は、この墓地に咲く桜が観たかった、撮りたかったので、残念に思ったものです。
墓地や曰く付きの場所、妖怪伝承地や心霊スポット。こういう「死」や「闇」を想起させる場所で咲く桜などの花を観てみたい。
そういう場所の桜や紅葉こそ美しいに違いない。
こういう信念(?)の下、「霊場魔所の桜」とか「霊場魔所の紅葉」を続けておりましたので。
でも、こういうのも荒涼とした雰囲気があって、それはそれでいいかもしれません。
そしてそのさらに奥に、この古刹を魔所たらしめているものがあります。
桜の花の向こうに広がる墓地の奥に立つ不気味な老大木。
その木の下に「源頼光朝臣塚」が。
「蜘蛛塚」とか「土蜘蛛塚」とも呼ばれている、「土蜘蛛」という有名な妖怪伝承の遺る塚が立っています。
過去記事(第396回や第618回など)の繰り返しになっていますが、この塚に伝わる不気味な伝承を簡単に説明します。
平安時代の頃。
大江山の酒呑童子退治などでも有名な武将・源頼光が原因不明の熱病にかかり、床に伏していた時のこと。
ある夜、頼光の枕元にあやしげな法師が現れ「もっと苦しめ」と言いながら、襲いかかってきます。
頼光は名刀「膝丸」で法師を斬りつけると、法師の姿が消えます。
翌朝頼光は、配下の四天王(渡辺綱、坂田金時、卜部季武、碓井貞光)に消えた法師の追跡を命じます。
斬られた法師が流したと思われる血の跡を辿っていきますと、北野の森の中にあった大きな塚に辿り着きました。その塚を掘り返してみると、中に巨大な蜘蛛がうごめいていました。
四天王がその大蜘蛛を退治し、遺骸を賀茂川に晒しました。
すると頼光の熱病はすぐに治りました。
この伝承は、能や狂言、歌舞伎や浄瑠璃などの多くの芸能作品の題材にもされ続けてきました。
なお、本シリーズ第485回では、『千本ゑんま堂大念仏狂言』のうち、この伝承を題材にした演目「土蜘蛛」を紹介しています。
この伝承で「四天王に倒された土蜘蛛が埋められた」と言われているのが、この老大木の下に立つ「土蜘蛛塚」です(※以下の画像はシリーズ第396回より)。
現在でも「この老木を切り倒そうとした人が原因不明の病気にかかって死んだ」などの都市伝説のような話もあります。
桜の話に戻りますと。
こちらの桜はまだ、満開ではなかったようです。
桜以外にも咲いている花が。
そのうちに晴れてきます。
再び桜の咲いている山門の方へと戻ります。
雨や曇り空の下の桜もいいけど、やはり青天と陽光の下で映える桜も。
桜の木の下へ。
今年はコロナ危機もあって、本当にゆっくりと桜を観賞する間も無く、あわただしく過ぎていったような感がありますが。
そう言えば、伝承上の土蜘蛛は人を病気にさせることによって、弱らせたり、死に至らしめたりしていました。昨今のコロナ危機でも、誰か英雄が病の呪いを振りまいている妖怪や邪神を倒してくれて、感染症がなくなってくれる・・・っと、なったらいいのになあ、とか思ったりしましたが(苦笑)。
……それでも、また来年。
今回はここまで。
また次回。
*上品蓮台寺への地図・アクセスはこちら。
*『京都妖怪探訪』まとめページ
https://kyotoyokai.jp/
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