どうも、こんにちは。
今年(2023・令和5年)の『霊場魔所の紅葉』シリーズ、第4回目は、臨済宗南禅寺派大本山の南禅寺の塔頭寺院、最勝院高徳庵を訪れます。
京都の紅葉穴場のひとつ、最勝院高徳庵は、シリーズ前回でも紹介しました、鎌倉時代の天台密教の高僧・道智僧正が晩年を過ごしたという場所です。
道智僧正は、「白馬(駒)に乗って天へと昇った」という伝承の持ち主であり。
さらに、南禅寺の始まりともなった、亀山上皇の離宮「禅林寺殿」に現れた妖怪の正体が、この道智僧正だという説もあるのです。
シリーズ前回の南禅寺別院・南禅院の手前から。
南禅院と高徳庵(最勝院)への分かれ道ですが、今回は高徳庵の方へ。
水路閣沿いの坂道を上っていきますと。
紅葉に彩られた最勝院高徳庵への入り口を進んで行きます。
境内へ。
普段は静かな落ち着いた場所なのでしょうが・・・この時は紅葉シーズンということもあってか、結構な数の参拝者が。
まずは本堂へ礼拝。
「駒大僧正」の扁額がかけられているように、駒大僧正が祀られています。
道智僧正とは、鎌倉時代の天台密教の深奥を極めたとされる高僧です。
さらに三井寺の長更(管長)と、当時天台密教の寺院であった禅林寺(現在の永観堂)の住持も務めたという人物です。
文永3年(西暦1266年)3月3日、白馬に乗って天へと昇ったという伝承もある人物でもあります。
そして・・・。
シリーズ前回でも紹介しました、南禅寺の前身でもあった離宮「禅林寺殿」で、怪現象を起こして亀山上皇を悩ませ、南禅寺を創建した禅僧・無関普門により退散させられた妖怪の正体ではないか、とも考えられている人物でもあります。
亀山上皇が、その正体不明の妖怪を退治するために、数多くの仏僧、神官、山伏、陰陽師に依頼しても退散させられなかったという話も、これならば納得がいきます。何しろ元は密教の深奥を極めたという人物が変じた妖怪だったのですから。
駒大僧正のことに思いをはせるだけでなく、せっかくこの時期に訪れたのですから、境内の紅葉風景も眺めてみます。
本堂前に立つ「縁結びの松」。
百日紅(さるすべり)の木の間に松の種が芽生えて大きくなったそうで、百日紅の木と一体化しているから、「縁結び」のイメージが付いたのでしょうか。
縁結びの松の下にカップルらしき狸が。
この風景を眺めていれば、道智僧正がこの地を非常に愛したというのも、わかるような気がしますね。
なお、ここより更に山奥は、鎌倉時代に「神仙佳境」と呼ばれた地であり、そこには道智僧正を祀った祠と、僧正が修行をした駒ヶ滝のある最勝院・奥の院があります。
シリーズ次回は、その最勝院・奥の院を目指します。
では、今回はここまで。
この続きはまた次回。
※ところで2023年の目標で、「(本シリーズでの)新規スポットの記事を最低でも20以上、出来れば30以上書く」としましたが、今回で17カ所目。
目標まであと3本(3カ所)です。
*最勝院高徳庵へのアクセスはこちら。
*南禅寺のHP
https://nanzenji.or.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/