見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

僧侶から転進したチャンドラさん(その1)

2007-06-06 00:08:21 | カンボジア
カンボジア入国の初日。3時間も到着時刻が遅れた上、見知らぬホテルまで連れていかれた時、辺りはすでに暗くなっていた。

降ろされた場所もわからないまま、強引なホテル勧誘を振り払って外に出てきたところ、次に待ち構えていたのはトゥクゥク・ドライバーたちだった。
「どこへ行きたい?」「トゥクゥク?」「アンニョハセオ」「ニッポンジン?」「トゥクゥク、ヤスイ」取り囲まれて身動きできない。
予約してあるホテルの住所と名前を告げ、いくらで行くかと訊ねると想定外の金額が出る。辺りは暗いし、地理に不案内だし、疲れているし、状況は圧倒的に不利だ。カンボジア語が飛び交い、英語がほとんど通じない。わかるのは「2ドルでは行かない」ということだ。

彼らとの交渉をあきらめ、表通りで流しのトゥクトゥクを拾おうと歩き出したとき、少し離れたところにいた小柄なドライバーが近づいてきた。
「どこへ行きたいの?2ドルで行くよ」と流暢な英語だ。ほっとした。
それが、修行僧からトゥクゥク・ドラーバーに転進したチャンドラさんだった。
              
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