見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

退職を奨める人・止める人

2007-02-28 23:37:11 | 生き方・生活
ずっとコーヒーショップだとばかり思っていた喫茶室の二階で、意外なイタリアンを食べた。手始めのオードブルから、スモークチーズとスモークチキンが手作りの香りを漂わせ素晴らしい。ミディアムボディのブーケがしっかりした赤ワインがどんどん進む。この街にはまだ知らない穴場がたくさんある。

ブルーチーズソースがかかったニョッキを口に運びながら、企業から行政に出向している女性の「民間と企業の違い」に聞き入る。
「驚いたのは、夕方5時になると職員が一斉に帰ること。うち(の会社)では考えられません」
行政は、庁舎に遅くまで灯りがついていると、市民からお叱りを受けるんですよ。
「ええ、うちも。だから、ブラインドをしっかり下ろして、外から残っていることがわからないようにするんです」「しかも、退社時刻に一度タイムカードを押すことが習慣化されている。変ですよね。で、私は、実際に帰る際にもう一度押しました。残業したのは事実ですから。後でひどく怒られましたけど(^^!)」

彼女の怒りとも嘆きとも取れる話は、女性職員に対する中堅管理職の認識に及ぶ。「女だから、という理由で堂々と差別されています。『男には残業代を出すだけ投資をしているが女はすぐに帰る』と面と向って言われたり」
彼女はもちろん、若くして係長になるほど、聡明かつ機知に富む女性だ。誰よりも有能で、手際よく仕事をしている姿が目に浮かぶ。

「だから、早くそんな会社は辞めた方がいい」と行政職の男性。「その力はもっと別の場所で活かされるべきだ」と真剣に退職を奨める。

「いや、だからこそ女性として今の職場で上に昇って行ってほしい。先駆者になるべき人は辞めてはいけない」と同じく行政職の若者。

彼らは二人とも彼女のファンなのだが、応援する方向は異なる。
組織のヒエラルキー論理の中で自分を活かそうとするには、男女問わず様々な壁があるだろう。
が、「女である」ことが仕事能力や存在を否定される理由にされる悔しさを彼女はいやというほど味わっている。

自分のことを棚に上げ、私も彼女に今の仕事を続けてほしいと願う。ここにいるファンクラブの二人と私もあなたを支えるから。





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2 コメント

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こんにちわ (八方)
2007-03-04 17:59:48
多くの男性は既得権益を離したくないですし、女性に自立して欲しくないと考えているのでしょう。

どこかの研究で見ましたが、男女一人ずつ別々の部屋で事務能力を測定したところ、女性の方が有能であったそうです。
しかし、同じ部屋で男女一緒に事務能力を測定すると男性の方が有能であったそうです。
割合的に。
男性・女性自身にもバイアスか掛かっていると結論付けていました。

男女の仕事上の権利は極めて複雑で困難です。
利害関係の衝突が起こりますから。
しかし、この問題を解決しなければ生産人口が減少する日本に活力は無くなります。
純粋経済学であれば、回答は簡単なのですが。
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相互作用 (ワイン)
2007-03-05 23:42:05
男女の相互作用は、長い歴史の中で培われてきた社会作用なのかもしれませんね。既得権益を得た人は男女に問わず、そのうまみを手放していただくにはそれを超える魅力的な何かを提示するしかないということでしょうか。
返信する

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