見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

政治への無関心さの原因は

2007-02-24 23:13:44 | 生き方・生活
上海で語学留学をしていた友人が半年ぶりに帰国した。

「中国語の音声が好き」「身近にいる中国人と話したい」という動機で、これまでも市内の中国語講座に通っていた。息子が首都圏の大学に入り、自立した夫をもつ彼女は、夏に予定通り仕事を辞めて単身で上海へ。

「行ってから、自分の向う見ずさに気づいた」と彼女。
世界市場の注目株中国では、外国人向けに中国語クラスを開講する大学が数多くある。日本の中国語講座の先生のアドバイスを元に、彼女は上海の大学を選んだ。が、大学は観光旅行会社ではなく、面倒見がいいとは決して言えない。彼女は、初めて降り立つ中国で、空港から大学まで自力で向かい、宛がわれたマンション風アパートでは、寝具や家事用具を一から自分で揃えた。

彼女の言う「向う見ずさ」は、事情をほとんど認識しないで飛び込んだ異文化への戸惑いを表している。一人のアパート暮らしの心細さの中で「自分が高齢になってひとり暮らしになった時の姿」が脳裏を過ぎったと言う。

しかし彼女は強い。
大学生の息子がいるとも思えないほど若く華奢な女性だが、風邪をひいて寝込み、オイリーな食事に胃を壊しながらも、途中帰国せず、語学レベルのクラスアップを果たし、修了証書を得て帰国したのだ。

ところで、彼女のクラスには両親が中国系という欧米人が多くいた。日本人と似た風貌の彼らだけに、同じクラスの日本人との差が否が応でも目につく。

「自己紹介で、『…でも、尖閣諸島は我が国のものだと思います(^^)』と何気なく付け加える韓国人。それに対して、ウイットに富んだジョークで応じられるといいのだけど、とっさには思い浮かばない」と、彼女。
「そもそも、彼らのように『政治』を何気ない日常語で語れない日本人を痛感した」と。

そういえば昔、フロリダ州の公立学校にゲストスピーカーとして招かれた際、中学生の質問の答えに窮したことを思い出した。
「日本は今、電化製品をダンピングをしてアメリカ市場を脅かしていますが、許されると思いますか」
「日本のトップはどうして1年もたたずに次々と交代するのですか」
中学生の質問だ。
日本の中学校でも外国人ゲストに質問する時間がよくあるが、その時の質問は、
「日本はどうですか」
「納豆/刺身は好きですか」というような質問に代表される。
この違いはどこから来るのだろうか。

まあ、フロリダ州の小学生からは
「日本人はどうして生の魚を食べるのですか」「サルを食べると聞きましたが、美味しいのですか」という質問も出たのだから、それも日本の子とは違うのだが。



↓もっと深い政治の話は、こちらの「政治ブログ」で
ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 その他生活ブログへ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 匿名寄付を美徳とする文化 | トップ | 新しいことを始めるなら女性と »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

生き方・生活」カテゴリの最新記事