３年ぶりのカトマンズ

３年ぶりのカトマンズ。ダルバール・スクエアには、カラフルな石の神像「カーラ・バイラヴ」は変わらぬ存在感で鎮座していた。ヒンズー教のシヴァ神。刀を振り上げ生首をぶら下げてはいるが、どこのシヴァ神よりも愛嬌がある。

初めてカトマンズに入ったのは１２年前だが、毎年その姿を徐々に変化させてきた。が、わずかこの３年の変化は今までになく激しい。インターネット・カフェはブロードバンド対応となり、みやげ物やに匹敵するほど店が増えた。覗くと、どこの店も欧米系の旅行者が並んで画面に向かっている。

何よりの変化は、街から三輪のオートリキシャが消えたこと。「空気を汚す最たる加害者だからね。政府が一掃したんだ」と友人が嬉しそうに言う。
代わりに導入されたスズキの軽自動車タクシーが町中に溢れ、狭い道がよけい身動きできなくなった。確かにオートリキシャが吐くトルエンの煤煙は最低だったが、狭い路地やラッシュの間をぬって小回りよく走る優れものだった。
３年のあいだに、街には一般の車も増え、朝夕のラッシュが一昔前のバンコクの様相に近くなっていた。