見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

「女性裁判官(41)」

2006-08-24 22:09:10 | 政治・社会
今日の正午のNHKニュースで、「検察官不在のまま判決言い渡す:福井地裁」という事件(?)が報じられました。この時間帯のニュースは、15分間という限られた放送枠です。
そこで取り上げられるのだから、かなりの重大事件なのだろうと思い注視。

キャスターが読み上げる事件内容と、画面に出たテロップを見て力が抜けました。
事件は「一週間前の福井裁判所で、刑事裁判の判決時に検察官が遅刻していたことに気付かなかった裁判官が、検察官不在のまま、判決文を読みあげてしまい、30分後にやり直した。」というものです。

裁判制度に疎い私には、この事件が短時間の全国ニュースでとりあげるだけのどのくらい重い意味をもつのかはわかりません。
恐らく、単純なミスではなく、重大な過失なのでしょう。

その事件の詳細を伝えた際、キャスターが、「41歳の女性裁判官が」と言うと同時に、画面にも「女性裁判官(41)」とテロップが表示されたのです。
深い溜息。

遅刻したのは「検察官」と言っていたので、そちらは男性ということなのでしょう。なぜ遅刻したのかについては問題にならないようです。

以前も、同じようなことがありました。
医者が間違った処方をしたことを伝えるニュースの中で、「女性医師が…」と言葉とテロップで報じたのです。

今回の裁判官も上記医師も、あえて性別に拘ることにどんな意味があるのか、理解に苦しみます。そのことが、事件の重大さに何の意味をもつのでしょう。


看護婦が看護士と称されるようになり、保母も保育士になりました。
これから、氏名を公表しない報道の場合、NHKは、常に「女性看護士」「女性保育士」「女性客室乗務員」と性別を明示するのでしょうか。
そして、「『女性』がつかない場合は、男性であると理解せよ」と。

マスコミ報道は、市民に様々な価値観のベースを刷り込んでいくことができます。言葉の用い方ひとつでも、社会を誘導することが可能です。

味覚に鈍感な私ですが、今日は、ニュースを観ながら食べ始めた昼食のお弁当の味が落ちていくのを感じました。

---------NHK・HPのニュース記事----------
今月18日、福井地方裁判所で開かれた刑事裁判で、担当の検察官が午後4時半の開廷時刻に遅刻し、41歳の女性裁判官は、覚せい剤取締法違反の罪に問われた被告の男に検察官がいないまま実刑判決を言い渡しました。法律では刑事裁判には検察官の出席が必要とされていますが、福井地方裁判所によりますと、当日、検察側の席には司法修習生3人がいたため、裁判官が検察官がいないのに気づかなかったということです。検察官が到着したのは裁判官や被告が退席したあとで、書記官の指摘で被告を呼び戻して30分後に裁判をやり直し、判決を言い渡したということです。これについて、福井地方裁判所は「詳しい事実関係を調査しておりコメントは差し控えたい」としています。
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