見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

カンボジアのボーダー越え

2007-06-04 21:25:36 | 旅の風景
ホーチミンからカンボジアへ、バスやボートがいくつも運行している。
安宿街には、小さな旅行代理店(ツアーデスク)が軒を並べており、サービスや料金にそれほどの差はないのだが、もともと物価の安い国なので、1ドルほどの料金差が気になることがある。
日帰りツアーに参加してみると、それぞれ違ったツアーデスクに申し込んだ旅行者の集まりであることがわかり、参加費を報告しあって「えー、ボクは6ドルも払ったのに、あなたは5ドルだったのか」などと、がっかりしたり喜んだり、平和だ。

ホーチミンからカンボジアへ向かうバス・チケットを買うためにツアーデスクを訪ねると、メコン川をボートで上ってボーダーを越えるというツアールートがあった。
             
朝7時半にホーチミンをバスで出発し、途中メコン川のボートに乗り換え、クルーズを楽しみながらライスペーパーやココナッツキャンディの工房を見学し、水上生活の民、チャム族の村を訪ねて生活を垣間見、国境の町で一泊。翌日、スローボートでカンボジアに入り、途中、迎えに来たバスでプノンペン市内に入るというものだ。到着予定時刻16時半というので着いてからも街の散策程度はできる。
浪々と流れるメコン川のような広大な河やボートクルーズというイメージに弱い。何よりもボートに乗ってボーダーを越えるなんて魅力的な響きだ。
一泊二日のカンボジアまでの移動費がボートクルーズと宿泊費込みで25ドル(約3000円)は、直行バスに比べるとかなり贅沢だが、悪くない。

寄せ集めのバックパッカーで動いたこの国境越えは、意外性が盛りだくさんのツアーだった。

①バス、ボート、国境、ボート、バスと乗り換える都度、ガイドがめまぐるしく変わりし、プノンペン到着の時刻と場所を訊くと全員違う時刻と場所を答えた。
②国境では、ベトナム税関の職員の昼食が終わるまで1時間ただ、じっと待っていた。
             

③自費払いのはずの昼食が、セットされていた。
④メコン川ボートクルーズを終えてカンボジアの岸辺に下りたとき、迎えに来ていたのは、見知らぬゲストハウスの送迎ワゴン車だった。
             
⑤プノンペン市内から1時間半かけて迎えに来たワゴン車はツアー人数を知らされておらず、ドライバーは大きな溜息をひとつしてから、9人乗りの車に大荷物12人分と人間13人を押し込んだ。
⑦それぞれ予約した宿があるにもかかわらず、全員が送迎のゲストハウスに連れて行かれてチェックインを迫られた。
⑧ツアー案内書では到着16:30。実際にプノンペンに到着したのは20:00。遅れた理由や言い訳や謝罪をする人はどこにもいない。

教訓:安宿街のツアーデスクのプログラムに参加するときは、十分な時間のゆとりと強靭な体力、そして暇つぶしの道具を持参すること。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ベトナムより日本の方が社会... | トップ | 旅の過ごし方 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ボート大好き (B型パパイヤ)
2007-06-11 09:50:58
メコン川でこれだけの観光ルートができているってことは平和になったってことですね。なつかしいなあ。行きたいです。ラオスでは道が悪かったのでボートで移動したいと言ったら当時はまだ危険と言われました。それで飛行機だったけど、この飛行機も危険そうでした。地雷に気をつけて。
返信する
海外では (ちえちえ)
2007-06-13 09:51:44
十分な語学力と海外体験豊富なワインさんだからこその旅をされてらっしゃるなーと思って居ます。
昔サンフランシスコ空港でロスに行く便が飛ばず説明無いまま数時間待たされロスから日本への便に間に合わずおまけに日本に着いたらスーツケースが無くて・・・なんて事があり、「サンフランシスコでは数時間待ちとか理由無く遅れてもふつうですから」と言われました。じゃあそういう風にツアー組んでよ!!と某大手旅会社に言いたかったです。お体大切に無理なさらずに。。。
返信する
地雷 (ワイン)
2007-06-18 16:12:54
確かに地雷がすぐ周辺にまだ多く埋まっているのですね。農作業中に、安価で小さな地雷に触れて、手足の一部だけを吹き飛ばされた人々が日常的に街にいます。
蚊と蛭が恐ろしく嫌いな私は、普段でも草むらと農地にできるだけ足を踏み入れないので、踏む心配はないでしょうが、物乞いをして歩く障害を負った人たちに向ける気持ちに悩みます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅の風景」カテゴリの最新記事