良いモノを、安く、早く・・・ということについては、全産業共通の物差しを使用することができると思うが、建設業には、ここに「安全」という要素が加わる。
昔の普請では、『人柱』を使って、工事の安全を祈願した記録が残っているほど、一つの工事で多くの人命が失われることは当たり前だった。
現在残っている著名な建物の多くは、人命の犠牲の上に成り立っていると言っても過言ではない。
そして、時代は移り変わり、人命が重くなると共に、建設技術者のプロ化によって、安全に対する意識や設備が格段に向上し、事故の件数も減少を続けてきた。
ところが、昨年、事故発生件数、死傷者数が再び上昇に転じてしまった。
その原因は、東日本大震災の復興事業本格化!
震災の復旧・復興に関連する2011年の死傷者数は全産業の合計で482人に上り、このうち建設業の死傷者数は385人で、全体の80.0%を占めた。
特に、建設業の死傷事故においては、家屋の建築工事での「墜落・転落」が多くをしめている。
厚労省は震災の復旧・復興に伴う工事の増加で、異業種から転職した未熟な労働者が増えたことが一因とみており、労働災害の防止対策を指導するなど、安全衛生管理の徹底を図っているというが、「素人」を相手にしなければならないと言うことであれば、現場での対応は中々難しいであろう。
とはいえ、誰かが建設業に従事しなければ、復興は永遠に進まない。
微力ではあるが、当社もモノ造りのプロとしてだけでなく、「安全のプロ」として、震災復興支援をお手伝いできればと考えている。
明後日は、当社の安全大会。
当社の今年の標語「ユーザーが満足できる良い仕事、磨きをかけようプロの技」を、プロとして実践できるよう、参加予定の皆さんに働きかけていきたい。
さ~てと、今から原稿を起こさなくっちゃ!
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