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ジャーマン+雨

2008-02-01 00:59:49 | 映画2008
 可哀想なのが、ぬりえにされた「ゴリラーマン」のコミックス。

 予告編の段階でとんでもない映画だと知りつつも怖いものみたさで鑑賞。制作費が50万円だということで、期待できる要素もなかったのですが、設定と終盤の展開がなかなか良かったりしました。

 主人公はゴリラ顔の16歳・林よし子(野嵜好美)。性格も強引、わがままといいところなし。そして天涯孤独。両親の離婚により町を去っていたが、かっこいいドイツ人がいるという理由で植木職人見習いをするため町に戻ってきたのだ。小学生を集め笛教室も開き、人のトラウマを聞いて作曲するというヘンテコなミュージシャン。夢はCDデビューして、子供を10人生むことだという・・・。友人の上野まき(藤岡涼音)が3年前に妊娠したことがあると聞いてうらやましく思ってるようだ(なんちゅう設定だ・・・)。

 その他にも個性豊かな出演者がいるのですが、素人の良さを十分に引き出していると思います。『そんな無茶な!』では全裸歌手も演じているし、山下敦弘監督の映画にも出演している俳優・野嵜好美が最も際立っていて、共感できないながらも、次はどんなことをするのかとわくわくさせられる。汲み取り式便所も伏線となって、最後に彼女のとった行動には唖然・・・

 単なるおバカ映画かと思わせておいて、その物語の奥には体が不自由になった父親の存在が大きく横たわっていて、「死んでくれたら楽なのに」「いっそ自分が死んで逃げ出したい」などといった言葉に表れない林よし子の心理が浮かんでくるのです。トラウマというサブテーマに惑わされがちだけど、現実に抱えている悩みは人に打ち明けることもできないんだなぁ。介護問題を扱った映画は多いけれど、オバカというオブラートに包んでしまう横浜聡子監督の手腕には底知れぬパワーを感じてしまう。

 もっと丁寧に作っていたならば、いい映画になっていただろうと思われる作品。さらに痛いのは小学生たちの笛の音が最後に煩わしくなってしまったことだろうか・・・。

★★・・・

野嵜好美は『歓喜の歌』にも出演しているようなので、探してみてください。

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4 コメント

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野嵜好美! (しゅぺる&こぼる)
2008-02-11 12:02:40
わたしは「道」で彼女を見ましたが、すっごかったですからね~。
この映画は上映観も少ないでしょうが、ほんとうなら劇場で観たいなあと思います。
DVDちゃんと出してくれるんでしょうか?
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うひゃ (kossy)
2008-02-12 00:36:41
>しゅぺる&こぼる様
俺もその「道」を見たいんです!ここまでチェックしてるとなると、やはりコンプリートしたい(笑)
俺が観た回は40人くらい入っていたでしょうか。笑いもそれほど多くなかったけど、満足できたのか他の人に聞いてみたくなりました。
2点しかつけてないけど、野嵜好美の面白さには4点つけてあげたい!

DVDの情報、ありませんね・・・
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観る順序 (しん)
2008-04-07 00:55:16
kossyさんは、「ジャーマン+雨」を観てから、「歓喜の歌」だったのですね。
私は逆でした。損した気分。そうか、あの紐で歯間掃除しているボテーっとした人が野嵜だったのか。野嵜のなんたるかを知ってから観れば、面白さ倍増だったんだろうなぁぁぁ
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つい (kossy)
2008-04-08 00:59:15
>しん様
『歓喜の歌』では、この映画を低評価にしてしまった分上乗せしてしまいました(汗)
それにしてもすごい人ですよ!野嵜さんは。
メジャーにならないでほしい・・・
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