全ては“関東”が原因か・・・
またしても予備知識を入れずにて鑑賞。戦争を背景にした恋愛物語と一人の女性の贖罪の人生を描いた作品・・・と、それだけでは済まされない映画だった。英国上流階級モノは苦手な部類だけど、この映画にはその原因である気取った文学要素や働いてないのに人生を悟っているかのような傲慢さが全く見られないのです。
タリス家の末娘ブライオニー(シアーシャ・ローナン)は帰省してくる兄のために戯曲を書くという無垢な文学少女。従兄妹のローラや双子を相手にしても、高慢さと純粋さが同居している性格なのに、どこか心を閉ざしているかのようだ。好意を抱いている使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)が姉セシリア(キーラ・ナイトレイ)とが池の前にいるシーンを目撃してから心理描写が際立ってくるのですが、度肝を抜かれるのは何故かハチの羽音。全体的に効果音はすごく凝っているけど、このシーンで「何か違うぞ!」と感じるのだ。最初はハエかと思ったくらいウザったい音。こんな効果音は『キルビル』とか『テキサス・チェーンソー』がよく似合うってのに・・・
そして映像の編集。この池に飛び込むシーンと、2人が激しい愛の瞬間を過ごすシーンではブライオニー視点を描いた直後に、ロビーやセシリアの視点で繰り返す。視点がころころ変わったり心理描写も変化するのでまとまりがないのですが、この秘密はエピローグで明らかになるのです。そして、戦争が始まり、ロビーたち兵士がダンケルクの海岸に到着したときの長回しカットが圧巻!エキストラの数、馬を射殺する様子、東屋でのコーラス等々、これは見逃せない。
1935年の暑い一日。が多感な少女の嫉妬心や性の潔癖さ、それらが妄想となって嘘の証言へとなった。身分違いということもあってロビーには弁解する余地すらなく、刑務所に入れられる。しかし、ほんの一瞬に燃え上がった恋は本物。戦地へと駆り立てられても2人の愛は引き裂かれるはずもないのだ・・・
ブライオニーの贖罪。身分違いの2人の恋愛が成就すれば少女の“つぐない”も終わりになるかと思うけど、エピローグでは年老いたブライオニー(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のさらなる本音が語られる。言葉には表れてなくても、戦争がその贖罪をも完結させてくれないことが痛いほどわかるし、そのため、死ぬまで重い十字架を背負わなければならないのだ。こんな辛い記憶とともに生きてきた彼女の訴えには涙をこらえることもできませんでした。だけど、それも徐々に解消される・・・
★★★★★
“関東”といえば、『ハンティング・パーティ』の感想が書けてない・・・
またしても予備知識を入れずにて鑑賞。戦争を背景にした恋愛物語と一人の女性の贖罪の人生を描いた作品・・・と、それだけでは済まされない映画だった。英国上流階級モノは苦手な部類だけど、この映画にはその原因である気取った文学要素や働いてないのに人生を悟っているかのような傲慢さが全く見られないのです。
タリス家の末娘ブライオニー(シアーシャ・ローナン)は帰省してくる兄のために戯曲を書くという無垢な文学少女。従兄妹のローラや双子を相手にしても、高慢さと純粋さが同居している性格なのに、どこか心を閉ざしているかのようだ。好意を抱いている使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)が姉セシリア(キーラ・ナイトレイ)とが池の前にいるシーンを目撃してから心理描写が際立ってくるのですが、度肝を抜かれるのは何故かハチの羽音。全体的に効果音はすごく凝っているけど、このシーンで「何か違うぞ!」と感じるのだ。最初はハエかと思ったくらいウザったい音。こんな効果音は『キルビル』とか『テキサス・チェーンソー』がよく似合うってのに・・・
そして映像の編集。この池に飛び込むシーンと、2人が激しい愛の瞬間を過ごすシーンではブライオニー視点を描いた直後に、ロビーやセシリアの視点で繰り返す。視点がころころ変わったり心理描写も変化するのでまとまりがないのですが、この秘密はエピローグで明らかになるのです。そして、戦争が始まり、ロビーたち兵士がダンケルクの海岸に到着したときの長回しカットが圧巻!エキストラの数、馬を射殺する様子、東屋でのコーラス等々、これは見逃せない。
1935年の暑い一日。が多感な少女の嫉妬心や性の潔癖さ、それらが妄想となって嘘の証言へとなった。身分違いということもあってロビーには弁解する余地すらなく、刑務所に入れられる。しかし、ほんの一瞬に燃え上がった恋は本物。戦地へと駆り立てられても2人の愛は引き裂かれるはずもないのだ・・・
ブライオニーの贖罪。身分違いの2人の恋愛が成就すれば少女の“つぐない”も終わりになるかと思うけど、エピローグでは年老いたブライオニー(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のさらなる本音が語られる。言葉には表れてなくても、戦争がその贖罪をも完結させてくれないことが痛いほどわかるし、そのため、死ぬまで重い十字架を背負わなければならないのだ。こんな辛い記憶とともに生きてきた彼女の訴えには涙をこらえることもできませんでした。だけど、それも徐々に解消される・・・
★★★★★
“関東”といえば、『ハンティング・パーティ』の感想が書けてない・・・
分かりました。まだ観てないので、早々に予定します。
満点ですね~♪
わたしも☆9の今年観た中では上位の方です
脚本にうねりがあって引き込まれて観てました。。。。
ほんと切ない話、、、
そういやテレサ・テンかぁ・・・パチンコのテレサ・テンではあまりいい思い出がないです・・・あ、関係ないか。
>turtoone様
おそらく気に入っていただけると思います。
俺の予定では今年のベストテン入りが濃厚です~
>mig様
実は全体的な構成はチグハグなような気がするんです。なぜアッチに行ったりコッチに行ったりと・・・面白い作りになっていましたよね。
それが最後のインタビューで明かされた時にはググっときて泣けてきました。
結構ショックでした。
なんか切な過ぎますねぇ~。
それにしても、あのチョコレート工場の男がひどすぎます!
ちゃっかり結婚とかしてるし・・・・(-_-#)
私も今年のベストテン入り濃厚です!
あの男、観客は誰が真犯人か想像できるだけに、黙ってる男にはイライラさせられますよね~結婚までするかよ!てなもんで・・・でも、結構純粋に(ロリコン気味に)好きだったってことかもしれないけど・・・
告白の部分はほんとに辛かったぁ~
せめて2人が生きていてくれれば・・・
東京は公開8週目ですが、既に上映しているのはここだけ。初回だったので、なんと私を含めて10名の鑑賞でした。隣のシアターで「マンデラ」をやってましたが、それを蹴っての鑑賞。
でもすばらしかったです。
恐らく上半期のトップ3入りは間違いないでしょう。
映画雑誌評などは割りと淡々と書いてあって余り鑑賞意欲をそそられなかったのですが、改めて貴殿をはじめブロガーの評価は正しいと思いました。
サンクスです。
ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞で十分証明されましたよね。オスカーは惜しかったけど、価値は十分にあり!
映画雑誌では淡々と書かれてたのですか~
ほめ辛いというか、表現が難しいというか、いろいろあるんでしょうね・・・
数限られてしまいますね。
この映画は、印象に残る作品となりました。
キーラの切なさが良かったです。
>英国上流階級モノは苦手な部類
なのですね。
私は衣装が好きなので、好んで見る方です。
そうなんです・・上流階級ものが苦手なので、『ブーリン家』もまだ観てない・・・まぁ、歴史モノとして鑑賞すればいいのだろうけど。
この映画はほんとに切なかったです。
そろそろwowowでも放映してくれるかな~