トリカブトも作っているし、麻薬だって作っている植物学者。
幻想的な山水画の世界も旅することができるし、民家の間を通る列車体験もできる。不思議な香りがこちらにまで漂ってくるかのような、切なさいっぱいの映画でした。孤児院で育てられたリー・ミン(ミレーヌ・ジャンパノイ)が湖に浮かぶ植物園の小島に向かう。チェン教授のもとで1か月半、実習生として滞在することになるのです。まずはボートの漕ぎ方が普通とは違い、進行方向を向いて漕いでいることに驚きましたが、後から出てくるシーンでも皆そうでした。
チェン教授の性格は厳格すぎる上に、ちょっとでも気に入らないことがあれば怒り出すのです。季節ごとの雨水の味がわかるとか、7時半にとる習慣の朝食が8時に出されようものなら頑として食べないとか、極端すぎます。それでも中国の植物学者だし、医学生も教える東洋医学の権威のようでもあるし、修行に耐えればそれなりの人生経験となるような雰囲気です。
映画に登場する植物学者といえば、『ジュラシック・パーク』のローラ・ダーンとか、『バットマン&ロビン Mr. フリーズの逆襲』のユマ・サーマンとか、『E.T.』のETくらいしか知りませんでしたが、彼女たちとは全く性格が異なっていました。なんだか優しいという先入観は捨てなければならないようです・・・
そんな厳粛な教授にはアンという娘がいて、母親を早くに亡くしていたという境遇が同じミンに同情し、すぐに心を打ち融けあうのです。やがて友情が同性愛へと発展し、離れられなくなったと思っていたら、兵士であるアンの兄が突如帰宅する。結婚しちゃえば永遠に一緒にいられる!と、ほとんどためらいもなく結婚に踏み切るミンなのでした。
エキゾチックな雰囲気とレズビアンのエロス。それが靄がかかった映像と見事に融合されているのです。しかし、中国では同性愛は敬遠されるどころか罪になるのだ。中国ロケは当局から許可を得られず、ベトナムロケを敢行。だけど、奇岩が聳える谷合などはほとんど中国・・・行ったことはありませんけどね。シンセサイザーをバックに二胡の音色を奏でる音楽も心地よかったです。
同性愛という中国にとってはタブーでもあるテーマを大胆に扱っていたけど、厳格な父に育てられた環境とそれまで孤独だった2人という状況だけに、愛が芽生えてしまったのが偶然にも同性だった。チェン教授が最期にとった行動と告白は、娘に対する理解と愛情の欠如からくるものだろうし、彼もまた植物だけが友人であるかのように孤独な人だったのでしょう。さすがに「悪魔」呼ばわりするんだから共感もできない・・・それよりも2人のラストがとても切ない。
★★★★・
幻想的な山水画の世界も旅することができるし、民家の間を通る列車体験もできる。不思議な香りがこちらにまで漂ってくるかのような、切なさいっぱいの映画でした。孤児院で育てられたリー・ミン(ミレーヌ・ジャンパノイ)が湖に浮かぶ植物園の小島に向かう。チェン教授のもとで1か月半、実習生として滞在することになるのです。まずはボートの漕ぎ方が普通とは違い、進行方向を向いて漕いでいることに驚きましたが、後から出てくるシーンでも皆そうでした。
チェン教授の性格は厳格すぎる上に、ちょっとでも気に入らないことがあれば怒り出すのです。季節ごとの雨水の味がわかるとか、7時半にとる習慣の朝食が8時に出されようものなら頑として食べないとか、極端すぎます。それでも中国の植物学者だし、医学生も教える東洋医学の権威のようでもあるし、修行に耐えればそれなりの人生経験となるような雰囲気です。
映画に登場する植物学者といえば、『ジュラシック・パーク』のローラ・ダーンとか、『バットマン&ロビン Mr. フリーズの逆襲』のユマ・サーマンとか、『E.T.』のETくらいしか知りませんでしたが、彼女たちとは全く性格が異なっていました。なんだか優しいという先入観は捨てなければならないようです・・・
そんな厳粛な教授にはアンという娘がいて、母親を早くに亡くしていたという境遇が同じミンに同情し、すぐに心を打ち融けあうのです。やがて友情が同性愛へと発展し、離れられなくなったと思っていたら、兵士であるアンの兄が突如帰宅する。結婚しちゃえば永遠に一緒にいられる!と、ほとんどためらいもなく結婚に踏み切るミンなのでした。
エキゾチックな雰囲気とレズビアンのエロス。それが靄がかかった映像と見事に融合されているのです。しかし、中国では同性愛は敬遠されるどころか罪になるのだ。中国ロケは当局から許可を得られず、ベトナムロケを敢行。だけど、奇岩が聳える谷合などはほとんど中国・・・行ったことはありませんけどね。シンセサイザーをバックに二胡の音色を奏でる音楽も心地よかったです。
同性愛という中国にとってはタブーでもあるテーマを大胆に扱っていたけど、厳格な父に育てられた環境とそれまで孤独だった2人という状況だけに、愛が芽生えてしまったのが偶然にも同性だった。チェン教授が最期にとった行動と告白は、娘に対する理解と愛情の欠如からくるものだろうし、彼もまた植物だけが友人であるかのように孤独な人だったのでしょう。さすがに「悪魔」呼ばわりするんだから共感もできない・・・それよりも2人のラストがとても切ない。
★★★★・
湖の中に浮かぶ小さな楽園も、ちょっと外へ出れば普通の街なのに、まるで籠の鳥のように孤独に生きてきたアンにとって、さながら、突然舞い降りたもう一羽の孤独な鳥、ミンとの出会いは、どれだけ嬉しかったことかと思いました。
ミンが、鳥を贈りものに持ってきたのが象徴的にも感じました。
二人がふざけあったり、見詰め合ったりしているシーンがあまりにも美しく、このまま楽園が壊れないで欲しい!と作品に入り込んで願いましたが、荒廃した楽園に戻った兄は、鳥を放ち恩寵を得ようとしなかった自分達の罪を思った…のなら良いですね。
そうか~アンは籠の中の鳥だったわけですね。最初のおみやげの九官鳥といい、寺の鳩といい、伏線も効いていたのですね・・・
最初はちょっと引いてしまったんです。彼女たちの年齢のせいでしょうか、現実社会とかけ離れた世界だったためか、もっとのめり込めばよかった・・・
兄の罪って、それほど重くないと思うのですが、彼もまた厳格な父の犠牲だったのかなぁ~
しかし、ストーリーは、とまどい・緊張感・背徳観不足かも。
主人公実習生ミンは孤児院育ち。
孤児院では飢えに苦しんだり、経済的・将来的不安はなかったのか?
植物学・仕事に対する熱意は感じないし、植物園を追い出されてもタイシタコトない感じ。
アンを愛するのは自然で罪悪観なしでも、必死さを感じない。
だから、孤独な二人の愛は美しく、結末もせつないけれど、生きること食べることに必死な貧乏人は胸を打たない。
また、ミンが孤児でハーフである必要があったのか?特殊としたかったのか?海外向けか?アンの美しさを引き立てるため?も疑問。。
あぁ、保存版を手元に置いておきたい!
などと思ってしまうほど、美しい映画。
たしかに俺も含めた貧乏人には不向きなのかもしれないけど、それを忘れるほど魅力的な映画でした。もともとは孤児だったわけだし、現実逃避ということを考えれば、それもありかな~
そう考えれば、幻想的な世界にドップリはまれたのかもしれませんね。。
船で行く、島の植物園。
世間から隔離されたような空間。
二十歳の美しい女の子。幻想的な風景と、孤独、渇望、共鳴、せつない純愛。
精神的に年をくったかも。。
あの年頃の感性・無謀さ・一途さ・無計画さ・いきおい・性欲を、思い出して、リアリティを求めず、再鑑賞してみようと思います。
>同性愛という中国にとってはタブーでもあるテーマを大胆に扱っていたけど
昔の宮廷では、当たり前のことだったでしょうけどね。
何なんでしょう。共産主義は、そんなことに管理する必要がないし、一人っ子政策に矛盾しないし(笑)
中国三千年の歴史!
宦官制度なんてのもある意味同性愛だったかもしれませんよね。まぁ、同性愛を忌み嫌う風潮はどこの国でもあることなので、ちょっと遅れていただけかもしれません。